小3国語「はりねずみと金貨」指導アイデア

教材名:「はりねずみと金貨」(東京書籍 三年下)

指導事項:「読むこと」エ、カ
言語活動:エ

執筆/香川県公立小学校教諭・高橋直美
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、香川県公立小学校校長・川井文代

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元では、目的や必要に応じて、分量や元の文章の構成、表現の生かし方などを考えて要約する力を付けます。

また、友達どうしでおもしろかった本の紹介をすることで、読書への関心を高め、学級における子供の読書生活を充実させることをねらいます。

②言語活動とその特徴

本単元では、いろいろな国や地域の物語を読み、その中から自分の好きな物語を友達に紹介する目的のために、あらすじを書くという言語活動を設定します。

好きな物語を紹介するには、内容を短くまとめて伝える必要があります。物語の中から伝えたい出来事や表現を考えながらあらすじを書くことで、要約する力を身に付けます。

また、あらすじを紹介するために、いろいろな世界の物語を読んで、紹介したい本を見付けることで、読書の範囲を広げることができます。

単元の展開(12時間扱い)

主な学習活動

第一次(1~2時)

①②物語の紹介を聞いて、自分の好きな物語を紹介するためにあらすじを書くことに意欲をもつ。
→アイデア1 主体的な学び

【学習課題】いろいろな国や地域の物語を読み、好きな物語のあらすじを紹介しよう

第二次(3~10時)

③④⑤⑥⑦「はりねずみと金貨」を読んで、場所や人物から出来事を整理し、あらすじを捉える。
→アイデア2 対話的な学び

⑧⑨⑩自分が選んだ物語について、あらすじを書く。

第三次(11~12時)

⑪⑫あらすじカードを読んで、友達が紹介する本を読み合う。

アイデア1 物語を紹介するためには、あらすじをまとめることが必要であることに気付く

主体的な学び

単元のはじめには、物語の紹介には、「登場人物」「あらすじ」「感想」が必要であることに気付かせます。そして、「登場人物」「あらすじ」「感想」の三つを入れた紹介の例を提示し、分かりやすく紹介するために、あらすじについてまとめる学習をすることを確認します。

▼物語の紹介例

【登場人物】
このお話には、もうすぐ正月というのに、おもちすら買うことのできないくらしをしていたおじいさんとおばあさんが出てきます。

【あらすじ】
大みそかに、おじいさんは作ったかさを売りに町へ出かけましたが、まったく売れませんでした。しかたがないのでおじいさんはかさを持って家に帰るとちゅう、頭に雪がつもったお地ぞうさんに気付きます。

おじいさんは、地ぞうの頭の雪をはらって、売れ残ったかさを地ぞうの頭にかぶせてあげました。その夜、おじいさんとおばあさんが寝ていると何やら不思議な声が聞こえてきました。

【感想】
さあ、この後、おじいさんとおばあさんはどうなったでしょう。心があったかくなるお話です。ぜひ読んでみてください。

登場人物や感想だけの紹介で、おもしろさは伝わりますか。

それだけでは、よく分からないです。でも、あらすじがあると、どんな本かよく分かるので、読んでみたくなります。物語の紹介には、あらすじが必要なことが分かりました。

アイデア2 あらすじのまとめ方について話し合う

対話的な学び

二次では

①場面ごとにあらすじをまとめる
②場面ごとのあらすじから全体のあらすじをまとめる
③目的や相手に合ったあらすじに書き直す

という三段階で紹介するためのあらすじをまとめていきます。

▼①場面ごとのあらすじの例

イラスト/やひろきよみ 横井智美

『教育技術 小三小四』2019年12月号より

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