小1算数「のこりは いくつ、ちがいは いくつ」指導アイデア
執筆:東京都公立小学校主幹教諭・石川大輔
編集委員:文部科学省教科調査官・笠井健一、東京都公立小学校校長・長谷豊

目次
本時のねらいと評価規準(本時7/9時)
ねらい
求差の場合について、減法の意味を理解する。
評価規準
求差の場面を減法としてとらえ、ブロック操作や減法の式に表し、説明している。
もんだい
きいろい おりがみは、みどりの おりがみより なんまい おおいでしょうか。

(散らかった黄色の折り紙と緑の折り紙の絵を見せて自由につぶやかせる)
黄色の折り紙と緑の折り紙があるよ。
全部で何枚かな。
どちらが多いかな。
黄色い折り紙のほうが多そうだ。
黄色い折り紙は緑の折り紙より何枚多いでしょうか。
何枚多いのかな。
学習のねらい
きいろい おりがみは みどりの おりがみより なんまい おおいか かんがえ、しきに あらわそう。
見通し
どんな式になるかな。たし算かな。ひき算かな。
黄色い折り紙と緑の折り紙の枚数を、ブロックを使って数えてみましょう。
きいろ ■■■■■■■■ 8まい
みどり ■■■■■ 5まい
ブロックを動かして考えてみましょう。式を書いて考えてもいいですよ。
絵にブロックを置き、それを横一列に並べ、それぞれの個数を確かめます。
そして、ブロック操作を中心に考えるように指示します。また、考えられる子は、考え方を図や式で表してもよいことも伝えましょう。
自力解決の様子
A つまずいている子
求差の場面を減法と捉えられず、並べたブロックを、どのように操作すればよいのか分からない子。
B 素朴に解いている子
求差の場面を減法と捉え、並べたブロックを操作し、差を求めている子。
C ねらい通りに解いている子
求差の場面を減法と捉え、並べたブロックを操作し、減法の式で差を求めている子。
学び合いの計画
A、B、Cのどの子供もブロックの操作を必ず行わせ、差を求めるための操作のしかたを交流させます。
その際、1対1対応させる操作を行わせ、対応しないブロックの個数が答えになることに気付かせます。
また、隣どうしで自分のブロックの動かし方を説明し合い、それぞれの考え方の共有化も図ります。
ワークシート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
黄色い折り紙は緑の折り紙より何枚多かったですか。
5枚は緑の折り紙と同じ数だから、黄色が3枚多い。

黄色い折り紙が3枚多かったです。
3の求め方をブロックで考えてみましょう。
8枚から緑の折り紙と同じ5枚を取ると3枚残ります。だから黄色い折り紙が3枚多い。

このような求め方は、何算ですか。また、どんな式になりますか。
「取る」から、ひき算と同じように見れないかな。
8枚の黄色い折り紙から緑の紙と同じ数をひけばいいから、8-5=3というひき算になります。
学習のまとめ
前時までの求残や求補と本時の求差が、場面は違っても、ブロックの動かし方(ブロックを取るということ)が同じであることから、求差の場合も減法を用いることができるとまとめます。
残りを求めるひき算と同じように、ブロックを取って残りのブロックの数を求めているので、「どちらがいくつ多いか」を求めるときも「ひき算」の式になるのですね。
評価問題
この問題も、ひき算で求められますか。

あかい きんぎょは、くろい きんぎょより なんびき おおいでしょうか。
子供に期待する解答の具体例

上のようになるから、6-4の ひきざんで、こたえを もとめられる。
感想例
- どちらがいくつ多いかも、ひき算で求められることが分かりました。
- ブロックを使って考えたら、8-5でいいことが分かりました。
イラスト/松島りつこ、横井智美
『教育技術 小一小二』2021年6/7月号より