小1算数「どっちがひろい」指導アイデア《任意単位によって数値化して比較する》

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文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
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小1算数「どっちがひろい」指導アイデア タイトル

執筆/新潟大学附属新潟小学校教諭・石塚正人
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、新潟市立新津第一小学校・新津第一幼稚園 校園長・間嶋哲

年間指導計画 どっちがひろい

単元の展開

第1時 身の回りにあるものの面積に着目して、面積を直接比較の方法で比べたり、任意単位による比較の方法で数値化して表したりする方法を考える。

第2時 (本時)面積を直接比較や任意単位による比較の方法で調べる方法を使いながら、問題を解いたり、陣取りゲームをしたりしながら、学習内容の習熟を図る。

本時のねらい

問題場面や友達との陣取り遊びより、任意単位によって数値化して比較することができる。

評価規準

マス目という任意単位の数値の比較によって、陣取りゲームの勝敗を判断することができる。(知識・技能)

本時の展開

今日は、「陣取りゲーム」というゲームをしましょう。

どんなゲームなのかな。

ゲームだから、きっと面白いよ。

図表1

試しにやってみます。

※ゲームのルールを確認するために、教師と子供で3回じゃんけんをする。
(例)1回目:赤がグーで勝ち、2回目:青がチョキで勝ち、3回目:青がパーで勝ち
図表2

何度もじゃんけんに勝てば、たくさん色を塗れるんだね。

このように、じゃんけんをして色を塗っていきます。では、この場合、どちらの勝ちでしょうか。

※タブレット端末で、問題を配信する。

問題
どちらの かちでしょうか。
図表3

よく分かりません。

どうして分からないのですか。

色がバラバラに塗られているからです。

だから、どちらが広いか分かりません。

 それでは、どちらが広いのかを比べる方法を考えていきましょう。

1人1台端末活用アイデア

陣取りゲームは、タブレット端末を用いて行いましょう。マス目を数え、数値化して広さを比較する方法のよさを実感させるためです。紙で配って陣取りゲームを行うと、前時までのように、見た目で比べたり、紙を切って、直接比較の方法で比べたりしようとする子供がいます。これは、既習を生かした子供らしい学びです。

しかし、教師はマス目を用いた任意単位によって比較する方法を求めます。ここに、子供がやろうとしていることと、教師がやってほしいこととのギャップが生じます。このギャップを埋めるのが、タブレット端末です。紙のように切ったり重ねたりできないことが、マス目を数え、数値化して広さを比較する方法を引き出します。

また、1年生は、子供によって作業進度の差が大きいことが予想されます。タブレット端末であれば、ペンの色や太さを変えることが容易なため、マスに色を塗る作業を効率的に行うことができます。これにより、授業時間内でたくさん陣取りゲームに取り組むことができ、学習内容の習熟を図ることにも繋がります。

学習のねらい
どちらが広いかを比べるには、どうしたらよいだろうか。 

見通し

これまでみたいに、切って重ねたいんだけどな。

マス目があるから、それを使えないかな。

マス目の数を数えれば、どちらが広いか分かるよ。

自力解決の様

A つまずいている子
見た目や直接比較の方法(切って重ねる)がうまくいかず困っている。


B 素朴に解いている子
マス目の数を数えて、数の大きさで比較する。


C ねらい通り解いている子
色がバラバラに塗られていても、マス目の数を数えることで、青のほうが1マス広いことや、その方法のよさに気付いている。

学び合いの計画

見通しの場面で、これまでのように「見た目で比べる方法」や「切って重ねる方法」を使いたいという子供の考えを認めたり、タブレット端末で配信されているため、そのような方法がうまく使えないという困り感に共感したりすることが大切です。また、教師があえてそのような方法を使ってみようとするのもよいでしょう。これにより、既習の方法ではうまくいかないということを、子供から引き出すこともできます。

このようなことの積み重ねにより、子供は既習を生かそうとしたり、うまくいかないときに別の方法で考えてみようとしたりするようになるでしょう。

ノート例

ノート例

全体発表とそれぞれの考えの関連付け

どのようにして比べましたか。

イラスト/横井智美

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