小5らくらくUnit 6「What would you like?」②【モトヨシ先生のスライドde外国語】
記事およびパワーポイントの内容を一部変更しました(2023年11月2日)
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 6「What would you like? ~ふるさとメニューを注文しよう~」第2時(What would you like? は、いつ使う?)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 6「What would you like? ~ふるさとメニューを注文しよう~」全8時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
○単元のゴール
友達のオリジナル店に行き、ていねいに注文したり、値段をたずねたりしよう。
○本時の目標
What would you like? は、いつ使う?
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・What would you like? I’d like ~. It’s ~ yen. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手のことをよく知るために、丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手のことをよく知るために、丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、短い話の概要を捉えようとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。
【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。
【話すこと】やりとり・発表
●知識・技能
〈知識〉
・What would you like? I’d like ~. It’s ~ yen. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて What would you like? I’d like ~. It’s ~ yen. およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分のことを伝え相手のことをよく知るために、丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、地域の特産物について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を書く技能を身に付けている。
○言語材料
(表現)What would you like? I’d like ~. How much is it? It’s ~ yen. など
(語彙)デザート(cakeなど)、味など(bitterなど)、食べ物(riceなど)、数(oneなど)
本時の流れ(例)
- 挨拶
- ファーストフード店でアルバイト面接!(復習)
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- ファーストフード店のロールプレイをしよう
- デジタル教科書 Starting Out
- What would you like? と What do you want? の違いは何だろう
- デジタル教科書 複数文字の書き取り(大文字)
- ふり返り
各活動の流れ
①挨拶
元気に挨拶をして、What ○○ do you like? Are you ~? Do you ~? Can you ~? などの既習の簡単な質問をしてみましょう。前時に紹介したクリスクロスという活動を取り入れてもよいと思います。
②ファーストフード店でアルバイト面接!(復習)
ALTが早口で注文した内容を聞きとる活動です。前時に同じ活動を行っているので、詳しくは前時を確認してください。
③単元のゴールの確認、本時のめあての確認
単元のゴール、本時のめあてを確認しましょう。
④ファーストフード店のロールプレイをしよう
前時は、音声に慣れる活動をたくさん行いました。これまで音声でインプットしてきた内容を、本時ではアウトプットしていきます。ファーストフード店でのロールプレイを通して発話する機会を増やしましょう。ペアでのロールプレイを行うので、スライドのように対面で座ります。カードは、ハンバーガー10枚、ポテト4枚、ドリンクS2枚、L2枚を配ります。
まずは、児童が活動のイメージをもてるように、教師とALTでデモンストレーションを行います。もしALTがいない場合は、デジタル教科書の映像を児童に視聴させるとよいでしょう。
お客さん役は座ったままでなく、「ウィーン」と言って自動ドアが開いて入ってくるジェスチャーをしてから始めると、楽しい雰囲気で活動をスタートさせることができます。 児童の会話は以下のようになると思います。
児童がお客さん役、店員役の両方を行えるようにしましょう。何度かロールプレイを行ったら、会話を少し追加したり、児童に思考させたりする場面を意図的に設けます。
例えば英語圏では、Hello, how are you? は挨拶のように自然に使われています。日本語では久しぶりに会ったときには「元気?」と聞きますが、普段から英語の How are you? のようなやり取りはしません。ただ言語を知識として学ぶだけではなく、どんな場面や状況で使われるかまで理解できるように、話ができるといいですね。それが、How are you doing? のような実際にネイティブが使う表現に将来出合ったときに、役に立つと思います。知識としてだけでなく、実際に活用するための種まきをしておきましょう。少し表現を増やしたら、座席を移動させるなどして、ペアでのやり取りを何度か行いましょう。
他にできる工夫として、Thank you. のあとにどんなやり取りがあるかな? と児童に問うこともできます。すると児童は、「いくら?」などのやり取りがあると気が付くと思います。児童の気付きを大切にして、以下のスライドを提示して学習を進めることもできます。値段に関しては本単元でも扱うので、スパイラルな学習へとつながり、より理解を深めることができるでしょう。
⑤デジタル教科書 Starting Out (P54)
英語を聞いて、場面の順に□に番号を書こう。
デジタル教科書の問題です。私の場合は英語を音声のみで聞かせることもあります。実態に合わせて、すべて動画で視聴させて行うのか、少し児童に負荷をかけ音声のみで聞かせるのか、指導者が意図をもって行うとよいでしょう。
⑥What would you like? と What do you want? の違いは何だろう
What would you like? と What do you want? の違いを考えさせると聞くと、ちょっと難しいと感じるかもしれません。しかし、動画を視聴させて「誰が言っているかな?」と「誰が」に視点を向けさせると、5年生でもしっかりと考えをもって発表することができます。ここでALTと実演するといってもなかなか難しいので、先程のStarting Outのリスニングの動画を効果的に活用します。最後のNo.4の動画を、教師の「誰が」の問いのあとに視聴させます。すべてを見せるのではなく、No.4の動画の中でも3つの場面を意図的に視聴させます。
1つ目の場面→レストランの店員さんが、エミリーの祖父に What would you like, sir? と聞いているところ
2つ目の場面→レストランの店員さんが、What would you like, young lady? と言い、お母さんが What do you want, Emily? とエミリーに聞いているところ
3つ目の場面→エミリーがお父さんに How about you, Dad? What do you want?と聞いているところ
3つの場面を視聴させたあとに、教師は「What would you like? What do you want? は誰が言ってたかな」と児童に問います(児童の様子を見て再度視聴させたほうがよいと判断した場合は、2回視聴させましょう)。すると、児童が「お父さんやお母さんは What do you want? と聞いていた」「レストランの店員さんは What would you like? と質問していた」など、「誰が?」という問いに対して答えるでしょう。
そこでさらに教師が「どんな違いがあるのかな」と聞きます。もし児童が気付くことができなかったら、日本語で演じてみるのも効果的だと思います。例えば「先生がレストランの店員さんだとします。お客さんに『何食べる?』って聞いたらどうですか?」と問うと児童は「敬語を使いますよ」とか「ていねいに聞きますよ」などの発言をするでしょう。教師は「なるほど、ていねいなんだね」「では、What do you want? は家族で使ってたけど?」と児童に問い返すと、児童は「家族の間だったら『何食べる?』はおかしくはない」などの発言をするでしょう。児童とやり取りをしながら学習を進めることができると、ターゲットセンテンスの理解が深まると思います。
ここで1時目のファーストフード店でのやり取りを再度行う(教師と児童でファーストフード店に行く)と What would you like? What do you want? を誰がいつ使っているか、より理解することができるでしょう。
○○さん, let’s go to eat hamburgers.
ウィーン、○○さん, what do you want?
I want two hamburgers.
O.K.
(店員)What would you like?
I’d like two hamburgers and …
同じシチュエーションで同じやり取りでも、学習が進んでから再度行うと、より学習効果が高まります。時間があればぜひ行ってみてください。
⑦デジタル教科書 複数文字の書き取り(大文字)(P93)
3文字の大文字アルファベットを続けて聞いて書く活動です。前時は TIM の3文字でした。本時は GAP としてみました。
児童に What is GAP? と問うと「洋服のGAP?」と答える児童がいるかもしれません。児童とやり取りをしながら確認しましょう。
実態に応じて複数回聞かせたり、Picture Dictionary P42 を開かせて児童がアルファベットを参考にできるように手立てを講じたりしましょう。
⑧ふり返り
本時の学習をふり返り、全体で共有をしましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子