小3算数「分数」指導アイデア(5/7時)《分数と小数の大小比較》
執筆/新潟県公立小学校教諭・本間陽平
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、新潟県公立小学校校長・遠藤昇
目次
本時のねらいと評価規準
本時5/7時
ねらい
分数と小数の大小比較について、分数ものさし・小数ものさしといった数直線を操作することを通して、分数と小数の関係を等号や不等号を用いて表すことができる。
評価規準
分数と小数の大小比較をすることができる。

問題
クリスマスのかざりでリボンを使います。リボンの長さは、ア 0.6m、イ [MATH]\(\frac{7}{10}\)[/MATH]m、ウ [MATH]\(\frac{5}{10}\)[/MATH]mです。リボンを長いじゅん番にならべましょう。
分数と小数のままだと比べられないよ。
学習のねらい
分数と小数の大きさはどうやって比べたらよいのだろう?
自力解決
A つまずいている子
分数と小数をどうやって比べてよいのか、まるで見当が付かない。 または、分数や小数の定義を忘れている子。
B 素朴に解いている子
実際にかいてみればできると考える子。分数ものさしや小数ものさしを完成させた後に、リボンの長さをかいてみる。(直接比較)
C ねらい通り解いている子
分数と小数をそろえて表すことができないか考えている子。分数ものさしと小数ものさしを合わせる考えを提案。(間接比較)
学び合いの計画
実際にリボンの長さを測り取って比べる方法(直接比較)を考える子供がいます。一方で、実際に測り取るしか比べ方がないのかを話し合わせると、数直線を使って比べる方法(間接比較)を考える子供がいます。さらに、分数ものさしと小数ものさしを統一して考えれば、一度に比べられると考える子供がいます。子供は最終的に統一して、一本の数直線を基にして比べられるように話を進めていきます。
実際にリボンを作って、比べてみれば分かるよ。
作らなくても、かいて比べることはできないかな。
分数ものさしを作ったことがあるから、同じように作れないかな。
では、試してみましょう。
0と[MATH]\(\frac{1}{10}\)[/MATH]だけ書き、残りは空欄にしてあるワークシートを用意します。子供が自分で書きこめるようにします。小数も同様です。

[MATH]\(\frac{
5}{10}\)[/MATH]mと[MATH]\(\frac{
7}{10}\)[/MATH]m のリボンの長さは分数ものさしで表すことができたよ。
じゃあ、次は0.6だね。これは小数ものさしで表そう。
小数で表すとどうなりますか。同じようにものさしで表せませんか。

小数ものさしを使ったら、0.6m を表すことができたよ。
本時の子供のノート例
ワークシートは教師が用意し、ノートに貼ります。
分数ものさしと小数ものさしを並べて対応していることを視覚的に確認します。
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
分数と小数が表せましたね。
そうか! 分数ものさしと小数ものさしを合わせて考えればいいんだ!
それならば、リボンの長さを比べられますか。
0.1は1を10等分した一つ分で、[MATH]\(\frac{1}{10}\)[/MATH]と同じ意味だよね。

分数ものさしと、小数ものさしを並べて囲むことによって、数直線で分数と小数を関係付けます。
分数ものさしと、小数ものさしがくっついたよ。
分数か小数でそろえられるから、3つのリボンを比べられるね。
0.6は[MATH]\(\frac{6}{10}\)[/MATH]、[MATH]\(\frac{7}{10}\)[/MATH]は0.7、[MATH]\(\frac{5}{10}\)[/MATH]は0.5のことだね。
つまり、長いほうから[MATH]\(\frac{
7}{10}\)[/MATH]m、0.6m、[MATH]\(\frac{
5}{10}\)[/MATH]mの順番になるね。
つまり、[MATH]\(\frac{
7}{10}\)[/MATH]> 0.6 >[MATH]\(\frac{
5}{10}\)[/MATH]と表せるね。
位について押さえます。
学習のねらいに正対した学習のまとめ
分数か小数にそろえて比べればよい。
評価問題
次の□に等号や不等号を入れましょう。

子供に期待する解答の具体例
①= ②< ③ >
感想例
小数と分数の関係が分かりました。小数も分数もどちらでも大きさ比べができることが分かりました。これで、いろんな長さのリボンを使って、クリスマスツリーを飾り付けできるね。
イラスト/横井智美
『教育技術 小三小四』 2019年12月号より