小1生活「もうすぐ2ねんせい」指導アイデア

執筆/神奈川県公立小学校指導教諭・川邊亮子
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典 、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫
目次
期待する子どもの姿
知識及び技能の基礎
園児との交流を通して、自分が大きくなったこと、自分でできるようになったことなどが分かっている。
思考力、判断力、表現力等の基礎
園児を迎えることを楽しみにするとともに、これからの成長への願いをもっている。
学びに向かう力、人間性等
過去の自分と現在の自分を比較し、自分のことについて考えるとともに、園児への適切な接し方を考えている。
子どもの意識と指導の流れ
(5時間)
こんな声や姿を学習につなげたいですね。

あたらしい一年生と、どんなことをするかかんがえよう(2時間)
1年前の自分を思い出し、新しい1年生が喜んでくれることは何かを考える。
一緒に遊んだら、楽しくなると思うよ。
ぼくのお気に入りの部屋に連れて行きたいな。
私たちが1年生で勉強したことを見てもらいたいな。
目指したい子どもの姿・気付き
新しい1年生が喜んでくれるように頑張ろう。
1年生になるのを楽しみにしてもらいたいね。
あたらしい1年生をしょうたいしよう
(2時間)
新しい1年生を招待する
みんなで考えたことが新しい1年生に喜んでもらえるといいですね。
国語の教科書の最初は、絵がいっぱいだよ。
じゃんけん列車を知らなかったら、教えるから言ってね。
新しい1年生は楽しんでくれるかな 。
けがをしたときは保健室の先生が手当をしてくれるから大丈夫だよ。
1年生になると、クラスで合奏もできるようになるよ。
目指したい子どもの姿・気付き
新しい1年生は最初は緊張していたよ。でもだんだんしゃべってくれるようになったよ。
楽しかったって言ってくれてうれしかったよ。
もっと一緒に遊びたかったな。
しょうたいしたことをふりかえろう
(1時間)
招待したことを振り返り、自分たちができるようになったこと等を考える。
新しい1年生が喜んでくれてうれしかったよ。
ぼくは新しい1年生が言うことを聞いてくれなかったとき、怒らないで優しくできたよ。
合奏だけじゃなくて、字も上手に書けるようになったよね。
もっといっぱい学校のことを教えたかったな。
入学してから、できるようになったことがいっぱいあるよね。
私は苦手だった縄跳びができるようになったよ。
招待してうれしかったから、2年生になったら、新しい1年生に学校のことをまた教えたいな。
目指したい子どもの姿・気付き
入学してから、できるようになったことがいっぱいあるよね。
私は苦手だった縄跳びができるようになったよ。
活動のポイント1
掲示物や作品等を活かし、1年前の自分を振り返る
1年生の子どもにとって、過去の自分を振り返るためには、具体的な手がかりを用いることが必要です。教室に掲示してある誕生日や年間の流れ、子どもが最初にかいた字や絵、入学当初の写真などから1年前の自分を振り返ることができるようにしましょう。
転入生がいる場合には、保護者と連絡を取り、入学当初の写真や作品等を借りるなどして配慮することが必要です。


活動のポイント2
新1年生のことを考えて計画を立てる
1年前の自分を思い出すことで、今の年長児が抱いている期待や不安を想像することができます。
計画を立てる際には、自分の経験をもとに、新1年生が学校を楽しみにして、安心して入学を迎えられるようにするための活動を考えましょう。
一緒に遊んだり活動したりする
子どもの思いと教師の働きかけ


子どもの反応例
ぼくは幼稚園でやったことがあるから、新1年生も知っているかもしれないよ。
知らなかったら、まず、私たちがお手本を見せればいいよね。困っていたら助ければいいよ。
子どもの思いと教師の働きかけ


子どもの反応例
私は学校がとても広くて不安だったから、1つか2つの部屋を紹介したらいいと思うよ。
先生の部屋とか、本がいっぱいある図書室とかだったら、安心するよ。
子どもの思いと教師の働きかけ


子どもの反応例
机で字や絵をかいてもらうのはどうかな。
教科書の最初のほうは絵がいっぱいだから、見てもらうのもいいよね。
これまでに学習したことを披露する




活動のポイント3
他教科・他単元等と関連させ学びを深める
これまでに学習してきたことを思い出し、新しい1年生の実態を考慮した活動等を考え、学習内容がさらに深められるようにしましょう。
他教科等で学習したことを活かす
国語
新しい1年生に伝わるように、声の大きさや速さを考えないといけないね。
音楽
音遊びが面白かったね。新しい1年生と一緒に音遊びができるかな。
図画工作
空き箱で積み木遊びができるかもしれないよ。
新しい1年生もきっと楽しんでくれると思うよ。
道徳
B:主として人との関わりに関すること
【親切、思いやり】
「身近にいる人に温かい心で接し、親切にすること」
イラスト/熊アート、横井智美
『教育技術 小一小二』 2020年2月号より