小3国語「たから島のぼうけん」指導アイデア

教材名:「たから島のぼうけん」(光村図書 三年下)

指導事項:「書くこと」イ、オ
言語活動:ア

執筆/香川県公立小学校教諭・高橋直美
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、香川県公立小学校校長・川井文代

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元では、ひとまとまりの内容を構成する段落の役割を理解するとともに、自分の考えが明確になるように段落相互の関係などに注意して文章を構成する力を身に付けます。

「はじめ」「中」「終わり」という文章の構成、特に「中」の展開を考えることで、段落の役割や相互関係に注意して文章を書く力が身に付きます。

②言語活動とその特徴

本単元では、宝物を探しに行くという一枚の絵地図から、「はじめ」「中」「終わり」の構成で物語を作り、読み合うという言語活動を設定します。物語のおもしろさには、登場人物を中心とする設定や展開、表現方法の工夫が大きく関係してきます。

ここでは、「中」の文章で書かれている物語の、出来事が起こり、解決するという展開のおもしろさを中心に構成を考えていきます。そして、冒頭部の設定や終末部との関係に気を付けて冒険物語を書くことで、段落相互の関係に注意して文章を構成する力を身に付けます。

単元の展開(8時間扱い)

主な学習活動

第一次(1~2時)

①②今までに知っている冒険物語について話し合い、わくわくどきどきするための物語の工夫について考える
→アイデア1 主体的な学び

【学習課題】わくわくどきどきする冒険物語を書こう

第二次(3~7時)

③一枚の地図を見て、「どんな出来事が起こり、解決していくか」という展開に
ついてグループで考えを出し合う。
→アイデア2 対話的な学び

④事件カードや解決カードを基に、「はじめ」「中」「終わり」の構成メモを書く。

⑤⑥構成メモをふくらませて物語を書く。

⑦グループで読み合い、アドバイスをして推敲する。

第三次(8時)

⑧できあがった物語を読み合い、感想を交流する。
→アイデア3 深い学び

アイデア1 冒険物語について話し合い、わくわくどきどきする物語にするためには、展開の工夫が大切であることに気付く

主体的な学び

▼板書の例

板書の例
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「ももたろう」は、犬など、どんどん仲間を増やしていったところがおもしろかったね。

穴に落ちたら不思議な世界に入った話もあったね。

展開のおもしろさがたくさん見付かったね。展開を工夫すると、わくわくどきどきする物語が書けそうだね。

「仲間が増えていく」や「不思議な世界へ行く」おもしろさというのは、物語の展開のおもしろさですね。

アイデア2 物語の「中」の「出来事が起こり、解決する」という展開を考える

対話的な学び

二次では、冒険物語の展開についてグループで話し合います。冒険物語の展開には、仲間を集めて戦うものや、不思議な世界へ行くもの、事件を解決する作戦に特徴があるものなどさまざまなものがあります。

その展開のパターンを集め、カードにします。いろいろなアイディアをみんなで考えることで、もっとおもしろい展開へと想像をふくらませることができます。

また、創作することに抵抗がある子供も、グループで出てきたアイディアから自分が書きたいものを選ぶことで活動が広がるでしょう。

▼事件カード、解決カードの例

イラスト/佐藤道子、横井智美

『教育技術 小三小四』2019年12月号より

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