小5国語「立場を決めて討論をしよう」指導アイデア

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教材名:「立場を決めて討論をしよう」 東京書籍

指導事項:A「話すこと・聞くこと」 オ
言語活動:イ

執筆/福岡県公立小学校教諭・片山隆洋
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

小5国語「立場を決めて討論をしよう」指導アイデア
写真AC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

互いの主張とその理由を明確にしながら、計画的に話し合う力を育成します。

②言語活動とその特徴

本単元には、「論題に対する自分の立場を決めて討論をする」という言語活動を位置付けます。討論を深まりのあるものにするためには、説得力のある理由を挙げることが求められます。

しかし、子供はこれまでの話合いの経験から、理由を挙げて意見を述べることには慣れてはいるものの、その意見には、説得力があるものかどうかを意識して発言するまでには至っていません。

討論に至る準備段階で、事実と意見を区別し、説得力のある理由を収集・整理したり、相手の主張の理由や相手からの質問を想定したりする時間を十分に設けて、討論に必要な力が身に付くようにすることを目指します。

五年生になると学習中だけでなく、学校行事等の様々な場面で中心となって話し合う機会が増えてきます。こうした時期に、討論者や司会などのそれぞれの役割に応じて計画的に討論する学習は、生活の場で生きて働く話し合う力の育成につながるものと考えます。

単元の展開(9時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)
①討論の進め方や役割分担について確かめ合い、学習の見通しをもつ。
→アイデア1 主体的な学び

【学習課題】立場を決めて討論をしよう

第二次(2~4時)
②論題に対する自分の立場を決め、理由を集める。
③自分の立場を主張する意見文の構成メモをつくる。
④立場と理由を明確に主張する意見文を書く。

第三次(5~7時)
⑤⑥同じ立場の人同士でグループをつくり、グループの主張を整理する。
⑦グループで相手の立場の主張を予想し、その理由を崩すための質問を考える。
→アイデア2 対話的な学び

第四次(8~9時)
⑧1回目の討論をし、うまくいった点や改善したほうがよい点について話し合う。
→アイデア3 深い学び
⑨改善点を意識して2回目の討論を行い、学習をまとめる。

アイデア1 学習のゴールを明確にし、見通しをもって学習するための導入の工夫

主体的な学び

「討論をする」ことは、子供にとって初めて経験する言語活動です。立場を決めることや役割があることなど、今までの話合いとは異なる側面があることに気付かせる必要があります。まず、「理由を明確にして立場を決める」ことを体験させます。

論題から「反対」と「賛成」の立場を決める
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いくつかの論題を使い、賛成と反対の立場を、理由を明確にして決めるようにします。討論するためには、二つの立場に分かれて、理由を明確にして議論できる論題を選ぶことが必要であることを確かめます。また、子供が生活の中から討論してみたいと思う論題を集めておくと、学習への意欲も高まります。

次に指導用CDを聞き、実際の討論の流れを確かめます。 聞く際は次の二つの観点で聞くようにします。

①どんな役割があるのか
②どのような流れで討論が進んでいるのか

また、討論の流れを文字化した教科書80ページ~81ページを活用します。色分けしながら線を引いたり囲んだりすることで、役割と流れを視覚的に捉えます。このような手順を踏むことで、見通しをもって学習計画を立てるようにします。

討論の流れ
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アイデア2 主張に説得力をもたせる理由を考えるための観点の提示

対話的な学び

ここでは、深まりのある討論にするために、説得力のある理由をグループで考え、話し合ったことを主張カードに整理していきます。

まず、グループの友達が書いた意見文を読み合い、主張(賛成・反対)に対して説得力がある理由を付箋紙に書き出します。その中から説得力のある理由を選んだり、複数の理由を合わせて新たな理由を考えたりしていきます。その際、主張に説得力をもたせるための観点を提示します。

【理由に説得力をもたせるための観点】

理由に説得力をもたせるための観点
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次に、予想される質問を考えます。最後に、質問の答えを考えます。この時にも、答えと観点とを照らし合わせることで、予想される質問に対しての答えが説得力をもったものとなります。観点を示すことで、説得力をもたせる理由を考えるという、目的に向かった学びある対話へとつながります。

【主張カード】

主張カード
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アイデア3 討論の流れの板書を活用した振り返りの工夫

深い学び

1回目の討論を振り返る場では、深い学びへとつなげるために、1回目の討論での発言の経過を、教師が板書したものを活用します。板書は下の例のように、全体の流れがわかること、賛成と反対とを対比的に整理することを意識して板書します。

【板書例】

板書例
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子供の発言を文字化することで討論が視覚化され、誰のどの発言をきっかけに討論が活性化したのか、審判はどの理由を選んで判定をしたのかなど、成功点や改善点がわかりやすくなります。

また、振り返る場面では、矢印で結んだり、囲んだりするなど、発言のつながりが可視化できるように整理することも大切です。さらに、全体の流れと前述の説得力をもつ理由の観点とを再度照らし合わせることで、討論する際には、主張に説得力をもたせることが大切であることを実感できると考えます。

深い学びへ誘うヒント

説得力のある理由とは、どのようなものかという問いを単元を通してもたせ続けることが大切です。観点に沿って、自分たちの考えた理由は適切かを考え続けるとともに、実際の討論でうまくいったのかを振り返ることが、深い学びへとつながります。

『教育技術 小五小六』2019年7/8月号より

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