小5らくらくUnit 5「Where is the post office?」④【モトヨシ先生のスライドde外国語】
2024年度教科書改訂に対応した記事もあります。
小5らくらくUnit 5「Let’s go to the zoo.」①【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 5「Where is the post office? ~場所をたずねたり答えたりしよう~」第4時(道案内に必要な表現を実際に使ってみよう!)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 5「Where is the post office? ~場所をたずねたり答えたりしよう~」全7時の4時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
○単元のゴール
場所をたずねたり答えたりしよう。
○本時の目標
道案内に必要な表現を実際に使ってみよう!
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・Where is ~? Go straight for ~ block(s). Turn left. / Turn right. It’s by / in / on / under ~. You can see it on your left. / right. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
・場所や位置の尋ね方や答え方などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分の知りたい場所や位置を尋ねたり、相手を案内したりするために、場所や位置の尋ね方や答え方などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分の知りたい場所や位置を尋ねたり、相手を案内したりするために、場所や位置の尋ね方や答え方などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。
【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。
【話すこと】やりとり・発表
●知識・技能
〈知識〉
・Where is ~? Go straight for ~ block(s). Turn left. / Turn right. It’s by / in / on / under ~. You can see it on your left. / right. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・地域の身近な人の職業やできることなどについて Where is ~?, Go straight for ~ block(s)., Turn left. / Turn right. It’s by / in / on / under ~. You can see it on your left. / right. を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分の知りたい場所や位置を尋ねたり、相手を案内したりするために、場所や位置の尋ね方や答え方などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの情報や考えなどを伝え合っている。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分の知りたい場所や位置を尋ねたり、相手を案内したりするために、場所や位置の尋ね方や答え方などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの情報や考えなどを伝え合おうとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、ピクトグラムでの地域紹介について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を書く技能を身に付けている。
○言語材料
(表現)Where is ~? Go straight for ~ block(s). Turn left. /right (at the~corner). It’s in / by / on / under ~. You can see it on your left. / right. など
(語彙)道案内(goなど)、位置(byなど)、日常生活(ballなど)、建物など(houseなど)
本時の流れ(例)
- 挨拶
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- サイモンセズdirection version
- どの席にたどりつくかな
- 逃走中(○年○組版)
- 本当の道案内って?
- ライティング
- ふり返り
各活動の流れ
①挨拶
元気に明るく挨拶をして、授業をスタートしましょう。
②単元のゴール、本時のめあての確認
本単元のゴール、本時のめあてを全体で確認しましょう。
③サイモン・セズ directionバージョン
前時までに行った形で同じ要領で進めましょう。詳しくは2時目の学習内容をご確認ください。
④どの席にたどりつくかな
教室の座席図をモニターに映し出します。スタート位置からどの番号へたどりつくか、英語の表現を聞いて児童に考えさせます(モニターに映す座席図を児童全員(ペア)に印刷して配付してもよいでしょう)。
You are here.(スタートの靴のマークを指す)
Go straight. Go straight. Go straight. Turn right. Go straight. Go straight.
You can see the number on your left. What number is it?(児童の様子を見て、もう一度言うか判断)
Talk with your friends, please.
このようにして、ペアで相談させます。
What number is the answer? Raise your hands, please.
Number 10.
That’s right. Let’s check the answer one more time.
スクリーンに、デジタルペンで答えの番号までの行き方を書きましょう。
では、実際に教室内を歩いて確かめてみましょう。
教師は Go straight. などと言いながら10番の席の位置まで向かいましょう。
⑤逃走中(○年○組版)
学級の座席を活用して人気テレビ番組の「逃走中」(フジテレビ系)をイメージして、楽しく表現を発話できるような活動にしてみました。
逃走者役として児童1人を選び、教師とALTがハンター役になって1回目を行います(代表児童には、休み時間などに事前に活動内容を伝えておくとよいでしょう)。教師とALTが黒いサングラスをかけると、児童は大喜び間違いなしです。
ルールは、「制限時間内にハンターにつかまらないように逃げ回る」という、番組と同様のスタイルで行います。ハンターはGo straight. Turn left / right.などの発話をしながら逃走者を捕まえ(タッチ)に向かいます。逃走者は2体のハンターに捕まらないようによく考えて、同様に発話しながら逃げます。
1度に移動できるのは2マスです。逃走者とハンターは、交互に表現を言って移動していきます。
まず最初は、教師とALTがハンターになって行いましょう。ハンター(教師、ALT)が自分で表現を言って移動します。逃走者(児童)は、座っている児童に順番に表現を発話させて移動します。制限時間2分で行います。
1回目(デモ)は逃走者が勝てるようにするとよいでしょう。1回で児童はルールを理解することができるので、2回目からは児童だけで行いましょう。
まず、クラスを3グループに分けます。例えば緑グループ=ハンター、赤グループ=ハンター、青グループ=逃走者とし、各グループの代表児童が役を演じます。それぞれの役に指示を出すのは、同じグループの児童です。
指示は、グループ内の児童が1人ずつ順番に言っていくようにします。このやり方なら、個別に発話する機会を多く設けることができます。Turn right. Turn left. は、サイモン・セズの時と同様に90度ずつとします。
制限時間の2分以内に逃走者が簡単に捕まってしまう場合は、時間を1分30秒にするなど、実態に合わせて行いましょう。2回目を終えたらまた役割を替えて行いましょう。
⑥本当の道案内って?
