小6外国語「思考・判断・表現」の見取り方を教科書編集委員が解説

連載
英語授業Q&A特集:教科書編集委員が指導法やポイントを解説!

神奈川県公立小学校教諭

長沼久美子

小学校外国語科検定教科書の編集委員でもある神奈川県公立小学校の長沼久美子先生による好評連載! 前回に引き続き今回も、外国語学習における「思考・判断・表現」の見取り方についての疑問にお答えします。

執筆/神奈川県公立小学校教諭・長沼久美子

pixabay

Q1「世界で活躍する人を紹介しよう」の学習では、どのような様子から子どもの思考・判断・表現を見取るとよいのでしょうか。

(光村図書『Here We Go!6』P.66・67)

A.クイズの問題に答えようと、あれこれ回答を思い浮かべる姿から、思考・判断・表現を見取れます。

クイズ問題は、思考・判断しないと答えることはできません。ヒントとなる文章を聞いたり、挿絵や写真を見たりしながら、それらの情報を頼りに、瞬時に頭の中でいろいろと考えます。そして、「○○かもしれない」と分かった瞬間にクイズの答えを出すことができるわけです。

このとき、はじめのヒントで答えの見通しをもった子どもは、残りのヒントを自分の思い描く答えと結び付けています。見通しを持てていない子どもは、今までのヒントとの共通点を見つけながら、答えを考えます。このように、クイズは、常に思考・判断が繰り返されています。

しかし、これらのプロセスは頭の中で行われるので、見取ることが難しいのです。そこで、正解できた子どもに、「どうしてそうだと思ったの?」と聞いてみてください。子どもが表現するそのプロセスから、思考・判断を見取ることができます。

例えば、

He is an athlete.って言っていたから、Heだから男の人だね。athleteだから、運動選手かもと思った。

と話す子どももいれば、

He can play tennis.と聞こえた。テニスだ。男の人でテニスと言えば○○だ。

と話す子どももいるでしょう。

また、この活動で一人ひとりの思考・判断を把握したい場合は、メモを作って、1問1問に対して「なぜそう思ったのか」を書いてもらう方法もあります。

外国語学習における「思考・判断・表現」について、こちらの記事でも解説しています! → 小6外国語:「思考・判断」の見取りのポイントを教科書編集委員が解説

Q2「食物連鎖 (フードチェイン)について発表しよう」では、どのような様子から子どもの思考・判断・表現を見るとよいのでしょうか。

(東京書籍『New Horizon Elementary6』P.46・47)

A.発表する内容を膨らませて考えているところがポイントとなります。

このアクティビティでは、食物連鎖についての発表に向けて、「わたしのせりふ」を書きためます。この「わたしのせりふ」をもとにして発表するとき、単に書きためたものを読むだけでなく、「わたしのせりふ」を軸に話を膨らませて発表する内容を工夫するところに、思考・判断のポイントがあります。

たとえば、事例にある「bear」について話を膨らませるならば、

Bearは強そうだから、そのことを付けたそう。「強い」は、「strong」だった。ほかに何を言おうかな。そうだ。冬眠することも付けたそう。

と、いろいろと考えながら文章を組み立てます。膨らませていく話は、生活経験や既存知識により子どもそれぞれになるでしょう。そこが、このアクティビティの魅力です。

そこで、あらかじめどのような文章を付け足すか、想定しておきましょう。定型文を示してしまうと、自由な発想が生まれにくくなることもあります。ぜひ時間をたっぷりと設けて、子どもが自分で調べたり考えたりしながら文章をつくっていけるように支援してみてください。

Q3 Enjoy Readingという読む学習では、子どもたちはどんな時に思考・判断・表現をしているのでしょうか。また、それらを育むためにはどのような支援が必要ですか。

(三省堂『CROWN Jr.6』 P.52)

A.文字を目で追い、内容を理解しようと努めている様子などから思考・判断・表現を見ることができます。気付きを引き出す発問をするなどのやり取りをしていくと、思考が促されます。

読むことの学習では、単語や文章を英語の音声として読み、そして内容を理解し捉えることをねらっています。そこに至る過程で、思考・判断が求められます。

例えば、英語を音で読むために、これまでにインプットされてきた英語の音を思い出すなどの思考・判断が行われます。

tallは、どうやって読むんだっけ。

longは、こうやって読むんだったなぁ。

などと考えながら、単語や文を音で表現しようとします。

中には、アブクド読みを頼りに音で表そうとする子どももいるでしょう。名称読みと音読みが混ざって発話していく子もいると思います。

名称読み … アルファベットの呼び名を読むこと。 (エイ、ビー、シー、 ディー …)
音読み … アルファベットが単語の中で実際に読まれる音で読むこと。a,b,c,dの読み方から「アブクド読み」も含まれる。

このような思考・表現を促すためには、アクティビティの前に、関連する項目を復習して、文字と音を結び付ける支援が効果的です。また、これまでの学びを掲示して、活用できるようにするのもいいと思います。

一方、内容を捉えるためには、単語や文の意味をつなぎ合わせていく思考・判断が繰り返されます。

giraffeって聞こえた。たしか、意味はキリンだ。tallも聞こえた。背が高いって言う意味だから、多分そういう話なのかな。

このようにして、子どもは、あいまいな部分もありながらなんとなく、ぼやっと内容を捉えていきます。このような思考・判断を促すためには、単語の意味だけではなく、状況を理解したり、言い回しに注目したりできるような支援が必要になります。

読むのが苦手な子どもには、挿絵を示して、「どんなところにいるのかな?」「何をしているのかな?」と聞くなどして状況に目を向けさせて確認してみると、それをきっかけに、内容の理解を進めることができます。

このような思考・判断を繰り返しながら子どもは読んでいきますが、大勢の子どもを見取るのは難しいことです。子供がどんな内容だったかをノートなどに書くようにして、確認してみるとよいでしょう。

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長沼久美子先生プロフィールイラスト

長沼久美子
神奈川県公立小学校教諭。小学校英語教科書CROWN Jr. 編集委員。
(イラスト/本山浩子)

イラスト/横井智美

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