小2算数「長い長さをはかって、あらわそう」指導アイデア
執筆/神奈川県公立小学校教諭・小畠政博
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥
目次
本時のねらいと評価規準(本時1/6時)
ねらい
両手を広げた(1mを超える)長さを測定する活動を通して、目的に応じた単位を用いて長さを的確に表現したり、比べたりすることができる。
評価規準
量の大きさを表現したり、比べたりする際、測定するものや目的に応じて、どの単位を用いることが適切か考えている。
もんだい
りょう手を広げた長さ(ひろ)はなん㎝でしょうか。

両手を広げた長さは、なん㎝でしょうか。
どこからどこまでの長さかなあ。
指先から指先まで、ぴんと伸ばした長さだよ。
このままだと調べられないから、長さを紙テープに写し取ろう。
写し取ったら、あとはものさしで測ればいいね。
30㎝は超えるから、友達の30㎝ものさしも借りたほうがいいよ。
もっと簡単に測ることはできないかなあ。
では、実際に調べてみましょう。
学習のねらい
両手を広げた長さがなん㎝になったか、説明しよう。
見通し
30㎝ものさしをまっすぐに並べていけば、長さを調べることができるよ。
写し取った紙テープを机の上に置けば、机のいくつ分か分かるから、机の長さを後で測ればいいよ。ものさしより簡単だよ。
自力解決の様子
A つまずいている子
30㎝より長いものの長さであるため、手が止まってしまっている。
B 素朴に解いている子
班の友達と協力して30㎝ものさしを継ぎたして長さを測ろうとしている。
C ねらい通りに解いている子
30㎝ものさしを継ぎたしていくと手間がかかることに気付き、大きい単位を用いようとしている。
学び合いの計画
両手を広げた(1mを超える)長さを測定する場面を設定します。
まず、どこを長さと規定しているのか、長さを決める2点を見いだし、測りたい長さを紙テープに写し取ります。与えられていない線分を自ら見いだし、間接比較のアイディアを想起しながら解決方法を探っていくことも大切にしたいです。30㎝ものさしを用いると継ぎたして測定をすることになります。
30㎝ものさしを単位としていくつ分かで見る測定のよさを認めつつ、誤差が生じやすいことや何度も図ることになる不便さを実感させていくことも重要です。
かさと同じように大きい単位の必要感をもたせ、メートル(m)という単位を用いて長さを的確に表現するよさを感得させていきましょう。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
両手を広げた長さは、なん㎝になりましたか。
124㎝でした。友達の30㎝ものさしも借りて、30㎝ものさしが4つ分とあと4㎝だったので、合わせて124㎝です。
何かのいくつ分かで、量を調べるということを今まで学習したことはありませんでしたか。
長さ比べをしたとき、消しゴムやブロックのなん個分かで長さを比べたことがあります。
かさを比べるときも同じようなことをしたよ。
1dLのますや1Lのますを使ったね。
例えば、やかんやバケツの水の量を調べるときは、1dLのますで、38杯分だったら38dL。でも、1Lのますも使うと3L8dLになるから、量る回数も少なくなり、楽になったね。
かさのときと同じように、私たちの班は大きいもので調べました。机を基に考えると、机が2つ分とあと4㎝でした。机は1つ分60㎝だったので、合わせて124㎝でした。
机よりもっと長いものだったら、さらに楽に測れるのになあ。
長いものの長さを表すときは、メートルという単位を使います。1mは 100㎝です。
両手を広げた長さを1m 24㎝と表せます。
30㎝ものさしや 60㎝の机を使って測ったときと比べてみると、1mものさしを使うよさが見えてきませんか。
30㎝ものさしだけを使ったときは、ものさしを5回も使って測っていました。でも、1mものさしを使うと2回で測れます。より少ない回数で測れるということです。
1mを使うと小さい数で表せることもよさだと思います。
本時のまとめ
評価問題
黒ばんのよこの長さをはかるときに、1mものさしをつかうりゆうをせつ明しましょう。
子供に期待する解答の具体例
1mものさしを使うと、測る回数が少なくなり、小さい数で表せるからです。
本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
測定する対象に応じた単位を選択し、目的に応じた単位で表現するよさについて説明している。
感想例
- 長いものの長さを測るときには、㎝よりmという単位を使うと測る回数が少なくなるので、便利だと思いました。
- もっとたくさんの長さについて、mを使って調べてみたいと思いました。
- 黒板の長さは、30㎝ものさしだと12個分なので、360㎝です。でも、1mものさしを使うと3個分とあと60㎝なので3m60㎝となり、小さい数で表せるので分かりやすいと思いました。
イラスト/松島りつこ、横井智美
『教育技術 小一小二』2021年12/1月号より