小2算数「水のかさ」指導アイデア(1/8時)《どちらの水そうに、水がたくさん入りますか》

執筆/富山県公立小学校教諭・山本真裕
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、前・富山県公立小学校校長・中川愼一

本時のねらいと評価規準

(本時1/8時 単元の導入の学習)

ねらい
水のかさの表し方について、長さで学んだことを基に普遍単位の必要性について考える。

評価規準
水のかさを比べるために、単位とする大きさをそろえる必要性について考えている。(数学的な考え方)

問題場面

どちらの水そうに、水がたくさん入りますか。

問題場面を説明する子どもたち

まず、「ペットボトル5本」「ペットボトル8本」という言葉だけで、問題の場面を提示します。すると、子供はペットボトルの本数で考えようとすることでしょう。そこで、水槽の大きさを図で提示します。すると、「(イ)が8本だから多く入る」という思いと、「(ア)の水槽のほうが大きく見える」という見た目の間にズレが生じます。子供たちが、ペットボトルの大きさが違っているのだろうと考え出したところで、それぞれのペットボトルを示します(Aは 1000ml、Bは 500ml)。

問題場面を段階的に提示することによって、基準とする大きさをそろえなければ、(ア)と(イ)の水槽の容量を数で表して比較することができないことに気付かせるわけです。

学習のねらい

どちらの水そうに水がたくさん入るかを正しく調べるには、どうすればよいか考えよう。

見通し

  • ペットボトルの大きさを同じにそろえればよさそう。
  • 水のかさを比べるときも、長さ比べのように単位を基に調べればよさそう。
先生が2人の子どもに話している図

自力解決の様子

A つまずいている子
(ア)の水槽から(イ)の水槽に水を移し替えてみることを考えている。[直接比較]

B 素朴に解いている子
同じ大きさのペットボトルを使って、ペットボトルの数で比べようとしている。[任意単位]

C ねらい通りに解いている子
長さの学習とつなげて考えて、共通の単位がないか調べようとしている。[普遍単位]

全体の話合いでは、多くの子供は、「基準とする大きさ」を統一することの必要性を感じていると考えられます。 単位とする入れ物(ペットボトル)の大きさを統一する理由として、大きさの異なる容器では水のかさを比較できないことを確かめましょう。そして、水のかさを数値化していることを教師が子供の言葉を補って説明してあげることも大切です。

同じ大きさのペットボトルを使えばよいと思います。

イラスト/松島りつこ・横井智美

『教育技術 小一小二』2020年7/8月号より

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