小6算数「資料の調べ方」 指導アイデア《柱状グラフの散らばりの特徴》

特集
1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」

執筆/福岡教育大学附属久留米小学校教諭・廣木伸幸
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏

単元の展開

第1時 2つの資料を比べ、それぞれの資料から平均値や最大・最小値を調べる。

第2時 資料をドットプロットに表し、最頻値と中央値という代表値を理解する。

第3時 2つの資料のドットプロットの散らばりの様子や、代表値を調べて比べる。

第4時 資料を度数分布表に表し、散らばりの特徴を調べる。

第5時(本時)度数分布表を基に柱状グラフをかき、散らばりの特徴を調べる。

第6時 ドットプロットや柱状グラフの読み取りや、 代表値の求め方を確かめる。

第7時 さまざまなグラフの表し方を知り、その特徴や読み方を理解する。

本時のねらい

度数分布表を基に柱状グラフをかき、散らばりの特徴を調べる。

評価規準

柱状グラフを正しく書き、データの分布の特徴を説明することができる。(知識・技能)

本時の展開

<問題場面>
表は、6年1組のみんなのメディア利用時間のデータを整理したものです。平日のメディア利用時間と休日のメディア利用時間の特ちょうを比べて、学級のメディア利用の仕方について考えていきたいと思います。

前の時間も、このような表を使って、データの特徴を比べましたね。今日は、ひと目でメディア利用時間の特徴を比べられるようにしたいと思います。

それならドットプロットが使えそうです。

そうでしたね。でも、今日のデータでドットプロットをつくると……、データが0分から420分まであるのでつくるのが難しいですね。

1つ1つのデータでは特徴が分かりにくいから、階級ごとに見るといいと思います。

そうですね。実は、階級ごとにデータを表したグラフとして、柱状グラフがあります。今から、6年1組のデータの表を柱状グラフで表していきます。60分以上120分未満の人数は4人なのでグラフのこの箇所を4つ塗ります(以下、順にクラス全員でやりとりしながら、柱状グラフを作成する)。これまでに学習した棒グラフとは違って、棒と棒の間に隙間はありません。

これだったら、散らばりの様子が比べやすそう。

それでは、今日の問題です。


グラフは、平日のメディア利用時間を柱状グラフに表したものです。休日のメディア利用時間のデータも柱状グラフに表して、散らばりの様子を比べましょう。

今日の問題と前の時間の問題(度数分布表から散らばりの様子を調べている)で、同じところや違うところは、どんなところですか。

どちらも散らばりの様子を比べています。

今日は表ではなく、柱状グラフで散らばりの様子を比べます。


柱状グラフを使って、データの散らばりの様子を比べよう。

見通し

  • 2つの柱状グラフを比べて、散らばりの特徴を調べる。(方法の見通し)
  • 平日と休日では、利用の仕方に違いがありそう。(結果の見通し)

自力解決の様子

A つまずいている子

〔特徴〕
・0~60分が一番多い。
●柱状グラフを正確にかけていない。


B 素朴に解いている子

〔特徴〕
・60~120分が一番多い。
・180~240分が一番少ない。
〇柱状グラフは正確。
●休日の部分的な特徴のみを述べている。


C ねらい通り解いている子

〔特徴〕
・平日は平均時間辺りの人数が多く、休日は利用時間が短い階級と長い階級の人数が多い。
〇柱状グラフは正確。
〇平日と休日のデータ全体の特徴を比較して捉えている。

学び合いの計画

Aの子供はグラフの左側から度数を書き込んでしまっています。うっかりミスとも言えるかもしれませんが、0~60の階級には人数が0名であること、60~120の階級が9名であることを再度確認し、正しいヒストグラムを完成させましょう。

また、1人1台端末を活用して、つくった柱状グラフや気付いた特徴を共有できるようにし、互いに見合うことができるようにしておきます。

Bの子供は、Cの子供の気付いた特徴から、部分的な特徴だけでなく、データ全体の散らばりの特徴に目を向けることができます。Cの子供も、友達が気付いた特徴を知ることができます。

その後、平日と休日のメディア利用時間を表す2つの柱状グラフを板書上に提示して、それぞれのデータの特徴について話し合います。

ノート例

A つまずいている子

イラスト/横井智美

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