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漢字を通してコミュニケーション!声に出して読む新式漢字ドリル

2019/5/12

つぶやき漢字研究会主宰・学力研理事 久保齋さんが発案した「つぶやき漢字ドリル」 。書き順に沿い、声に出しながら書くことで、コミュニケーションをとりながらゲーム感覚で楽しく漢字学習ができる。 そんな新しい学習文化から生まれた新式の漢字ドリルについて、お話を伺いました。

つぶやき漢字研究会主宰・学力研理事 久保齋さん

学習のヒントは伝承文化

―新刊の漢字ドリルはどのような点が特徴ですか?

久保 今回の漢字ドリルは、『①定着度が高い、②字がきれいになる、③みんなでワイワイできる』この3点が特徴です。

戦前から、どのように子どもに漢字を教えると定着するのか、様々な研究が行われてきました。結果的に子どもにとって最も覚えやすいのは、書き順を文章にし、それをつぶやくなり声を出すなりして書いていくと漢字になる、という覚え方です。例えば、「熊」という字は「ム、月、ヒ、ヒ、どんどんどんどん」、「読」という字は「なべぶた、二、口、十、一、ワ、ル」というふうに教えるのです。これは、実は、昔から家庭でも取り入れられてきた伝承文化です。

しかし、これまでは覚えさせ方がバラバラで、漢字を系統的に覚えられるようになっていませんでした。一年生から六年生までのすべての漢字を系統的に覚えられるように、書き順に沿ったつぶやきの法則性を取り入れたのが今回の「つぶやき漢字ドリル」です。

部首に分ける覚え方もありますが、部首に分けて覚えると、書き順がなくなってしまいます。漢字は書き順が正しくないと、きれいな字が書けません。今回のドリルは、書き順をきちんと覚えることを重視しているので、定着するだけでなく、きれいな字が書けるようになるのもポイントです

子ども同士が互いに教え合う

―みんなでワイワイ取り組むことができるという特徴は、どのようなメリットがあるのでしょうか?

久保 実は、漢字を覚えることを通じて新しいコミュニケーション文化をつくり、漢字教育を変えていきたいという壮大な目標があるのです。

そもそも漢字練習は一人で黙々と取り組む孤独な作業の繰り返しでした。しかし、つぶやき漢字ドリルを活用することで、教室の中でみんなが声を出し、「読という字は、『なべぶた、二、口、十、一、ワ、ル』やで」「それで合ってるよ」などと、ワイワイお互いに教え合うようになります。

こうして漢字を覚えるという行為が、自分だけの行為ではなく、クラス全体の行為になり、クラス共通の学習文化になります。

つぶやき漢字ドリル(4年)の内容例

これは九九も同じですよね。「7×8=56」ではなく、「しちはごじゅうろく」と覚えることが、教室みんなのもの、日本中のものになっています。子どもが声を出して覚えたり、「しちは」という問いかけに対して子どもが「ごじゅうろく」と答えたりしながら覚えていきます。教師は漢字においても、こうした覚え方をさせながら、学習の文化をつくってあげる必要があるのです。

この漢字ドリルは、教室の中だけでなく、ぜひ家庭でもり組んでいただきたいですね。漢字学習を家族みんなで口頭言語を通じてできるようになり、漢字を通してコミュニケーションの機会を増やすことにつながるでしょう。

『教育技術』 2019年5月号より

取材/中澤歩、石川桃子(EDUPEDIA) 撮影/編集部 まとめ/出浦文絵
●これと関連したインタビュー記事が「EDUPEDIA」でも配信されます。

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