小4国語「未来につなぐ工芸品」京女式板書の技術

本単元は、教材「未来につなぐ工芸品」と「工芸品のみりょくを伝えよう」の2つで構成されています。「未来につなぐ工芸品」の目標は、「筆者が伝えようとしていることを捉えて要約し、考えたことを伝え合おう」です。まず「読む」ことを通して理解を深め、その学びを生かして、次の教材「工芸品のみりょくを伝えよう」では「書く」活動へとつなげていく単元構成となっています。子供たちは工芸品について調べ、リーフレットにまとめて発信するという学習活動に取り組みます。一人一人の「主体的な学習」を支えるのが、「未来につなぐ工芸品」での学習です。工芸品の魅力や、それを生み出す職人の思いを要約することで、筆者が伝えたいことを深く理解する学習を目指し、それを支える板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授
元同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/京都女子大学附属小学校教頭・砂崎美由紀
単元名 中心となる語や文を見つけ出して要約し、調べたことを書こう
教材名 「未来につなぐ工芸品」(光村図書出版)
目次
単元の計画(全12時間)
- 教科書47ページを読み、学習の見通しをもつ。「未来につなぐ工芸品」を読む。
- 中心となる語や文を見付けて要約する。
- (※2と同様)
- 工芸品や筆者の考えについて考えたことを、ノートにまとめる。
- 要約した文章を使いながら、考えたことを伝え合う。
- 工芸品に関する資料や図鑑を読み、内容を友達に伝える。
- 工芸品についてのリーフレットを作る流れを確かめる。
- 紹介したい工芸品について詳しく調べ、分かったことを書き出して整理する。
- 組み立てや資料の使い方を考え文章を書く。
- (※9と同様)
- リーフレットを読み合い、感想を伝え合う。
- 学習の振り返りをする。
板書の基本
〇授業が始まる前に考えること
要約の学習では、まず文章の中から中心となる語や文を選び出すことが出発点となります。低学年や中学年では、「大切だと思うところに線を引きましょう」と指示すると、教科書のほとんどの文に線を引いてしまう子供も少なくありません。これは、文章が簡潔に書かれているため、どの文も重要に思えるからです。
本時では、「文の中心となる語や文」の選び方を学びます。ペアやクラスでの対話を取り入れながら、より的確に中心となる語や文を見極め、要点を絞っていく力を育てる授業を目指します。
〇板書計画で考えておくこと
教科書54ページには、「中心となる語や文を整理する例」が示されています。これを参考に、「中」「終わり」の段落を読み取り、ノートに整理するという学習活動が提案されています。
本時では、子供たちがこの教科書54ページの内容にたどり着くまでの思考の過程を、板書を通して可視化することを考えています。
