小4国語「世界一美しいぼくの村」指導アイデア

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教材名:「世界一美しいぼくの村」(東京書籍 四年下)

指導事項:読むこと(1)エ・カ 伝国 イ(オ)
言語活動:エ

執筆/京都府公立小学校教諭・吉田夏紀
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、京都府公立小学校校長・藤本鈴香

小4国語「世界一美しいぼくの村」指導アイデアのイメージイラスト

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元では、同じ作者の続編のある物語を読み、人物や描写などの表現などの細部にも注意しながら読んだり、叙述から言葉を引用して感想を伝えたりする力の育成を図ります。

また、本教材と同じ作者の続編を比べて読み、気付いた本のおもしろさを紹介し合うことで、物語をより深く味わい、読書の幅を広げようとする態度の育成もめざします。

②言語活動とその特徴

本教材は、民族どうしの戦争が続くアフガニスタンのパグマンの村に生きる少年ヤモとその家族や友達が、戦争に翻弄されながらも力強く生きる様子を描いたシリーズ作品の一つです。

「世界一美しいぼくの村」のほかに、続編となる二つの作品があります。本単元では、このような同一作者の続編のある物語を読み、その本のおもしろさを友達に紹介し合う読書会を開くという言語活動を位置付けます。

一つの物語だけではなく、同じ作者の物語の続編となる作品を関連付けて読むことで、登場人物の人物像や人物どうしの関係、物語の世界の様子などをより詳しく想像しながら読むことができます。

また、一つの物語では気付かなかった新たなことに気付いたり、よりおもしろく感じたりすることができ、この経験が、多くのシリーズ作品を読書しようとする意欲や読書生活の充実につながります。

単元の展開(13時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①読んだ本のおもしろさを紹介する読書会を行うために、同一作者の続編のある物語を読むという学習課題を設定し、学習計画を立てる。

【学習課題】同じ作者の続編のある物語も読み、読んだ本のおもしろさを友達にしょうかいする読書会を開こう

・ブックトークを聞き、続編のある物語を選んで読む。
→アイデア1 主体的な学び

第二次(2~10時)

②「世界一美しいぼくの村」を読み、感想を話し合う。

③④続編の「世界一美しい村へ帰る」を読み、二つの物語から考えたことや、よりおもしろく感じたところ、印象に残った言葉などをメモする。
→アイデア2 対話的な学び

⑤メモを基に、「世界一美しいぼくの村」と「世界一美しい村へ帰る」を関連させて読んだ感想を話し合う。

⑥続編の「ぼくの村にサーカスがきた」を読み、同じ作者のほかの物語と比べたり関連させたりして考えたことや、よりおもしろく感じたところ、印象に残った言葉などをメモする。

⑦「ぼくの村にサーカスがきた」を読んだ感想を伝え合う読書会を開く。

⑧⑨⑩同一作者の続編のある物語を複数冊読み、自分の感想や印象に残った言葉、複数冊の物語を読んで分かったことや考えたことなどをメモする。

第三次(11~13時)

⑪⑫それぞれが読んだ物語とその続編について紹介する読書会を開く。
→アイデア3 深い学び

⑬同じ作者の続編のある物語を読み、読んだ本のおもしろさを友達に紹介することができたか、学習をふり返り、自分の身に付いた力を確かめる。

アイデア1 「読みたい」「やってみたい」気持ちを高める

主体的な学び

子供たちのなかには、読書が苦手な子もいることでしょう。「一冊でも苦手なのに、今回の学習では、なぜ続編のあるシリーズ作品を複数冊読まなければならないのか」と思っている子に「このシリーズを読んでみたい」「読書会をやってみたい」という意欲をもたせる導入の工夫が必要です。

そこで、「教師による読書会のモデルの提示」と「教師や学校司書によるブックトーク」の二つの工夫をします。あらかじめ、教師たちが既習の物語で読書会を開いている様子の映像を撮っておき、それをモデルとして提示することで、学習のゴールが共有できます。

また、学校司書と連携して、ブックトークをすることで、読書の楽しさやおもしろさをどの子にも味わわせ、読書が苦手な子も読みたい本を自分で選ぶことができるようにします。

▼教師による読書会の例

教師による読書会の例

▼教師や学校司書によるブックトーク

教師や学校司書によるブックトーク

アイデア2 複数の本を読み、自分の感想や考えを視覚化して整理する

対話的な学び

一つの物語だけではなく、その物語と続編であるというような関連のある物語を読むと、比べて読むことが可能となり、発見したことや関連させて読むよさに気付くことがあります。

そこで、一冊目と二冊目で色の違う付箋やカードを使って新しく分かったことや感じたことをメモするようにします。自分の考えの変化や広がりを視覚化していくことで、一人ひとりの考えが明らかになり、物語をより深く味わうことにつながります。

▼1冊目

自分の感想や考えを視覚化して整理する(1冊目)

▼2冊目

自分の感想や考えを視覚化して整理する(2冊目)

アイデア3 自分の考えや本のおもしろさを紹介する

深い学び

自分が読んだ同じ作者の続編のある物語について紹介する読書会を開くときには、同じシリーズ作品を読んだ友達とグループになったり、違うシリーズを読んだ友達に自分の選んだ本を紹介したりと、グループの組み方を工夫しましょう。

グループの組み方を工夫しましょう。

同じシリーズ作品を読んでいても、最も紹介したい一冊が違ったり、その本のおもしろさが違ったりすることに気付くことができます。また、違うシリーズを紹介し合うことによって、新たな本の魅力に気付くことにもつながります。

▼「車のいろは空のいろ」シリーズのグループ交流

私は、「山ねこおことわり」を紹介します。○○さんが言ったように、このお話でも松井さんの優しい性格が感じられるところがあります。

「白いぼうし」を紹介します。なぜなら、中心人物の松井さんの優しさがたくさん見付かるお話だと感じたからです。例えば…。

私は、続編のある物語を初めて読んだのですが、たくさんのお話を読むと、タクシー運転手の松井さんが走っている町の様子がどんどんつながってきて…。

イラスト/やひろきよみ 横井智美

『教育技術 小三小四』2019年12月号より

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