小2生活「町ですてきを見つけよう」指導アイデア
執筆/愛知県公立小学校教諭・髙屋有花
編集委員/前・文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官/愛知淑徳大学准教授・加藤智 、愛知県公立小学校校長・稲田あけみ
目次
期待する子供の姿
知識及び技能の基礎
地域の自然や人と関わる活動を通して、身近な自然の移り変わりや自分たちの生活が、身近にいるたくさんの人々に支えられていることに気付く。
思考力、判断力、表現力等の基礎
地域の自然や人と関わる活動を通して、通学路の自然やそこで生活したり働いたりしている人、それらが自分とどのように関わっているかについて考えることができる。
学びに向かう力、人間性等
地域の自然や人と関わる活動を通して、それらに親しみや愛着をもち、適切に接しようとする。
単元の流れ(10 時間)
○自分の通学路にある「すてき」を見付けよう(3時間)
①家から学校まで【1時間】
評価規準等
態 自分の通学路の様子を思い起こし、場所や人、自然への関心や期待をもちながら、それらと繰り返し関わろうとしている。
※評価規準等の知=知識・技能、思=思考・判断・表現、態=主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。
②学校から家まで【1時間】
評価規準等
知 通学路にはさまざまな場所や人、自然があり、季節ごとの変化があることに気付いている。
③授業参観後、保護者とともに学校から家まで【1時間】
お家の人と一緒に「すてき」を見付けよう。
- 保護者に、事前に協力のお願いをしておく。
評価規準等
思 通学路で見付けたさまざまな「すてき」をふり返り、表現している。
クラスみんなで通学路にある「すてき」を見に行こう(2時間)
- クラス全員で見に行きたい通学路にある「すてき」を決める。
- クラス全員で決めた目的地へ行く。
- 熱中症対策を十分に行い、移動時間などを考慮する。
評価規準等
知 地域にはさまざまな「すてき」があることに気付いている。
思 通学路で見付けた地域の「すてき」について、友達と交流している。
自分の通学路にある「すてき」を紹介しよう(4時間)
- 90㎝×15㎝ほどの大きな紙に、今までの探検をまとめた「道カード」を作る。
- 学校を中心にした学区の大まかな地図を教師が事前に作成し、4分割しておく。
- 4分割した地域ごとに、子供が作った「道カード」を貼り付け、地域ごとに 通学路の「すてき」を発表する。
- 4分割していた地図を合体させ、クラスで1つの大きな地図を完成させる。
- 大きな地図を眺めながら、全員の前で自分の通学路の「すてき」を発表する。
評価規準等
知 地域には自分たちを支えてくれている人々がたくさんいることに気付いている。
思 地域の「すてき」と自分との関わりについてふり返り、表現している。
「すてき」ナンバー1を紹介しよう(1時間)
- 自分が1番だと思う地域の「すてき」を選び、紹介する。
評価規準等
態 地域の自然や人のよさを実感し、 地域への親しみや愛着を深めている。
活動のポイント1
カードを工夫して、多くの気付きを引き出しましょう
ふだん何気なく通る通学路にどんな「すてき」があるのか、関心をもてるようにしたいものです。そのためには、正確な地形にこだわらず、自由に気付きを書けるように、「道カード」を工夫するとよいでしょう。
道カードの例
道カードの工夫
- 家と学校までの道は、直線にします。
右左折などに関係なく、気付きをたくさん書くことができます。 - 直線の左右に大きくスペースをとります。
通学路に隣接したものだけではなく、そこから見える遠くの物への気付きも書けるようになっています。 - 書く前に、道カードを半分に折って折り目を付けます。
家と学校との中間地点を示すことで、書くときの目安になります。
活動のポイント2
発表教具を工夫して、地域を自分との関わりで捉えられるようにしましょう
「分身ペープサート」を使うと、ペア・グループ・クラス全体発表時に子供自身の分身が大活躍し、自分との関わりが見えてきます。ペープサートが地域の人との関わりも促し、インタビューの練習にもなります。
分身ペープサート
イラスト/高橋正輝
『教育技術小一小二』2021年6/7月号より