小1生活「なつとあそぼう」指導アイデア
執筆/神奈川県公立小学校教諭・荒木佳美
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典 、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫
目次
期待する子どもの姿
知識及び技能の基礎
季節によって自然の様子や生活の様子が変わることに気付くことができる。
思考力、判断力、表現力等の基礎
夏ならではの遊びや、身近な自然の違いや特徴を見付けている。
学びに向かう力、人間性等
自然との触れ合いの中で気付いたことを生活に生かし、自分の生活を楽しくしようとしている。
子どもの意識と指導の流れ
(8時間)
こんな声や姿を学習につなげたいですね。



あめの ひの ようすを はなそう(1時間)
●梅雨の時期の外や生活の様子に関心をもつ。


目指したい子どもの姿・気付き

あめの ひ たんけんに いこう(1時間)
●雨の日探検に行く。



目指したい子どもの姿・気付き

はれの ひ たんけんに いこう(2時間)

●雨の日と晴れの日を比べる。


目指したい子どもの姿・気付き

みずや すなで あそぼう(3時間)
●水でっぽうやシャボン玉、砂で遊ぶ。



目指したい子どもの姿・気付き

たのしかった あそびを しょうかいしよう(1時間)
●楽しかった遊びを紹介する。


目指したい子どもの姿・気づき

活動ポイント1
子どもの思考の流れに沿って単元を始める
普段から子どもたちの様子を観察し、子どものつぶやきをキャッチして、単元を始めるタイミングを工夫しましょう。天気や自然の様子に子どもたちの関心が向くように、雨を題材にした絵本を読み聞かせしたり、カタツムリなどの歌を歌ったりしておくことも効果的です。
〇子どもたちのつぶやきを逃さない

○子どもたちの関心を天気や自然に向ける

活動ポイント2
多様な活動を取り入れ、気付きの質を高める
生活科は、子どもが身近な環境と直接関わる活動や体験の中で生まれる気付きを大切にします。雨の日や晴れの日の探検や水や砂を使う遊びの中で生まれた気付きの質が高まるよう、「試す」「見通す」「工夫する」「見付ける」「比べる」などの多様な活動を取り入れましょう。
〇気付きを促し、自覚するように
試す
子どもの思いと教師の働きかけ

○○さんのやり方を見てごらん。 道具を変えてみたらどうかな。
子どもの反応例
「ゆっくり吹いてみよう!」
「こっちの道具を使ったら、大きくなったよ」
「もっと大きな丸い道具をつくって、大きなシャボン玉にしてみたい」
見通す
子どもの思いと教師の働きかけ

砂を固めたら崩れなくなりそうだね。どうしたらいいかな。
子どもの反応例
「砂をとんとんと叩くと、固くなるよ」
「水をかけると固まるんじゃないかな」
「崩れなくなったら、もっと長いトンネルがつくれるね」
工夫する
子どもの思いと教師の働きかけ

子どもの発想をイメージして、材料や道具コーナーを準備しておく。
子どもの反応例
「小さいストローをたくさんくっ付けて、 いっぱいできるようにしたよ」
「毛糸を巻いて長持ちするようにしたよ」
〇季節の変化に気付くように
見つける
• 春の探検の写真を掲示する。
• 気付いたことを絵や文字で残しておく。

比べる
• 春と同じ場所を探検する。
• 探検のポイントを示す。
…色・暖かさ・大きさや数・見付けた生き物の違いなど。

〇友達との関わりから気付くように
• 教え合いや協力を促す働きかけを。

活動ポイント3
他の単元や教科等と関連させて、指導の効果を高める
雨の日の楽しさを味わったり、夏の楽しい遊びを体験したりして生まれた気付きを生かし、生活を豊かにするためにも、他の単元や教科等と関連させて指導の効果を高めることが大切です。
〇他教科等の学習と意図的に関連させ、学びを深める
国語
発見したこと、気付いたこと、楽しかったことなどを、夏の日記に書いて紹介する。

体育
「水で遊ぶのって、気持ちいいね」
「プールでの 水遊びも、思いっきり楽しみたいな」

道徳
「砂場で遊んだ後は、次に使う人のために元通りに戻さなきゃね」
「みんなで使う場所だもんね」

イラスト/熊アート
『教育技術 小一小二』2019年7/8月号より