小２算数「1000より大きい数」指導アイデア《数直線上の数を読んだり、数直線上に数を表したりする》

特集: 文部科学省教科調査官監修｢教科指導のヒントとアイデア｣

2025.04.22

単元の展開

第１時　４位数の読み方と書き方、数構成について考える。
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第２時　空位のある４位数を書いたり、読んだりする。
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第３時　４位数を10、100、1000のまとまりとして捉える。
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第４時（本時）数直線上の数を読んだり、数直線上に数を表したりする。
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第５時　４位数の順序や系列を理解する。
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第６時　４位数を加法的に見て表したり、減法的に見て表したりする。
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第７時　４位数の大小を比較する。

本時のねらい

数直線上のひと目盛りの大きさを捉えることができる。

評価規準

・10000は1000を10個集めた数ということを理解している。（知識・技能）
・10や100、1000などを単位として数の大きさを捉えている。（思考・判断・表現）

本時の展開

①と②は、それぞれいくつでしょう？

①と②はそれぞれいくつを表しているでしょう。

簡単すぎます。①は３で、②は10です。

０から始まっているから、①は１、２、３で３目盛り目だから３だよね。

①は30でもいいんじゃないかな。

そうか。ひと目盛りの大きさを10と考えたんだね。

※このように、ひと目盛りの大きさを１以外で考えている子供が出ない場合は、｢①は３じゃない数を思い浮かべたんだよね……」などと教師から新たな視点を与えるとよいでしょう。

だったら、①は300でもできるよ。

3000でもいいよね。

①が300だったら、ひと目盛りは100だから、100、200、300……900。②は1000だよ。

①が3000だったら、ひと目盛りは1000だから、1000、2000、3000……9000。②は10000かな。

そうですね。1000が10個集まった数を10000と言いますね。

ひと目盛りの大きさが変わると、①や②の大きさも変わるってことだね。

ということは、ひと目盛りの大きさが大切ってことだね。

もし②が5000だったら、①はいくつかな？

もし②が5000だったら、①はいくつなのだろう。

自力解決の様子

Ａ　つまずいている子
ひと目盛りの大きさを正しく捉えることができず、１や10、100などと考えてしまう（①の値を4993や4930、4300などとしてしまう）。

Ｂ　素朴に解いている子
ひと目盛りの大きさを調整しながら、②が5000になるときの①の値（ひと目盛りの大きさ）を見付けようとしている。

Ｃ　ねらい通り解いている子
5000を10等分したら、ひと目盛りの大きさがいくつになるかと考えたり、10個集まったら5000になる数はいくつかと考えたりしている。

学び合いの計画

ここまでの問題では、ひと目盛りの大きさが分かると①の値や②の値も分かるという思考の流れでした。ここで提示した問題は、②の値からひと目盛りの大きさを考え、①の値を求めるという思考が必要になるため、戸惑う子供が出ることが予想されます。そのため、ひと目盛りの大きさを正しく捉えることができずに、①の値を決めてしまう子供は一定数出てくるでしょう。

こういったつまずきはただの間違いとして処理するのではなく、その子の考えを基にして、理解を深めるきっかけとしていくことが大切です。そうすることで、つまずいた子だけでなく学級全体が、つまずきを価値あるものとして認識していくことへとつながります。その際、つまずいている子供に発言させるのではなく、教師がその考えを代弁する形で提示することも考えられます。教師がつまずいて見せ、その後の子供とのやり取りをコーディネートすることで、つまずきから学ぶという雰囲気をつくっていくこともできます。

考えを取り上げる際には、まずＡのようなつまずきを取り上げた上で、どんなことに困っているのか（主に、ひと目盛りの大きさをどのように決めたらよいか分からないという困り）を共有します。その後、Ｂのように、Ａのつまずきを、ひと目盛りの大きさを調整することで解決できることを確認します。その上で、調整をするのではなく、②の値から、ひと目盛りの大きさを考えることができるというＣのような考え方へと高めていくとよいでしょう。