小1算数「たしざん」指導アイデア(1/10時)《和が10より大きい数になるたし算》
執筆/東京都公立小学校指導教諭・大村英視
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、東京都公立小学校校長・長谷豊
目次
本時のねらいと評価規準(本時1/10時)
ねらい
1位数同士のくり上がりのあるたし算の計算のしかたを考える。
評価規準
和が10より大きい数になるたし算について、計算のしかたを考え、操作や図などによって説明している。
もんだい ドッジボールを している こどもが 9にん います。なわとびを している こどもが 4にん います。こどもは みんなで なんにんですか。

(問題場面のイラストを提示し、休み時間に遊んでいる様子を想起させながら、子供とともに問題をつくっていく)
校庭で子供たちが遊んでいますね。どんな遊びをしていますか。
9人の子がドッジボールをしています。
4人はなわとびをしています。
では、問題です。ドッジボールをしている子供となわとびをしている子供を合わせると、みんなで何人になるでしょう。
分かった!
えー、難しそう。
では、まずどんな式になりますか。
9+4です。
ドッジボールをしている子となわとびをしている子を合わせるから9+4です。
では、みんなで何人いますか。
答えが10より大きくなりそうです。難しいな。
学習のねらい
9+4の けいさんの しかたを かんがえよう。
見通し
9+4の計算のしかたは何を使えば説明できそうですか。
ブロックを使って説明します。
ノートに図を描けば、説明できそうです。
式でも説明できます。
自力解決の様子
A 素朴に解いている子
9、10、11、12、13と、数えたしで答えを求める。

B ねらい通りに解いている子
ブロックや図で、10のまとまりをつくって答えを求め、表現する。

C ねらい通りに解いている子
10のまとまりをつくるために4を1と3に分け、答えを求め、図を用いて表現する。

学び合いの計画
はじめに数えたしで答えを求めた子供の考えを取り上げ、答えが13 になることを全体で確認します。答えが分かっていることで、子供は安心して計算のしかたを考えることができます。
その後、何人かの子供の発言や教師の問い返しで、10のまとまりをつくって計算する方法をブロックの操作や図などを使って共通理解していきます。
初めて出てきたアイデアに対しては、「○○さんが言ったことはどういうことかな」などと問い返し、何度も説明を重ねることで、どの子供も理解できるようにします。
また、その後、ペアで9+4の計算のしかたをブロックや図などを使って説明し合う活動を行います。
すべての子供が計算のしかたを説明する機会を意図的に設けることで、どの子供も計算のしかたを表現できるようにします。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
9+4の計算は、どうすればできるでしょう。計算のしかたを説明しましょう。
9+4は9から4増えることなので、10、11、12、13 で13になりました。
ブロックを使って考えました。9はあと1で10だから、4から1もらってきて、10と3で13になります。
4から1もらってくるというのは、どういうことでしょう。この計算のしかたを図で説明できる人はいますか。
(〇●の図を指さしながら)4は1と3に分けられるから、分けた1と9をたして10 になります。10と3をたして13です。
10より大きい数のときに描いた図を使って考えた人がいました。この図でも説明できますか。(何人かの子供に説明させる)

先ほどの考えと同じところはどこですか。
4を1と3に分けて、9に1をたして10をつくってから、10と3をたしているところです。
学習のまとめ
答えが10より大きくなるたし算も、10のまとまりをつくって10といくつのようにすれば、答えが求められることをまとめます。
評価問題
9+3の けいさんの しかたを ずなどを つかって せつめいしましょう。
子供に期待する解答の具体例

感想例
9+4は、9があといくつで10になるか考えると、簡単に答えを出せることが分かりました。
イラスト/松島りつこ、横井智美
『教育技術 小一小二』2021年10/11月号より