小5国語「どちらを選びますか」京女式板書の技術
今回の教材は「どちらを選びますか」です。対話を通し、どちらがよいかを決めるという学習活動を行い、対話の練習をします。板書には、「対話に使える」言葉を示します。その板書を基に考える力を育てます。
監修/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
執筆/京都女子大学附属小学校教諭・松下祐子
教材名 「どちらを選びますか」(光村図書)
目次
単元の計画(全2時間)
1 「どちらを選びますか」の教材文とCDを手がかりにして、「対話の練習」のしかたを学習する。
2 一つの問題を二つの立場から考えることができる話題(グループで考える)について「対話の練習」をする。
板書の基本
〇対話の練習「どちらを選びますか」は、「校長先生は、家でペットを飼うことにしました。休日を、ペットと過ごしたいと考えています。犬とねこのどちらかを飼うつもりですが、どちらにするかまよっているようです。」というリード文から始まっています。学習活動は、「対話を通して、どちらがよいかを決める」ということです。
〇学習活動で大事なことは、対話の進め方です。このことについて、次の学習過程を示しています。
①それぞれの立場で理由を考える。
②司会者がそれぞれのチームから意見を聞く。
③考え方がはっきりするように質疑応答をする。
④質疑応答をふまえて考えを整理し、改めて意見を言う。
板書においては、進め方を時系列で示しています。これによって、学習の全体像を理解させることにつながります。
〇具体的な話し合いは、教材であるCDを聞き、そこで話し合っている「対話」の実際、つまり「対話の練習」に役立つ言葉を見つけさせることであり、それらを使えることです。板書は、「対話に使える」言葉を示すことであり、板書を基に考える力を育てるのです。
板書のコツ(1/2時間目前半)
板書のコツ①
「どちらを選びますか」と板書し、興味をもたせるようにします。次に「めあて」を「対話の練習をする。」と板書します。ここでは、「練習」を魅力的な言葉として、子供に受け入れてほしいのです。
板書のコツ②
国語の授業は、いつも余裕がなく、本番勝負のような重さを感じている子が多いものです。正しい答えを言わないといけないと思っている子には、「練習」が魅力あります。CDを聞くときは、話し合いの進め方を習得します。進め方は、あらかじめ4枚のカードに書いておきます。カードに書くことは、授業の柱を決めておくことにもつながります。
板書のコツ③
前半の板書は、次のように黒板に貼っていきます。
まず、カード「①それぞれの立場で理由を考える。」を黒板に貼ります。次に、このカードの意味や「対話の練習」の始まりであることを理解させます。それは、話題である「犬とねこのどちらかを飼う」ことについて、「犬をすすめる」「ねこをすすめる」という立場を決めるという学習活動です。教科書の文と同じにすることで、練習という気持ちにさせる効果があります。それぞれの立場で「犬をすすめる理由」「ねこをすすめる理由」の「理由」が大事であることを板書で示します。
板書のコツ④
これからの学習活動の見通しをもたせるために、次の3枚のカード「②司会者がそれぞれのチームから意見を聞く。」「③考えのちがいがはっきりするように質疑応答をする。」「④質疑応答をふまえて考えを整理し、改めて意見を言う。」を、学習の順序がわかるように間をあけて貼ります。そのことにより、「対話の練習」に必要な要素は何かという課題が生まれます。
板書のコツ(1/2時間目後半)
構成/浅原孝子