小6社会「わたしたちの願いと政治の働き」指導アイデア
執筆/豊島区立目白小学校主幹教諭・生沼夏郎
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、国士舘大学教授・秋田博昭
目次
目標
国や地方公共団体の政治について、政策の内容や計画から実施までの過程、法律や予算とのかかわりなどに着目して、見学・調査したり各種の資料で調べたりしてまとめ、国や地方公共団体の政治の取組を捉え、国民生活における政治の働きを考え、表現することを通して、国や地方公共団体の政治は、国民主権の考え方の下、国民生活の安定と向上を図る大切な働きをしていることを理解できるようにするとともに、主体的に学習問題を追究・解決しようとする態度を養う。
評価規準
知識・技能
①政策の内容や計画から実施までの過程、法令や予算とのかかわりなどについて、見学・調査したり、各種の資料で調べたりして、必要な情報を集め、読み取り、国や地方公共団体の政治の取組を理解している。
②調べたことを図表や文などにまとめ、国民主権の考え方の下、政治は、国民生活の安定と向上を図る大切な働きをしていることを理解している。
思考・判断・表現
①政策の内容や計画から実施までの過程、法令や予算とのかかわりなどに着目して、問いを見い出し、国や地方公共団体の政治の取組について考え、表現している。
②国や地方公共団体の政治の取組と国民生活を関連付けて、国民生活における政治の働きを考え、適切に表現している。
主体的に学習に取り組む態度
①我が国の政治の働きについて、予想や学習計画を立てたり、学習を振り返って見直したりして、学習問題を追究し、解決しようとしている。
学習の流れ(7時間扱い)
問題をつくる 2時間
- 学校の臨時休業がどのように決定されたかを調べ、学習問題を設定する。
(学習問題)
新型コロナウイルス感染症の拡大から私たちを守るために、政治はどのような働きをしているのだろう。
- 学習問題に対する予想を基に話し合い、学習計画を立てる。
追究する 3時間
- 政府が行っている取組を調べる。
- 東京都の取組を調べる。
- 豊島区の取組を調べる。
まとめる 2時間
- これまでに調べてわかったことについて話し合う。
- 話し合ったことを関係図に整理し、学習問題に対する自分の考えをまとめる。
問題をつくる
新型コロナウイルス感染症の拡大による社会への影響について話し合う。(1、2/7時間)
導入のくふう
児童が体験した臨時休校を事例に取り上げ、話し合ったり調べたりすることで、政治の働きは、国民生活と密接にかかわっていることに気付くことができるようにする。
1時間目 学校の臨時休業がどのように決定されたかを調べ、学習問題を設定する。
新型コロナウイルス感染症が広がったことで、私たちの生活はどのように変化しましたか。
感染を広げないようにするために、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が行われていました。
東京は令和4年3月21日までまん延防止等重点措置が出ていて、不要不急の外出は自粛するなど、生活の中で制限されることがありました。
感染が広がらないように、学校では、マスクの着用、検温や手洗いを必ずすることを教わりました。お店やレストランにも消毒や検温の機械が置かれるようになりました。
3年生の終わりから4年生の始めにかけては、学校を臨時休業することになり、家で学習する毎日が続いたこともありました。
学校の臨時休業は、どのようにして行われたのか、調べてみましょう。
総理大臣が、全国の学校に対して、臨時休業を依頼したのですね。
その依頼を受けて、都道府県や市区町村が、学校の臨時休業を決定したのですね。
学校の臨時休業は、国が決めて、全国に指示しているのだと思っていたけれど、都道府県や市区町村が国に協力していたのですね。新型コロナウイルス感染症から私たちを守るための政治の仕組みがこのようになっていることを知らなかったので、もっと調べてみたいな。
新型コロナウイルス感染症の拡大から私たちを守るために、政治はどのような働きをしているのだろう。
追究する
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための、政府や都道府県、市区町村の取組を調べる。(3、4、5/7時間)
話し合い活動のくふう
イラスト/横井智美