小3らくらくUnit 5「What do you like?」⑤【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 1 Unit 5「What do you like? 何がすき?」第5時のらくらく授業の進め方です。
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校3年生の「Let’s Try! 1」のUnit 5「What do you like? 何がすき?」全5時の5時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【単元のゴール】
校長先生や保健の先生たちにインタビューをして、その先生たちを紹介しよう。
【本時の目標】
習った英語を使ってほうこく会をしながら、クイズにちょうせんしよう!
【単元の目標】
〇日本語と英語の音声の違いに気付き、身の回りの物の言い方や、何が好きかを尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇何が好きかを尋ねたり答えたりして伝え合う。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に伝わるように工夫しながら、何が好きかを尋ねたり答えたりしようとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
◎What do you like? I like (tennis). What (sport) do you like? I like (soccer). what, color, スポーツ (sport, volleyball, table tennis)、飲食物 (food, hamburger, pizza, spaghetti, steak, salad, cake, noodle, egg, rice ball, jam)、果物・野菜 (fruit, grapes, pineapple, peach, melon, banana, kiwi fruit, lemon)
[既出]挨拶、Do you like (blue)? Yes, I do. / No, I don’t. 数 (1〜20)、色、果物・野菜、飲食物、スポーツ
単元の流れ(例)
第1時:新しい表現になれよう
第2時:クラスのランキングを作ろう
第3時:インタビューの作戦を考えよう
第4時:インタビューをしに行こう
第5時:先生方の紹介をしよう
本時の授業の流れ
- 挨拶
- 単元のゴールと本時のゴールの確認
- なりきりクイズ
- ALTの先生へ質問タイム
- ふりかえり(Can Do List)
各活動の流れ
この単元は本来4時間扱いなので、時間がとれないなどの場合は、最後の1時間(本時)は行わなくても大丈夫です。私自身が実践してみて、クイズ形式で児童が楽しく表現に触れながら活動することができたので、お勧めの授業です。
①挨拶
Hello, how are you? で挨拶をするなど、これまで習った表現を使って授業をスタートしてみましょう。
②単元のゴールと本時のゴールの確認
本時のゴールなどはデモンストレーションを行い、児童からめあてを引き出すということを他教科ではよくやられていると思いますが、本記事の場合、例がないとイメージしにくいと思うので、「ミスターモトヨシだったら」という形で紹介しています。児童から引き出せる場合は、実態に合わせてそのように行ってみてください。
③なりきりクイズ
前時に児童がメモしたインタビューの内容から、インタビュー報告会のワークシートを作成します(この作成は少し時間がかかります)。このワークシートを基にクイズを行う活動です。いろいろな先生方の紹介を通じて他の班が聞いた質問や先生方の新たな一面を知るよい機会となるでしょう。
クイズは、He likes kendo. とすると、3年生の段階では言語的な負担があるので、「なりきりクイズ」と題して I like kendo. と既習事項をそのまま使える形にしました(三人称単数は第1時の導入で単元のゴールを伝えるためにRehtt sensei likes Japan.と提示しましたが、児童にはアウトプットさせませんでした。3年生ではこの単元のタスクをこなしているだけで大変と思われます)。
クイズの作成には1つ注意があります。例えば、保健の先生のインタビューでは児童が好きなフルーツを質問したのですが、クイズ形式にして児童が予想する際、フルーツは種類が多いため、選択肢形式にしないとまったく予想が当たらないということが考えられます。よってワークシートを作る際は、予想を選択式にする問題、完全に予想して解答する問題、はい・いいえの2択にする問題、の3パターンに分けて作成しました。
児童は、クイズの前に答えを予想して書き込みます。
そして、インタビューを担当した班の児童たちが、モニターに映し出されたその先生の写真やイラストの横で「なりきりクイズ」を行います。おもちゃのマイクなどを活用すると児童がより主体的になると思います。
進め方として、予想したワークシートを使って行うこともできます。
Let’s ask the first question. 好きなスポーツって何て聞くんだっけ?
What sport do you like?
Excellent. Let’s say it together. What sport do you like?
What sport do you like?(児童全員)
(なりきり担当児童)
I like soccer.
Oh, you like soccer.
どう? みんなの予想はどうだった?
他にもすべての質問を上で示したように進めることができますが、単調な流れになってしまうので6問あったとしたらすべてを児童が英語にするのではなく、教師が聞いたり、指名した児童に質問させたり、全員に考えさせたり、いろいろなやり方を取り入れながら進めるとよいでしょう。
④ALTの先生へ質問タイム
これまでこの単元で学習してきた表現を使って、ALTの先生に質問をするのもよいでしょう。学校の実態により違うと思いますが、何年も働いているALTの場合は、そのALTが好きなものや嫌いなものをすでに知っている児童がいて実施が難しいかもしれません。私が実際に行った時は、英語の授業支援に入ってくれていた英語サポーターの方がいて、児童もあまり知っているわけではなかったので、質問をたくさんできてよかったです。ALTでも来日して日が浅い場合などは、質問するのに適していると思います。実態に合わせて誰に質問するか、授業時に来てもらえるかなど確認しておくとよいでしょう。
⑤ふりかえり(Can Do List)
単元の終末なので児童に Can Do List を基にして振り返りをしましょう。発表させ児童のこれまでの頑張りを称賛しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子