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間違えたくない先生、必読! 教科横断的な外国語の授業づくり

2019/7/20

英語のイメージ

新学習指導要領の作成協力者・佐藤美智子先生が「間違えない外国語」を解説! テーマは、「教科横断的な授業づくり」です。カリキュラム・マネジメントに基づいた単元例、授業例、単元計画における評価の観点の位置付け例等について提案します。

文/鳴門教育大学大学院学校教育研究科准教授 佐藤美智子

教科横断的な視点に立つ授業づくりとは

新学習指導要領への移行期間である今、小学校高学年では、外国語活動の内容に加えて、地域や学校、子供の実態に合わせ、新学習指導要領の外国語科の内容を扱いながら、日々の実践が進められていることでしょう。

ご存知の通り、「社会に開かれた教育課程」の考え方のもと、改訂された今回の学習指導要領ですが、その中でも「主体的・対話的で深い学び」と「カリキュラム・マネジメント」が重要なキーワードとなっています。ここでは、「カリキュラム・マネジメント」の中から、特に「教科横断的な視点に立った外国語科の授業づくり」に焦点を当てて考えてみたいと思います。

カリキュラムとは、学習指導要領や年間の標準時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて編成している教育課程のことです!

「教科横断的な視点」の必要性

まず、新学習指導要領を見てみましょう。

総則第1の「小学校教育の基本と教育課程の役割」には、上述した「カリキュラム・マネジメント」に関する記述があり、示された第1の側面の中に、「教科等横断的な視点」という文言が見られます。

各学校においては、児童や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。

(※強調は筆者)

また、総則第2「教育課程の編成」の2には、次のような資質・能力を教科横断的な視点に立った教育課程の編成により育成していくことの必要性が述べられています。

育成すべき資質・能力

さらに、「外国語活動」と「外国語」の「3指導計画の作成と内容の取り扱い」の配慮事項には、次のような具体的な記述があります。

言語活動で扱う題材は、児童の興味・関心に合ったものとし国語科や音楽科、図画工作科など、他教科等で児童が学習したことを活用したり、学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること。

(※強調は筆者)

これまでにも、小学校では、各教科の学習を横断的・総合的に生かすことのできる生活科や総合的な学習の時間の他に、複数の教科を関連させた多様な実践が行われてきています。

ただ、教育課程全体を通して見てみると、まだまだ、「何を教えるか」という観点が中心となって各教科等が組み立てられており、学びが縦割りの枠にとどまりがちであることが、中央教育審議会答申(平成28 年12 月21 日)の中で指摘されています。

学習者は子供です。指導者は、国語科や算数科、体育科など、各教科等の指導計画に従って授業を行いますが、その授業を受けるのは同じ子供です。つまり、それぞれの時間に得た学びは教科等の枠で切り離されるものではなく、当然ながら子供の中で相互に関連し合い、つながっているものと思われます。それを指導者が意識し、教科等の枠を超えた「何ができるようになるか」という視点で教育課程全体を見渡し、教科等相互の連携を図り、関係性を深めながら、教育課程を編成していくことが求められているのです。

教科等相互の連携を図り関係性を深めるイメージカット

教科横断的な視点に立つ単元例

では、教科横断的な視点で外国語科の授業をつくる際、具体的にはどのような方法が考えられるでしょうか。

例えば、学校行事等(地域や学校によって異なります)と『We Can! 2』の各ユニットを並べてみましょう。

学校行事等と『We Can! 2』の各ユニット
クリックすると別ウィンドウで開きます
小学校の英語教材のイメージ
『We Can! 2』Unit 7 My Best Memory

こうして見てみると、新教材『We Can! 2』の単元構成が、子供たちの興味・関心、日常生活や学校生活に合わせた内容と配列になっていることが確認できます。特に小学校生活のまとめとなる時期には、卒業アルバムの撮影や文集作り等の学校行事等と平行して、“My Best Memory”や“What do you want to be?”“Junior High School Life”のユニットが続いています。

そこで、学校行事等と外国語の授業を関連させて単元を組むことが考えられます。行事等での体験が外国語の表現活動に活かされたり、逆に、外国語の時間の学びを行事等の中で発展させたりすることが期待できるでしょう。

縦割りとなる各教科等での学びが、子供の中でどのように関連付けられていくのかを指導者が意識する上で、まず全ての学校行事や教科等の単元及び活動を次のように並べてみることが有効です。そうすることにより、改めて教科等間の関連性が見えてきます。

〈単元配列表のイメージ図〉

単元配列表のイメージ図
クリックすると別ウィンドウで開きます

それでは、教科横断的な視点で構成した単元例をいくつか挙げてみましょう。

●どうぞよろしく!(例)

外国語
「This is ME!」(『We Can! 2』Unit 1)
「Welcome to Japan.」(『We Can! 2』Unit 2)

行事等
「一年生を迎える会」

「異学年班活動」
「修学旅行」
「国際交流会」

学活
「どうぞよろしく」
自己紹介を通して互いを知る。

外国人と触れ合う子供

クラス替えがある学級では、自己紹介を通してお互いを知るところからスタートすると思われます。『We Can! 2』のUnit 1 も「自己紹介」がテーマです。これらの学習や活動を関連させることで、活動もより豊かになるでしょう。また、修学旅行先で外国の方と触れ合うチャンスがあれば、ぜひ外国語の時間の学びを活かす場としたいものです。

●共に生きる町(例)

外国語
「I like my town.」(『We Can! 2』Unit 4)
大好き!私たちの町

道徳
「世界人権宣言から学ぼう」(光村図書)
大切な権利

国語
「ようこそ、私たちの町へ」(光村図書)
町のよさを伝えるパンフレットを作ろう

総合
「共に生きる町」~ふるさとを見つめる~
(地域を知る)

道徳の時間には「だれもが幸せに生きる権利」について考え、総合的な学習の時間の「共に生きる町」では、実際に地域に出て、インタビュー活動や調べ学習を行い、自分たちの住む町を見直します。その中で、住んでいる町のよさや課題に気付くことでしょう。その体験や学びを、国語の学習や外国語の時間の表現活動、ポスター作り等に活かします。

※この単元の詳細は、下の「授業実践例」で紹介します。

町探検をする子供たち

●明日に向かって(例)

外国語
「My Best Memory」(『We Can! 2』Unit 7)
「What do you want to be?」(『We Can! 2』Unit 8)

国語
「今、私は、ぼくは」(光村図書)
「宇宙飛行士」ーーぼくがいだいた夢(光村図書)

道徳
「一さいから百さいの夢」(光村図書)
夢が私たちに与えてくれるもの

総合
「共に生きる町」~ふるさとを見つめる~
(地域で働く人)※職業体験

行事等
「学習発表会」
「卒業式」
「六年生を送る会」
「卒業文集作成」

卒業を控えた時期、各小学校では「六年生を送る会」など様々な行事等が計画されていると思われます。国語科や道徳科の学習でも、自分を支えてくれた人やもの、将来の夢などについて考えたり思いを伝えたりする単元が組まれています。さらに、総合的な学習の時間には、キャリア教育の一環として職業体験を行う学校があるかもしれません。外国語科の単元にも、6 年間を振り返り「自分にとって一番心に残る行事」「将来の夢」についての活動が設定されています。こうした一連の学習や活動を有機的に関連付けることで、子供の意識は高まり、主体的な学びが促されるでしょう。

卒業式

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