小2道徳「あいさつが きらいな 王さま」指導アイデア

執筆/北海道公立小学校・藤原友和
目次
内容項目
礼儀
間違いに気づいた王様の気持ちを考えることを通して、挨拶は相互の人の心を明るくすることを理解し、気持ちのよい挨拶をしようとする態度を養う。
趣旨
礼儀とは、相手に対する敬愛の念を表し、人間関係を豊かにして社会生活を円滑にするために創り上げられてきた文化です。挨拶や所作、言葉遣いなど、具体的な形に示すことが肝要とされています。
心は目には見えませんから、時と場合をわきまえた応対、つまり「形」に真心を込め、相手を親身に思いやることで心と形を一体として表すものとされています。
『小学校学習指導要領 解説』では、低学年の段階においては、「特にはきはきとした気持ちのよい挨拶や言葉遣い、話の聞き方や食事の所作などの具体的な振る舞い方を身に付けることを通して明るく接することのできる児童を育てることが大切」としています。
礼儀の意味やその大切さについて、頭で理解させようとするよりも先に「日常生活を送るために欠かせない基本的な挨拶などについて、具体的な状況の下での体験を通して実感的に理解を深めさせることが重要である」という言及もあります。
発達の段階を考慮しても、言葉によって抽象的に考えさせることよりも、体験的、実感的な理解のほうが大切であるのは納得できることでしょう。
普段している挨拶は、どんな気持ちでしているか、相手の表情はどうだったか、また、相手からされた挨拶でどんな気持ちになったかなど、具体的な場面について考えることが大切です。
そのために、読み物教材を使用する際にも、その場面をロールプレイしたり、普段の生活における場面を考える時にも、その状況を再現したりしながら具体的に考えられるようにします。