小3国語科「わたしのさいこうの一日」全時間の板書&指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小3国語科 「わたしのさいこうの一日」(光村図書)の全時間の板書例、発問、想定される子供の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。
監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/神奈川県横浜市立東汲沢小学校校長・丹羽正昇
執筆/神奈川県横浜市立並木中央小学校・河村悠貴
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
本単元を学習する4月上旬、子供たちの心には、これから始まる新しい学習や生活に意欲や期待感が膨らんでいることと思います。
このような前向きな気持ちを出発点として、本単元では、自分の考える「さいこうの一日」を日記形式で書く活動の中で、自由に想像を広げ書く内容を選んだり、どんな言葉を使って出来事を表現したらよいかを検討したりする力を養っていきます。
また、教科書教材後半の「つづけてみよう 日記を書こう」は、継続的な学習の入り口にできる年度初めの指導にぴったりな部分です。
本単元を通して「書くこと」について楽しみを覚え、今後も自分の経験したことや想像したことについて書き残したいという意欲を育てていきましょう。
2. 単元の評価規準
3. 言語活動とその特徴
本単元では、「自分の『さいこうの一日』をテーマに日記を創作する」ことを言語活動として設定しました。子供たちは「さいこうの一日」をイメージする中で、自分のやってみたいことやお気に入りのものを思い浮かべますので、一人一人が自分の思いや想像力を働かせやすい学習になると考えます。
また、今回は4月、出会いや出発の季節という時節をふまえ、新しいクラスメイトと自分自身のことを伝え合って仲を深めたいという思いを掻き立て、「新しい友達に自分の大好きを紹介し合おう」という学習のゴールを設定していきます。
創作した日記を通して、友達に自分のことを知ってもらうという学習のゴールは、子供たちの相手意識、目的意識につながり、どんな言葉を使い、何について書くべきかという思考を働かせるための土台となるとともに、学びに向けての主体性にもつながるでしょう。
4. 指導のアイデア
単元の学習を主体的なものとするために、本授業アイデアでは、学習のゴールを生活と結び付け、具体性をもたせることを提案します。子供たちにとって必要感、納得感のある具体的な学習目標は、児童の意欲につながるからです。
本単元では、学習のめあてに自己紹介の要素を取り上げましたが、学校によっては、単級でクラス替えがない場合などもあると思います。その場合は「さいこうの遠足」や「さいこうの音楽会」など、今後3年生で控えている楽しみな行事をテーマにしてみるのもよいかもしれません。学校や児童の実態に合わせて、実生活に結び付けながら単元のゴールを設定していくことが大切です。
本単元は1時間ですが、今後の「書くこと」の学習の入り口となる時間です。理想の1日について自由に創作できるという言語活動の特徴をいかして、楽しく表現する経験を味わわせることで、この後の書く活動にも期待感が芽生えるように進めていきましょう。
また、対話的な学びを機能させる場面としては、書いた日記を読み合ってお互いの表現のよさを感じ取ったり、書かれた言葉を通して相手理解を深めたりする場面が考えられます。友達が書いたものに対して、肯定的なフィードバックを行うことを指導の基本として、国語科の目標の一つである、人との関わりの中で伝え合う力の素地を育んでいくようにしましょう。
5. 単元の展開(1時間扱い)
単元名:「さいこうの一日」を書いて、私の大すきをつたえ合おう
【主な学習活動】
・第一次(1時)
① 教師の作ったモデルを見て学習のめあてを確認する。〈 端末活用 〉
② 自分の「さいこうの一日」を思い浮かべ、したいことや起こってほしいことを書き出す。
③「さいこうの一日」の日記を書く。
④ 書いた日記をペアで読み合い、感想を伝え合う。〈 端末活用 〉
⑤ 年間を通した継続的な活動に取り組む意欲をもつ。
全時間の板書例と指導アイデア
イラスト/横井智美