• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

漢字を通してコミュニケーション!声に出して読む新式漢字ドリル

2019/5/12

つぶやき漢字研究会主宰・学力研理事 久保齋さんが発案した「つぶやき漢字ドリル」 。書き順に沿い、声に出しながら書くことで、コミュニケーションをとりながらゲーム感覚で楽しく漢字学習ができる。 そんな新しい学習文化から生まれた新式の漢字ドリルについて、お話を伺いました。

つぶやき漢字研究会主宰・学力研理事 久保齋さん

学習のヒントは伝承文化

―新刊の漢字ドリルはどのような点が特徴ですか?

久保 今回の漢字ドリルは、『①定着度が高い、②字がきれいになる、③みんなでワイワイできる』この3点が特徴です。

戦前から、どのように子どもに漢字を教えると定着するのか、様々な研究が行われてきました。結果的に子どもにとって最も覚えやすいのは、書き順を文章にし、それをつぶやくなり声を出すなりして書いていくと漢字になる、という覚え方です。例えば、「熊」という字は「ム、月、ヒ、ヒ、どんどんどんどん」、「読」という字は「なべぶた、二、口、十、一、ワ、ル」というふうに教えるのです。これは、実は、昔から家庭でも取り入れられてきた伝承文化です。

しかし、これまでは覚えさせ方がバラバラで、漢字を系統的に覚えられるようになっていませんでした。一年生から六年生までのすべての漢字を系統的に覚えられるように、書き順に沿ったつぶやきの法則性を取り入れたのが今回の「つぶやき漢字ドリル」です。

部首に分ける覚え方もありますが、部首に分けて覚えると、書き順がなくなってしまいます。漢字は書き順が正しくないと、きれいな字が書けません。今回のドリルは、書き順をきちんと覚えることを重視しているので、定着するだけでなく、きれいな字が書けるようになるのもポイントです

子ども同士が互いに教え合う

―みんなでワイワイ取り組むことができるという特徴は、どのようなメリットがあるのでしょうか?

久保 実は、漢字を覚えることを通じて新しいコミュニケーション文化をつくり、漢字教育を変えていきたいという壮大な目標があるのです。

そもそも漢字練習は一人で黙々と取り組む孤独な作業の繰り返しでした。しかし、つぶやき漢字ドリルを活用することで、教室の中でみんなが声を出し、「読という字は、『なべぶた、二、口、十、一、ワ、ル』やで」「それで合ってるよ」などと、ワイワイお互いに教え合うようになります。

こうして漢字を覚えるという行為が、自分だけの行為ではなく、クラス全体の行為になり、クラス共通の学習文化になります。

つぶやき漢字ドリル(4年)の内容例

これは九九も同じですよね。「7×8=56」ではなく、「しちはごじゅうろく」と覚えることが、教室みんなのもの、日本中のものになっています。子どもが声を出して覚えたり、「しちは」という問いかけに対して子どもが「ごじゅうろく」と答えたりしながら覚えていきます。教師は漢字においても、こうした覚え方をさせながら、学習の文化をつくってあげる必要があるのです。

この漢字ドリルは、教室の中だけでなく、ぜひ家庭でもり組んでいただきたいですね。漢字学習を家族みんなで口頭言語を通じてできるようになり、漢字を通してコミュニケーションの機会を増やすことにつながるでしょう。

『教育技術』 2019年5月号より

取材/中澤歩、石川桃子(EDUPEDIA) 撮影/編集部 まとめ/出浦文絵
●これと関連したインタビュー記事が「EDUPEDIA」でも配信されます。

関連する記事

授業記事一覧

カリキュラムマネジメントイメージ
2020年の新学習指導要領で必要なカリキュラム・マネジメントとは!?

2020年に始まる、小学校の新しい学習指導要領の実現には、教育活動の質を向上させ、学習効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントを確立する必要があると言われて…

基本がわかる!家庭科~6年:ナップザックを作る~

家庭科での製作は子供たちにとって楽しい学習のひとつです。子供が、安全に楽しく活動できるようにするための指導のポイントや学習環境について紹介します。6年生は、日常…

2019/7/17

手縫いのパッチワークの作例
基本がわかる!家庭科~5年:学級旗を作る~

家庭科の授業でフェルトを使った小物作りを行うことで、手縫いに必要な用具の安全な使い方を理解し、手縫いの基本的な技能を身につけられるようにします。クラスの大切な思…

家庭科の道具のイメージ
基本がわかる!家庭科~指導のポイント~用具の使い方

家庭科での製作は、子供たちにとって楽しい学習のひとつです。子供が、安全に楽しく活動することができるように気を付けたい指導のポイントや学習環境について紹介します。…

4年3組学級経営物語(9)

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。イワオジの教師力の原点を聞き、自身の未熟さを反省をする渡来先生。そんな姿を見たイ…

学んだことが実践に結びつかない! 改善策はどうする? 

教師の一方的な講義法による知識の伝達だけでは、実践に結びつく学習活動となりにくいことは、誰もが感じていることだと思います。学習を通して学んだ知識が実践として結び…

「小学校教科担任制」推進へ! 小学教育はどう変わるか

2019年4月、文部科学省は小学校高学年で教科担任制を推進する方針を示し、小学校高学年で教科担任制をすでに実施している小学校もあります。令和の時代に求められる教…

2019/7/8

【学年・教科別指導計画】1年体育 のって はずんで だいへんしん! 【表現リズム遊び】

表現リズム遊びは、「リズム遊び」と「表現遊び」から構成され、自分の心身を解き放って、リズムやイメージの世界に入りきることが楽しい運動遊びです。低学年の子供たちは…

2019/7/7

樋口万太郎先生
【構造的板書】算数「式と計算」

「構造的板書」とは、いま自分たちは何の目的のために何を考えているのか、その思考の流れが見えるように工夫した板書のこと。構造的板書を長年研究している樋口万太郎先生…

樋口綾香先生
【構造的板書】 国語「世界でいちばんやかましい音」 「千年の釘にいどむ」

「構造的板書」とは、いま自分たちは何の目的のために何を考えているのか、その思考の流れが見えるように工夫した板書のこと。構造的板書を長年研究している樋口綾香先生(…

もっと見る