小2算数「九九をつくろう(1)」指導アイデア(20/22時)《6の段以降の九九の構成》

執筆:神奈川県公立小学校主幹教諭・黒木正人
編集委員:文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥

本時のねらいと評価規準(本時20/22時)

ねらい

5の段を見直すことで分配法則に気付き、6の段以降の九九の構成を主体的に行えるようにする。

評価規準

数のまとまりに着目し、かけ算の性質やきまりを根拠に、5の段と2の段、3の段の関係を筋道立てて説明することができる。

もんだい
なんこ入りのかざりを買えばよいでしょうか。

(リースを提示して)

リースに飾りをつけましょう。

リースの大きさがいくつかあるね。

飾りはどうするのかな。

お店に、2個入りと3個入りの飾りが売っていました。

(問題の掲示)

みんななら、何個入りの飾りを買いますか。

あまらないようにしたいね。

飾りは何個つけるのかな。

リースの大きさが違うから飾りの数も変わりそう。

では、飾りの数を小さいものは5個。中くらいは10個。大きいものは15個にするとしたらどうですか。

10 個のものは2個入りを5個買えばいいと思います。

えっ、どうして分かったの。

かけ算で考えたんだね。

2×5= 10 だからだね。

それなら15もできそうです。

でも同じ飾りばかりだと寂しいので、2つの種類を混ぜたいな。

2種類の飾りを混ぜて買うことはできそうですか。

学習のねらい

2のまとまりと3のまとまりをどちらも使った、飾りの買い方を考えよう。

見通し

小さいリースから考えてみたら分かりそうだよ。

5個の買い方が分かると、九九が使えそう。

自力解決の様子

A つまずいている子

同じ数のまとまりでしか考えられず、組み合わせることができない。


B 素朴に解いている子

偶然に数の組み合わせが合ったことで、買い方を決めている。


C ねらい通りに解いている子

2の段と3の段の組み合わせから、5の段を見いだして、解こうとしている。

学び合いの計画

子供は、これまで九九の構成のしかたについて、同数累加を中心に行ってきています。6の段からは、同数累加だけで考え続けるのではなく、これまでの2~5の段を用いて九九の構成をすることが大切です。

乗法九九の表における数量の関係に着目すると、3の段と4の段の和が7の段になることを、子供が見いだせるようにしましょう。

そのために、本時の活動では、5の段の構成を見直し、2の段と3の段の和で5の段ができていることを子供が自然と気付けるようにすることが必要です。

アレイ図などを用いて視覚化することで、かけ算の性質を考えたり、説明したりできるようになることが大事になります。

ノート例

全体発表とそれぞれの考えの関連付け

2種類の飾りを混ぜて買うことはできましたか。

買えました。

どうやったら買えるの。

2の段と3の段を使えば買えます。

でも2の段と3の段を、どうやって使えばいいのかが困りました。

2の段と3の段をどのように使いましたか。

5個なら、2の段と3の段を1回ずつ使えばできます。

2+3 ですよね。でもそれが2の段と3の段が1回ずつってどういうことですか。

2×1=2 と3×1=3を足して、2+3=5となります。

でも、10や15はどうやって考えたの。

何回ずつにすればいいのかな。

飾りの数が10や15のときも同じように買うことはできますか。

はい。2の段と3の段でできた5を5の段と見るとできます。

5×1=5ですね。そうすると5の段の答えに10や15もあるからできますね。

そうか。同じものを2つ、3つと考えたらいいですね。

すると5×2、5×3となりますね。

学習のまとめ

5の段をふり返る際に、2の段と3の段の数に着目し、2つの段を合わせると5の段が構成できることに子供自身が気付くようにします。構成のしかたについて、図を根拠にして式を考えようとしていることを価値付けます。

評価問題

かざりが18このときも、買うことができますか。

子供に期待する解答の具体例

2の段と3の段の組み合わせを用いることで、5の段以外の数の構成も考えることができる。

本時の評価規準を達成した子供の具体の姿

アレイ図を根拠に、5の段と2の段、3の段の関係を説明することができる。

感想例

・2の段と3の段を合わせると、5の段ができました。
・5の段の答えにはない数も2つの段を合わせたらできたので、ほかの段も合わせたらできるのか知りたくなりました。


イラスト/松島りつこ、横井智美

『教育技術 小一小二』2021年10/11月号より

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