進んで宿題ができる子供に育てる5つのステップ【動画】

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千葉県公立小学校教諭

髙橋朋彦

みなさんの学級では、宿題にはどのように取り組ませていますか? 「進んで宿題に取り組む子になってほしい」と願っても、なかなかそうならないのが現実ではないでしょうか。

そこで、教育技術本誌でもおなじみのトモ先生こと髙橋朋彦先生が、進んで宿題に取り組めるようになるための、学級での仕組みづくりについてシェアします。

自主学習が身に付く仕組み!「宿題とテストの連携」

みなさんの学級では、どのように宿題に取り組んでいますか? 「進んで宿題に取り組んで、家庭学習のできる子に育てたい!」とは思っているけれど、なかなか難しいですよね? 私も悩んでいます!

今回は、そんな子たちが、進んで宿題に取り組めるようになる仕組みとして、「宿題とテストの連携」を、5つのステップで紹介します。

こちらは、「『けテぶれ』宿題革命!」(葛原祥太著・学陽書房)」の実践を、私なりにアレンジしたものです。

家庭学習のできる子に育てたい!

1. テスト日を1週間以上前に伝える

1つ目のステップは、「テスト日を1週間以上前に伝える」です!

私たち小学校教員は、テスト日をあまり大切にしていないと感じています。「明日、テストだぞー!」と急に伝えることがよくあります。それどころか、「はい、今からテストしまーす!」と、急に始めることなんかもあります。

教師がテスト日を意識できなければ、当然ながら、子供もできません!

日程を早めに伝えることで、テスト日を意識して勉強する子供が増えていきます。

テスト日を意識して勉強する子供が増える

2. テスト範囲を伝える

2つ目のステップは、「テスト範囲を伝える」です!

どの部分を勉強したらテストができるようになるのか、明確に子供に伝えます。すると、その部分を意識して勉強する子が増えていきます。

このステップ1と2は、中学校では当たり前に行われている方法です。

つまり、小学校の段階から取り組むことで、「中1ギャップ」の解消にもつながります!

中1ギャップの解消にもつながる

3. 学校で宿題の仕方を練習する

3つ目のステップは、「学校で宿題の仕方を練習する」です!

テスト日と範囲を伝えただけで勉強できる子は、私の肌感覚では20%程度です。30人学級だったら6人くらいできればいい方です。

「自分で勉強できる子」の人数を増やすには、宿題の仕方を練習する必要があります。

みなさんは、子供たちにどのように宿題に取り組んでほしいと考えていますか?

私は、「間違えた問題を大切にして、答えを見ずにもう一度解けるようになってほしい」と考えています。

でも、言葉で言っただけではできるようにならないので、「教師の取り組んでほしい宿題の仕方」を練習する必要があります。

「えー! そこまでやらなきゃいけないの!?」
と思うかもしれませんが、残念ながらそこまでやらないと、できるようにはなりません⋯。

時間確保が難しいと思うかもしれませんが、単元の中で「学習を定着させる時間」というものがあるので、その時間を活用すると効果的です!

この方法は、1回やっただけではできるようにならないので、定期的に行うことが大切です。私の学級では、1週間に1回は確認できるように取り組んでいます。

4. 家で同じ方法で取り組ませる

4つ目のステップでは、学校で宿題の仕方を練習したあと、同じことを家でも取り組ませましょう!

ここでも、私の学級では、宿題をもう一度、答えなどを見ないで取り組ませています。

もう一度見ないで取り組ませる

5. 次の日に、取り組めた人数を確認する

5つ目のステップ、宿題を出した次の日は、練習した方法で取り組めたかを確認しましょう!

朝、「練習した方法でできた人は?」と人数を確認します。そのとき、

「おー! 今日は12人か、よく頑張った!」

と子供たちの頑張りを褒め、次の日にも同じように人数を確認し、

「おー! 今日は15人、3人増えてる!! 先生、嬉しいなぁ!」

と、できるようになった人数が増えたことを喜びます。

できなかったことを叱るのではなく、増えたことを喜ぶことが大切です。

手応えを掴めばテスト勉強も自分できる子に!

この方法は時間がかかるのですが、繰り返しテストに向けて勉強することで点数が上がり、努力をすれば点数が上がることを子供たちに実感させていきます。

このように、自分で宿題ができるようになる仕組みを作って、とにかく何度も指導を積み重ねていくことが大切です。

繰り返しますが、一度でできるようになるわけではありません!
根気が大切です!!

努力をすれば点数が上がることを実感させていく

いかがでしたか? この仕組みで練習を積み重ねると、宿題はもちろん、テスト勉強が自分でできるようになり「中1ギャップ」の解消にもつながるという目からウロコの実践、今のうちからぜひ取り入れたいですね!


高橋朋彦先生
撮影/田中麻衣

髙橋朋彦●1983年千葉県生まれ。第55回わたしの教育記録特別賞を受賞。教育サークル「スイッチオン」「バラスーシ研究会」に所属。共著に『授業の腕をあげるちょこっとスキル』『学級づくりに自信がもてるちょこっとスキル』(共に、明治図書出版)がある。算数と学級経営を中心に研究中。
Twitterアカウントは @tomotomoteacher  https://twitter.com/tomotomoteacher
トモ先生のインスタ https://www.instagram.com/tomotomotea/
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