小2算数「長さをはかってあらわそう」指導アイデア(2/9時)《自分の足の大きさを測る》
執筆/神奈川県公立小学校主幹教諭・黒木正人
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥
目次
本時のねらいと評価規準
(本時2/9時)
ねらい
自分の足の大きさを測る活動を通して、無意識に使っていた「センチメートル」という言葉の意味を理解する。
評価規準
形の特徴に着目し、どこを長さと規定するか考えて測定することができる。

問題
自分の足の長さはどのくらいでしょう。
*子供がそれぞれ長さを言う。
上履きのサイズを見たら、みんな分かるよ。
上履きのサイズと足の長さは同じですか。
上履きよりは小さいと思います。
長さを知りたい。
測ってみたい。
では、自分の足を測ってみましょう。
足の長さってどこのことだろう。
横ではなさそうだから、縦かな。
上履きの縦の長さがサイズになっていると思います。
足の長さも縦の長さを測ったらよいと思います。
足の縦の長さを測るということでよいですか。
はい。
でも足は丸くて、まっすぐじゃないから測りにくいな。
くつ下を脱いだら測りやすいと思います。
ものさしで測ればまっすぐになるよ。
つま先とかかとをまっすぐに測ればよいと思います。
足の縦の長さがどこからどこまでなのかを決めて、その測り方を考えてみましょう。
学習のねらい
どこからどこまでが長さなのかきめて、はかり方を考えよう。
見通し
ものさしに足を当てたらできると思うよ。
線を引くと測るところが分かりやすくなるはず。
自力解決の様子
A つまずいている子
長さとする部分が見いだせず、測ることができない。
B 素朴に解いている子
足を持ち上げて、ものさしを足の裏に当てて測っている。

C ねらい通りに解いている子
足の形を紙に写して、両端の2点を決め、測っている。

学び合いの計画
子供は量の大小判断を、日常生活のなかで無自覚的に行ってきています。測定の活動では、無自覚的に行っていたことを、自覚してできるようにすることが大切です。一年生では、アサガオの茎の長さのように一見測りにくいものを、紙テープなどを用いて間接的に測ることを経験しています。
また、葉の大きさを測った経験がある場合には、本時の学習のように長さを規定している経験があると考えられるので、想起できるようにしましょう。本時の測定の活動では、自分の足の長さを対象とすることにより、子供が測定したいという思いをもちやすいだけでなく、体を用いた量感を豊かにすることができるようにもしましょう。
測定する対象の特徴を捉えて、測定する2点の線分を決めることで、長さを比べたり測定できたりできるようになることを子供自身が気付くプロセスが大事になります。

ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
どこからどこまでを測ったらよいのか分かりましたか。
紙に足をのせて、鉛筆で足形をとったら測れました。
どこからどこまで測ったの。
指やかかとの丸いところはどうやって測ったらよいのか、困りました。
丸くなってピンとできないときには、どうやって測りましたか。
つま先とかかとの間の一番長いところを見付けて、線でつないだら測ることができました。

丸いところはそのままだと測れないので、一番長いところに線を引きました。

それをつま先とかかとの両方にやって、身長を測るときみたいにしたらできました。
上と下と測る長さの3本の線だね。
2つのやり方が測りやすいようですが、どちらのやり方も似ていますか。
はい。線を引くと、測りたい長さが見えてくるところが似ています。
端が決まると線が引けて測れました。
学習のまとめ
線分を与えられなくても、どこに、どのように着目して長さを捉えていったのかを、子供自身が気付くようにする。直線の見えない形の測定方法について考えたことを価値付ける。
評価問題
手のひらの長さは、どのようにはかりますか。
子供に期待する解答の具体例
手のひらから任意の2点を決め、線分を見いだして、測定しようとしている。
本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
ものの形から直線を見いだし、自分で長さを決めて測ることができる。
感想例
まっすぐの形ではなくても、長さを測ることができました。測るときには、どこからどこまでが長さなのかを考えないといけないことに気が付きました。長さの両端が決まったら、自分で線を引くと長さを測りやすくなりました。でも、20㎝ぴったりではなかったから、あと少しのところも測ってみたいです。
イラスト/松島りつこ・横井智美
『教育技術 小一小二』2021年4/5月号より