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「白いぼうし」の「問い」はウィズコロナ時代を生きる力を育てる

連載
坂本良晶の「学校ゲームチェンジ論」

元京都府公立小学校教諭、Canva Japan Canva Education Senior Manager

坂本良晶

大手回転寿司チェーンの店長として全国一位の売り上げを誇るという異例の経歴を生かし、ビジネス界のマインドや手法を教師の仕事に落としこむエッジの効いた発信で多くの若手教師に支持される、さる先生こと坂本良晶先生の新連載。今回のテーマは、「は・か・せ」からの卒業。ゲームチェンジした世界を生き抜くための力を授ける教師像とは!?

執筆/京都府公立小学校教諭・坂本良晶

「白いぼうし」の「問い」はウィズコロナ時代を生きる力を育てる
Pixabay

「ゲームチェンジ」が加速する世界

新型コロナウィルスをいかにして封じ込めるかという戦いが全人類レベルで繰り広げられている現在、数か月前には想像すらしなかったさまざまなことが変化しています。

これは学校運営の在り方というミクロなレベルだけに留まらず、世界のありとあらゆる人間活動の在り方というマクロなレベルでのゲームチェンジが起こっていることを意味しています。

そもそも、今回の学習指導要領改訂は、そういったゲームチェンジに呼応する形で進められたものであるはずでした。コロナを機に、そこからさらに一段ギアを上げて世界が加速していくでしょう。そのゲームチェンジに関することを、ビジネス界の具体を交えながらお話ししたいと思います。

コモディティ化していく「は・か・せ」

算数の授業等でよく使われる「は・か・せ」。すなわち「早く・簡単に・正確に」ものごとを解決しようという視点のことですね。僕自身もよく使うのですが、これはこれまでの世界を象徴するワードだと内心は感じています。

結論から言うと、こういった「早く・簡単に・正確にものごとを解決する能力」=課題解決能力は、これからさらにコモディティ化(特別ではなく、ありふれたものとなる)していきます。

現在、日常生活を送るために最低限必要となる様々な道具は、「高品質・大量生産・安価」での流通が可能になりました。「は・か・せ」的な課題解決について、既に正解が示されているという事柄がほとんどだと言えます。

そういった「答えが飽和しきった世界」がこれからの子どもたちが生きる未来なのです。「は・か・せ」的な能力の高さが、社会において直接的に価値を産むことがだんだんと難しくなってきているのです。高度経済成長期には「は・か・せ」的能力による生産性向上が豊かさに直結していたのが、通用しなくなりました。これが一つのゲームチェンジです。

なぜ、「問い」が叫ばれるか

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