小4らくらくUnit 7「What do you want?」①【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】
ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 2 Unit 7「What do you want? ほしいものは何かな?」の第1時のらくらく授業の進め方です。
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学校4年生の「Let’s Try! 2」のUnit 7「What do you want? ほしいものは何かな?」全5時の1時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
【本時の目標】
アルファベットの復習をしよう。
【単元のゴール】
オリジナルピザを作り、紹介しよう。
【単元目標】
〇食材の言い方や、欲しいものを尋ねたり要求したりする表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇欲しい食材などを尋ねたり要求したりするとともに、考えたメニューを紹介し合う。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に配慮しながら、自分のオリジナルメニューを紹介しようとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
○What do you want? I want (potatoes), please. How many? (Two), please. Here you are. Thank you.
○果物・野菜(vegetable, potato, cabbage, corn, cherry)、飲食物(sausage)
[既出]What’s this? It’s (a fruit). Do you have (a pen)? Do you like (blue)? Yes, I do. / No, I don’t. I [have / don’t have] (a pen). 果物・野菜、飲食物、数(1〜60)
- 挨拶
- アルファベットの歌
- 点つなぎゲーム
- ビンゴ(本単元の表現)
- 隠れているアルファベットは何かな?
- ふりかえり
各活動の流れ
本時は、前単元とのつながりを意識して構成してあります。前時の学習内容と本単元の学習内容を1時目に扱っています。コロナ禍の休校が長かった時期に、ちょうどUnit 6のアルファベットが終わった時に冬休みに入りました。冬休み後の1時目に、全単元Unit 6のアルファベットの復習とUnit 7の What do you want? を扱ったときのものです。そのため本来は4時間扱いですが、5時間で行ったときの案です。実態に合わせて活用してください。
また、朝の短時間学習などで何回かに分けて1時目を扱っていくこともできるでしょう。私自身、今年度は担任として全教科指導しています。担任を約15年、英語専科を4年、そして再び今年度は担任をしています。朝の会の中にショートイングリッシュタイムを位置付けて、英語に毎日ふれることができるように取り組んでいます。その効果はとてもあるなと、日々感じているところです(ショートイングリッシュタイムについては、機会があればこちらでも紹介したいと思います。何かの参考になればと思っています)。
①挨拶
元気よく挨拶をして、授業をスタートしましょう。
②歌
前単元のアルファベットの歌を歌いましょう。(倍速)
③点つなぎゲーム
前時までのアルファベットと数字を扱っています。教師やALTの先生が言った英語を線で結んでいく活動です。教師はゆっくり何回かアルファベットを言うようにしましょう。音声→板書の流れになるようにしましょう。私は、このような活動の場合3回言い、3回目を言うときに一緒に板書します。
分かっても答えは言わないように最初に伝えておきましょう。もしくは途中で何度か、ペアと小声で、答えが何かを話し合わせてもよいと思います。
④ビンゴ(前単元で使っていたアルファベットカードを使用します)
前時のアルファベットの学習と本単元の表現をここで扱ってみました。参考にしてみてください。スライドをクリックすると、BINGOの文字が1文字ずつ表示されます。このときも児童にアルファベット(BINGO)を1文字ずつ質問してみましょう。前時の学習を生かすことができます。
What alphabet is this?
“B”.
Very good. How about this one?(クリック)What alphabet is this?
“ I ”.
同じ要領でN、G、Oまでテンポよく行いましょう。
Can you read this? What is this game?(とBINGO全体を指さします)
ビンゴ?
That’s right. Let’s play BINGO.
ここからBINGOゲームを活用して本時の表現を導入していきます。最初に縦・横・斜めがそろえばビンゴであることをスライドを使って伝えましょう。また、26文字のアルファベットのうち、使用するのは16文字なので、残りの10文字分はもともとカードが入っていた透明袋に戻させるとよいでしょう。
ビンゴのシートはマス目のあるものを用意しました。そこにアルファベットカードを置かせましょう。
This is your BINGO sheet.
縦BINGO is O.K. 横, 斜めBINGO is also O.K. like this.
と伝えてスライドで見せましょう。
○○(ALT), what alphabet do you want? What do you want?
I want a small w.
Oh, you want a small w.
If you have a small w, flip your card like this.
と伝え、カードを裏返しにするように動作して見せましょう。
Now, it’s your turn. What alphabet do you want? What do you want?
“k”.
O.K. You want a small k. If you have a small k, flip your card.
Who wants to challenge next? Any volunteers? Raise your hand, please.
Small u.
Very good. You want a small u. If you have a small u, flip your card.
Who wants to challenge next? Any volunteers? Raise your hand, please.
I want a small p.
You want a small p. If you have a small p, flip your card.
同じ要領で進めていきましょう。
ここで大切なことは、使わせながら言語を習得させていくプロセスです。初めての表現ですので、少しずつ教師がリキャストしながら行っていくとよいでしょう。はじめから文章を完璧に言えることよりも、活動しながら徐々に言えるようになればよいのです。長い目で見ていくことも大切ですね。
もし児童が k と答えても、教師ははじめの数回は発表したことを認め、リキャストしましょう。Excellent, you want a small k. You want a small k. 音をたくさん聞くことにより児童が次に答える時は small u のようにsmallを加えて発話するかもしれません。児童の発話が k→small u→I want a small p. のように変化していくことができるように支援していきましょう。もし、あまりにも言えてない場合などは、Let’s say it together “I want a small k.” のように児童と何度か練習を行うとよいでしょう。
避けたいのはビンゴを行う前に何十回も何十回も Repeat after me. と繰り返し、ドリルのように行うことです。長い目で少しずつ!を意識して行っていきましょう。次の時間にもウォームアップでビンゴを行います。単元の終わりに表現が言えるようになることを目標に指導していきましょう。
隠れているアルファベットは何かな?
次のようなスライドをまず見せ、ALTとデモンストレーションでルールの説明をしましょう。What alphabet is this? と児童に質問をして、表示されているアルファベットについて児童とやり取りして聞いていってもよいでしょう。
9枚のアルファベットのうしろに隠されたアルファベットは何でしょう。
○○(ALT), which alphabet card do you want?
I want a small u, please.
O.K. You want a small u card.
The u card. Here it is.
(Uカードね。どうぞ。)
といってuをクリックします。
すると以下のように隠れているアルファベットの一部分が見えてきます。
What alphabet card do you see?
(隠れているアルファベット見えるかな?)
It’s your turn. Who wants to challenge next? Raise your hand, please.
I want a small n.
同じように進めていき、児童が隠れているアルファベットが分かったなと思ったら教師が答えを児童に聞いてみましょう。
What alphabet can you see?
“m”!
That’s right. This is a small m.
と言って、スマイルのアイコンをクリックしましょう。そうすると答えが出てきます。
同じ要領で他の問題も進めていきましょう。
次時からは真ん中は答えに早くたどりついてしまうので、少しずつレベルをあげるために制限を加えていきます。本時はどこでもカードを取ってよいこととしましょう(徐々に制限を加えてレベルをあげていきます)。
⑥ふりかえり
本時のめあてから振り返りを行いましょう。児童の感想を全体で共有し、称讃しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
下記ボタンをクリックして、データをダウンロードしてください。
構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子