小6国語科「伝わるかな、好きな食べ物」全時間の板書&指導アイデア

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国語科 令和6年度版 新教材を活用した授業づくりー文部科学省教科調査官監修の実践提案ー
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1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」

文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小6国語科「伝わるかな、好きな食べ物」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される子供の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小六 国語科 教材名:伝わるかな、好きな食べ物(光村図書・国語 六)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院准教授・茅野政徳
執筆/山梨県南アルプス市立若草小学校・島田絢子

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元は、「好きな食べ物」について多面的に考え、今まで学習してきた表現技法を用いてその食べ物を言葉で表現することを楽しむ単元です。比喩や反復、オノマトペや擬人法などを用いて表現を工夫したり、文章全体の構成や展開が明確になっているかなどを意識したりして書く力を育んでいきます。

また、友達の書いた文章から好きな食べ物を想像する活動をクイズ形式で行うことで、様々な言葉に出会い、語彙を広げることができるようにしていきます。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

まず、教科書に例示されている文章から表現の工夫を見つけます。そして、自分たちでも「好きな食べ物」について同じような文章を書く活動を設定します。
書いた文章をただ読み合うのではなく、食べ物クイズ大会のような活動にしようと投げかけることで、子供たちは楽しみながら意欲的に表現の工夫に取り組んでくれるでしょう。

取り組み方としては、個人で文章を作成し小グループでクイズ大会を開く方法もあれば、ペアなどで食べ物を決めて一緒に食べ物クイズを作成し、クラスでクイズ大会を開く方法もあります。
6年生になって初めての小単元です。協動的に学習を進めることで、友達と共に学習すると、自分の学びが広がることを実感してほしいと願っています。

なるべく多くのクイズに触れることができるように、ICTを使って効率的に解答したり、教室等に掲示していつでも見られるようにしたり、帯時間を使って少しずつ紹介したりする方法も考えられます。
学級の実態に合わせてどのような活動を設定するのがふさわしいか判断してください。
どの活動でも、書いたものを共有することで、友達の書いた表現のよさに気付き、語彙を増やしたり広げたりできるはずです。

4. 指導のアイデア

初めに、教科書の例文から表現の工夫を見つける活動に取り組みます。
子供は、「まるで、○○のようだ」「○○みたい」「たまごが、表面をおおっている」「山にスプーンを入れると」「ふわふわ」「オレンジ色のご飯が顔を出す」「ほおばる」「とろけて」「もうたまらない」など、たくさんの表現に着目するでしょう。その活動を通して、自ら選んだ食べ物についても様々な言葉で表現したいという気持ちが生まれ、主体的な学びへと導くことができるとよいですね。

「好きな食べ物」をクイズにする際には、個人またはペアでその食べ物について多くの情報を集め、マッピングしてみましょう。そのうえで、どの情報にはどんな表現技法が適しているか考えるように伝えます。「好きな食べ物」を表現する言葉をたくさん見つけている子供やペアをほめてあげたいですね。

また、クイズ大会を想定することによって、表現の工夫だけでなく、どんな文章の構成にするかを考える必要性に気付くでしょう。ペアで協働して表現の工夫や文章の構成を考えるおもしろさを実感し、実際のクイズ大会では自分が書いた文章を友達が読み、どんな解答をするかワクワクしてほしいと思います。

食べ物について言葉で表現する活動は、いわゆる「食レポ」に近い活動です。
テレビ番組をはじめ日常生活の中で、食レポには触れたことが多かれ少なかれあると考えられます。
食レポを参考にして、その食べ物が目の前になくてもあたかも目の前にあるかのように、食べていなくても食べているかのように、今までに学んできた表現技法を用いながら表現するとよいでしょう。
このような表現の工夫が、中学校第1学年の「比喩、反復、倒置、体言止めなどの表現の技法を理解し使うこと」の指導へと発展していくはずです。

5. 単元の展開(1時間扱い)

 単元名:「好きな食べ物」について、表現豊かに伝えよう

【主な学習活動】
1時
「好きな食べ物」について、様々な表現技法を用いて文章を書き、書いた文章を用いてクイズ大会を開く。

6. 全時間の板書例・ワークシート例・端末活用例と指導アイデア

↓令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデア、続々公開中です!

イラスト/横井智美

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