書道家直伝。書き初めはこう準備しよう!~苦手な子どもも上手に書ける!「書き初め」指導のポイント①

筆を使って字を書くシーンとして、誰もが思い浮かべるのはやはり「書き初め」でしょう。学ぶ気持ちも新たに、いつもより大きな半紙を使ったりする、特別なイベントでもあります。
しかし、毛筆はどうにも苦手で…という方も多いはず。そこでプロ書道家である石川香雪先生に、水書用筆の指導ポイントをお伺いしました。今回は、道具の準備と基本的な運筆のコツを伝授します。
正しい筆の持ち方から墨のつけ方、筆ならしまで、用具の正しい扱い方をおさらいしましょう。
目次
筆の持ち方/二本がけで持てば、手首が安定して元気な文字に
書道は腕だけでなく、体全体で書くものです。そうすることで、筆が大きく広がり、スケールの大きな文字を書くことができます。そのため、筆は「二本がけ」、人さし指と中指を筆にかけて持つのがおすすめです。
筆の軸の傾きに注目!
鉛筆と違い、筆はまっすぐ立てて持ちます。また、筆と手のひらは、卵1個分ほどのすき間を空けましょう。「挟んだ卵が割れないように持とうね」と声をかけると、意識しやすくなります。



筆は、鉛筆のように寝かせて持つのはNG。筆の腹で書かないように気をつけましょう。
墨汁のつけ方/墨汁で、ふっくらした筆にしよう
一度墨をつけたら、つけ直しをせず1文字を書き終えるのが理想です。途中で墨をつけ直してしまうと筆脈が切れてしまい、文字のバランスも崩れがちです。リズムにのって書けるように、墨は最初にたっぷりとつけましょう。
墨汁をたっぷりつける
最初は筆が乾燥しているので、墨汁をたくさん吸います。硯には墨汁を多めに入れ、根元までしっかりと染み込ませましょう。

穂先の流れを整える
墨汁を筆全体に染みこませたあとは、手首を左右に反らしながら穂先を整えましょう。

余分な墨を落とす
引き上げたときにぽたぽたと落ちるのは、余計に墨汁を含んでいる証拠。さらに硯の端で落とします。まっすぐ持つと、根元の墨汁が穂先に落ちて、ふっくらとした筆ができあがります。