⑤「逃走中」の活動を終えたら、本来の道案内はどんな風に行われているのか、シーンAとシーンBの2つのシーンを教師とALTで演じて、児童に考えさせます。
教師とALTの立ち位置のスタートは、これまでの学習④⑤と同じように、教室後ろの足のマークの所から始めます。ALTは道に迷ったふりをして教師に道順を尋ね、教師は道案内する役を演じます。
●シーンA(道案内の表現を使いながら、教師はわざとらしい演技でALTと目的地までにいっしょに行く)
Excuse me. How can I get here.(地図を見せる)
O.K. Go straight.(ALTと1マス分進む)
先程と同じように、番号10(目的地)のところまで、教師が1つ表現を言ったら1マスALTと移動するということを繰り返します。このように、丁寧すぎるほどの道案内をしていきます。このとき、ALTにはちょっと困惑した演技をしてもらいましょう。
Go straight.(ALTと1マス分進む)
Go straight.(ALTと1マス分進む)
Turn right. (ALTと1マス分進む)
Go straight.(ALTと1マス分進む)
Go straight.(ALTと1マス分進む)
You can see it on your left.
Thank you.(と言うが、少しジロジロ見る感じの演技で)
●シーンB(足のイラストの場所で10番までの行き方を説明して終了)
Excuse me. How can I get here.(地図を見せる)
O.K. Go straight for three blocks and turn right.
Go straight for two blocks. You can see it on your left.
Go straight for three blocks and turn right.(その場で道順を確認するように言う)
Go straight for two blocks. You can see it on your left.
Yes.(など分かりやすいリアクションをする)
Thank you very much.
No problem. Have a good day.
ALTは、もう一度表現を言いながら、番号10の席まで行きます。
シーンAとシーンBを見てどちらが自然な道案内だと思いますか。ペアで話し合いましょう。
ペアで話し合わせる。
シーンBです。
どうしてそう思う? シーンAだと違うのかな?
シーンAは……。
シーンBの表現が実際に使われている動画を視聴させます。パワーポイントにYouTubeのリンクを挿入してあるので、クリックして視聴してください。
動画の視聴後は、全体で表現の発話をして、座席図で道案内の擬似体験を行います。
児童をスタート地点に立たせて、教師が本時で学習している表現を使って道案内を行います。
シーンBの道案内で挑戦したい人?
やりたい!
Go straight for four blocks and turn left. Go straight for four blocks. You can see it on your right.
できるかなぁ。
児童は、教師が言ったように表現しながら教室内を移動していきます。このとき教師も、児童の移動に合わせていっしょに英語の表現を言いましょう。児童が困っているようであれば、再度表現を伝えるなどするとよいでしょう。
何人かの児童にチャレンジさせたり、教師が伝える英語のスピードを速くしたりして行うこともできます。
さらに道案内の表現を Go straight and turn right at the second corner. のような形で行うこともできます。実態に合わせて行ってみてください。教科書のリスニングにはこの形の問題もあるので、児童が表現に慣れるようにしていきましょう。
本時の学習では、習った表現を実際に使ってみたり、児童自身が移動したりする擬似体験を通して学習の理解を図ることができます。少し準備が大変ではありますが、実感を伴った学習となり、表現の理解度を高めることができます。児童も楽しく活動できますので、ぜひチャレンジしてみてください。
⑦ライティング
これまでに学習してきた表現を“なぞって”真似して書いてみる活動です。薄く印刷された文字をなぞらせましょう。
児童がなぞっている間は、私はALTと手分けして、ワークシートにある英文をできるだけ多く読ませて評価しています。また、文字を読むことが不安な児童もいるので、教師が Can you read this? と聞き、児童が Go straight for five blocks. の文を発話したら、すかさず Very good. Go straight for five blocks. と大きな声でその英文を言います。それは、その子に対しての支援というより、他の児童に聞かせるためです。
また、上位児童には全部読ませたり、ワークシートの質問をそのまま児童に聞いてみたりすることもできます。
なぞりの活動の時こそ、机間指導が重要です。ぜひ同じように指導してみて、自身の指導のふり返りの時間としてみてください。
⑧ふり返り
全体で本時の学習内容をふり返り、全体で共有しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
5年Unit5-4パワーポイント(32スライド)、ワークシート(1点)
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子