小5小6図工「似ている色から私の世界」指導アイデア
似ている色をつくって試しながら、絵に表す活動を紹介します。
監修/文部科学省教科調査官・小林恭代
執筆/埼玉大学教育学部附属小学校教諭・坂井貴文
目次
似ている色から私の世界
赤、青、黄、緑、紫、茶の中から選んだ色に白や黒を混ぜたり、水分量を変えて濃淡を調節したり、少量の色を混ぜたりして似ている色をつくっていくと……。活動を通して色の変化を味わいながら、どんな世界を表せるかな。
目標
似ている色をつくりながら、感じたこと、想像したことから表したいことを見付け、水彩絵の具についての経験や技能を総合的に生かしたり、表現に適した方法を組み合わせたりするなどして、表し方を工夫して表すとともに、作品の造形的なよさや美しさ、表現の意図や特徴について感じ取ったり考えたりし、主体的に自分の世界を表現したり鑑賞したりする活動に取り組む。
材料・用具
- 四つ切り画用紙
- 水彩絵の具
活動の手順
1 色からどんなことをイメージするかな
色相環を見ながら、色からもつイメージについて話し合います。
2 どの色にしようかな?
自分の世界を表すのに合った色を選びます。
3 似ている色をつくってみよう
色を混ぜたり、水分量を調節したりして似ている色をつくり、どんな表し方ができそうかを試します。
4 似ている色で私の世界を表そう
似ている色をつくりながら、表した形や色などからイメージをもち、どのような世界が表せそうか考える。また、自分が表したい世界に合わせて表し方を工夫して表していきます。
似ている色をつくりながら、感じたこと、想像したことから表したいことを見付けることや、形や色、構成の美しさなどを考えながら、どのように主題を表すか考えることについては、まず、色相環を見せながら色に対してもつイメージについて話し合いました。次に、実際に似ている色をつくることを試すようにし、試した色にもったイメージからどのような世界が表せそうかについて考えを出し合うようにしました。
形や色、奥行き、構成の美しさなどの造形的な特徴を理解することについては、「どんな感じにしたいのかな」「そのためには、どうしたらいいのかな」など造形的な特徴に着目できるよう問いかけるようにしていきました。
表したいことに合わせて表し方を工夫することについては、工夫が異なるいくつかの児童の作品を学級全体で見合い、その意図を作者の児童が発表するようにしました。
指導のポイント1
この題材では混色や水分量などの調整によってさまざまな表現ができたことなど、これまでの経験を想起できるようにしながら、実際に似ている色をつくることを試すことが重要です。似ている色がいくつもできてくる中で表したいことを考えるようにします。
指導のポイント2
この題材では、似ている色をつくりながらイメージをもてるようにすることが重要です。児童がイメージをもてるようにするために、思いを引き出す対話をしていくことも大切です。児童の表現の意図や、表現についてどのように捉えているかを問いかけることで、児童が明確にイメージしていけるようにします。
『教育技術 小五小六』2021年6/7月号より