小5理科「メダカのたんじょう」指導アイデア

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執筆/大阪府公立小学校教諭・松田善行
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、大阪府公立小学校校長・細川克寿

小5理科「メダカのたんじょう」指導アイデア
写真AC

単元のねらい

魚などを育てる中で卵の様子に着目して、時間の経過と関係付けて動物の発生や成長を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に予想や仮説を基に、解決の方法を発想する力や生命を尊重する態度、主体的に問題解決しようとする態度を育成していきます。

単元の流れ(二次 総時数 7時間)

[単元の目標]

メダカを大切に飼育して増やし、次年度の五年生に引き継げるようにしよう。

資質・能力の育成を目指して!
対象と関わることを大切にしながら授業を行うことで、観察の技能を身に付けるとともに、生物を愛護し生命を尊重しようとする子供を育成しましょう。

◆単元導入~第一次

【活動アイディア例】

今回の単元では、メダカを飼います。上手に飼えば、卵を産むことも期待できます。班ごとに6匹ずつ飼育を任せるので、次の五年生に引き継げるように大切に育てていきましょう。

私たちが協力して、大切に世話しないといけないね。どうやって、飼えばいいのかな?(問題①)

雄と雌を、一緒に飼わないといけないと思う。
どうやって、見分ければいいかな? 調べないといけないね。(問題②)

下矢印
  • 飼育環境や雄雌の見分け方について、班ごとに調べてまとめる。調べてわかったことを、学級全体で交流する。
  • 飼育の準備が整えば、自分たちでメダカを選んで飼育を開始する。

◆一次 メダカを飼おう(3時間)

【活動アイディア例】

メダカを飼う前に、飼い方を調べないといけないね。

  1. メダカを飼うために、どのような環境を用意しなければならないのだろうか。
  2. メダカの雌と雄は、どのように見分ければよいのだろうか。
  3. メダカの様子の観察と記録

・「メダカを増やして、次年度の五年生に引き継げるようにしよう」という課題を設定し、グループごとに4~8尾程度ずつ飼育を任せるようにする。それによって、次のような効果が期待できる。
① メダカを飼育するための環境や、雌雄の見分け方を調べる必然性が生まれる。
② メダカの様子や、卵の育ちに注目するようになる。
③ 生物を愛護しようとする態度が育まれる。

◆二次 メダカの産卵(4時間)

メダカが卵を産んだよ。ちゃんと育ってほしいな。

  1. メダカの卵は、どのように育っていくのだろうか。
  2. 誕生した子メダカは、どのように育てればよいのだろうか。
  3. 子メダカの様子の観察と記録
  4. 学習のまとめ(産卵・発生・成長を中心に)
メダカの水槽を観察する様子

※授業時間以外でも観察しやすい学習環境を整え、継続的に観察できるようにする。

  • 産卵して間もない卵の様子を観察し、中にメダカの姿がないことを確認する。そして、その後時間の経過とともに、どのように育っていくのかを予想する。
  • 卵の中で成長するために必要な養分について、考えられるように助言する。
  • メダカの卵は、透けていて中の様子を観察しやすい。ここでの学習経験を「ヒトの誕生」の学習に生かすことができるようにする。

単元の終わりに求められる振り返り

他の生物も、卵の中で時間とともに様子をどんどん変化させて、誕生するんだろうね

新しい命が生まれるためには、雌が産む卵だけでなく、雄が出す精子も必要なんだね

雄のひれが大きいのは、雌が卵を産むときに抱き寄せるように絡ませて、体が離れないようにするためなんだね。動物の体ってすごいね

小さなものを見たいときには、これからも顕微鏡を使いたいな

大切に育てたメダカが死んでしまったのは悲しいけれど、新しい命が生まれることによって、命が受け継がれていくんだね

指導のポイント

  • 用意できるメダカや水槽などの数、児童数によって、班ごとのメダカの数を調整する。
  • 調べるための資料として、教科書の他に図書資料や、NHK for School の動画クリップ「雄雌の見分け方」「受精~産卵」等も活用できる。
  • 適切に飼っていても、死んでしまうこともある。その場合、飼育の意義を子供が振り返ることができるようにするとともに、小さな命にも感謝の気持ちをもてるようにする。
  • 指導者は、補充用のメダカを飼育しておく。

指導のための豆知識

  • 水の量の目安は、メダカ1匹につき1L以上が目安で、水が空気に触れている表面積が広い水槽ならば、エアレーションなしでも飼育できる。
  • 水換えは、カルキを抜いたり温度を水槽内と合わせたりするために、汲み置きの水を使用する。水質を大きく変えるとメダカが弱るので、一度に入れ替える水の量は半分以下にする。
  • 水温が20度を超え、日照時間が13時間を超えると、産卵を始めやすくなる。
  • 産卵後孵化までは、水温×日数の累計が250℃(水温が25℃なら10日間)が目安になる。
  • 卵や子メダカは、親メダカに食べられないように、別の水槽で飼育する。
  • 餌の食べ残し、白くなった卵、死んだメダカを放置しておくと、水質の悪化が早まる。
  • 野生メダカ(クロメダカ)は全国各地に生息しているが、現在では激減している。自然の中で見ることがほとんどなくなっており、絶滅危惧種に指定されている。突然変異で黒色の色素胞が薄まって誕生したヒメダカが、観賞用として普及している。
  • 野生では動物プランクトンなどを食べる。蚊の幼虫(ボウフラやアカムシ)も、好んで食べる。

自然を愛する心情や、主体的に問題解決しようとする態度を養うためのポイント

自然を愛する心情を育てるためには、どうすればよいのでしょうか。私はこれまでの実践で、「With(共に)」を大切にしてきました。

教師自身が、関心をもってメダカに関わり、発見を発信していくことで、子供の興味や関心は高まります。子供と共に大切に世話をし、発見を共有・記録し、死を共に悲しみ、誕生や成長を共に喜びます。

対象が生物なので理科の授業に限らず、日常の何げない関わりも大切にしていきます。また、対象が自分にとって大切な存在になると、問題解決もより主体的なものになるでしょう。


イラスト/高橋正輝、横井智美

『教育技術 小五小六』2019年6月号より

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