小5算数「整数と小数」指導アイデア《ある数の10倍、100倍、1000倍の大きさの数》
執筆/福岡教育大学附属久留米小学校教諭・廣木伸幸
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一
福岡教育大学教授・清水紀宏
単元の展開
第1時 整数と小数の構成を式に表し、整数と小数のしくみを捉える。
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第2時(本時)ある数の10倍、100倍、1000倍の大きさの数を表に整理し、小数点の移動のきまりを捉える。
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第3時 ある数の[MATH]\(\frac{1}{10}\)[/MATH]、[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] の大きさの数を表に整理し、小数点の移動のきまりを捉える。
本時のねらい
数の表し方の仕組みに着目し、ある整数や小数を10倍、100倍、1000倍すると、小数点の位置がそれぞれ右へ1桁、2桁、3桁と移ることを捉えることができるようにする。
評価規準
整数や小数を10倍、100倍、1000倍にした数をつくることができる。(知識・技能)
お客様感謝デーに買い物をすると、ちゅう選でポイントが10倍か、100倍か、1000倍になるそうです。今1.98ポイントあります。ちゅう選でなんポイントになる可能性がありますか。
もともと2ポイントだったとすると、なんポイントになりそうですか。
20、200、2000のように0を付けていけばいいです。
では、1.98ポイントのときも、同じようにすればいいですか。
同じようにできそうです。
いや、同じようにできないと思うよ。
10倍、100倍、1000倍にした数をくわしく調べたい。
なるほど。では今日は、どのようなめあてにしますか。
ある数を、10倍、100倍、1000倍にした数について調べよう。
見通し
- 1.98✕□で計算する(方法の見通し)
- 位の表にまとめる(方法の見通し)
- 数の並び(着眼の見通し)
- 位(着眼の見通し)
- 小数点(着眼の見通し)
- 1.98は約2なので、約20、約200、約2000になる(結果の見通し)
自力解決の様子
A つまずいている子
10倍 →1.980
100倍 →1.9800
1000倍→1.98000
整数の場面を類推して、「数の右に0を付ける」といった方法を用いている。
B 素朴に解いている子
10倍 →1.98✕10 =19.8
100倍 →1.98✕100 =198
1000倍→1.98✕1000=1980
既習の整数✕小数の計算のしかたを用いて求めているが、小数点の移動には着目できていない。
C ねらい通り解いている子
1倍 →1.98✕1 =1.98
10倍 →1.98✕10 =19.8
100倍 →1.98✕100 =198.0
1000倍→1.98✕1000=1980.0
それぞれの倍について、小数点の移動に着目して求めている。
学び合いの計画
自力解決の段階で、1人1台端末を活用して、自他の解決方法を共有できるようにし、互いの解決方法を見合うことができるようにしておきます。
イラスト/横井智美