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【小6・社会「新しい文化と学問」】学び方を選び取る力を育てる〈デジタル×深い学び〉

連載
「デジタル×深い学び」の授業デザインReport

板橋区立志村第二小学校で行われた10月の研究授業で、小学6年・社会「新しい文化と学問」の授業(鴨須賀悠也主任教諭)が行われました。志村第二小学校の高学年のめざす姿は、「自分たちで学習計画を立て、学習の過程を意識して見通しをもち、計画に合わせて学び方を選んで学習する児童」です。本授業では、そのめざす姿に向かう一つの段階として、「自分に適した学び方を探す」ことを位置づけ、教科書や動画、Googleスライドなどのデジタルツールを活用しながら、子供一人ひとりが問いをもって調べ、考えを深めていく学習が展開されました。

この記事は、連続企画『「デジタル×深い学び」の授業デザインReport』の32回目です。記事一覧はこちら

東京都板橋区立志村第二小学校

学校教育目標は、「明るく思いやりのある人」「よく考える人」「たくましい人」の育成。ICTを効果的に活用しながら、子供に学びを委ねる授業デザインを全校で実践・研究しています。

[授業のはじめ]
前時の疑問から、今日の問いへつなぐ

この日の研究授業の単元は「江戸時代の文化」。江戸時代の文化や学問の特色について理解を深めるだけでなく、絵画資料や文化財、地図帳、年表などを活用し、情報を適切に調べて整理する力の育成をめざします。また、出来事や関連する人物を多角的に捉え、歴史を学ぶ意味を考えながら、主体的に学習に取り組む態度を養います。

本時の問いは「江戸時代には、どのような文化が生まれたのか」。めあては「問いを解決するために調べて、スライドノートにまとめる」です。

7時の「REKI学レポート」とは、教科書や資料で調べた内容を整理し、出来事や人物の関係を考えながら、自分の言葉でまとめる学習用レポート(A4・1枚)のこと。

授業のはじめに、前時の振り返りが行われました。前回の学習では、江戸時代に長崎が他国との貿易の拠点となった理由について、子供たちがそれぞれ疑問をもち、教科書やパソコンを使って調べ、スライドノートにまとめていました。この日は、その中の1人のスライドノートが紹介されました。

Googleスライドのワークシートを活用している。

Aくん、「海外との貿易に長崎でよく使われている港があるが、何か理由があるのではないか」という自分で立てた問いの答えにどのようにして、たどり着いたのかな?

自分の中で調べたり、教科書を使ったりして、いくつかの情報を見比べました。その中で、いちばん条件に合っていると思ったものを選んで、答えにしました。

なるほど。だから、文末は「〜らしいです」となっているんですね。Aくんは、このように自分で疑問を立てて、調べて、まとめていました。こうした学び方もあります。ぜひ参考にしてください。

自己調整の時間に入る前に、「歌舞伎」「浮世絵」という、必ず押さえたいキーワードが示されました。また、動画資料を見て、これからどんなことを調べていくのか、本時の学習内容や見通しを全員で確認しました。

[授業のなか]
「教科書×動画×スライドノート」で、江戸の文化に迫る

鴨須賀先生が本時のスライドノートの説明を終えると、子供たちは一斉に端末を開き、スライドノートにアクセスします。本時のワークシートには、教科書の該当ページが貼りつけられており、あらかじめいくつかのキーワードが書き込まれていました。

本時のスライドノート。「これまではキーワードのみを示していましたが、この時間では人物名も加えました。あらかじめ名前を示しておくことで、関連する情報を整理しやすくなると考えたためです」と鴨須賀先生は話してくださいました。

子供たちは、教科書を読みながら気になったところに線を引いたり、友達と調べる視点を相談したり、ノートにキーワードを整理しながらまとめたりと、それぞれのスタイルで学習を進めていきました。

学習が進むにつれて、スライドノートには「庶民に親しまれた」「色鮮やかで、外国人の目を引いた」「たくさん刷られ、値段も高くなかった」といった、江戸の文化の特徴を表す言葉が少しずつ書き加えられていきます。事実を集めるだけでなく、文化の共通点や特徴を言葉で整理しようとする姿が見られました。

同時に、「疑問シート」と呼ばれる、学習中に疑問に思ったことを書き留めておくシートが使われていました。

このシートには、「歌舞伎と能はどう違うのか」「歌舞伎町と歌舞伎は関係があるのか」「役者が顔に白い粉を塗るのはなぜか」など、学習の中で生まれた疑問を入力、共有するものです。子供たちは、共有された友達の疑問にも目を向けながら、自分の考えを深め、学びを広げていきます

「疑問シート」は、学び合いが生まれる仕組みになっています。

スライドノートを書き終えた児童がちらほら登場すると、「今日のスライドが終わったら、友達のスライドも開いて見てごらん。自分と違う視点を見つけて、“今度はこういうふうに調べてみようかな”って考えてもいいかもしれないよ」と鴨須賀先生は声をかけていました。

鴨須賀先生は、全員のスライドノートを確認しながら、状況にあわせて声をかけていました。

[授業のおわり]
子供の疑問を授業の中心に

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