小6らくらくUnit 6「Let’s think about our food.」③【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

2024年度教科書改訂に対応した記事もあります。
小6らくらくUnit 6「Save the animals.」①【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 6「Let’s think about our food. ~食材を通じて世界のつながりを考え、メニューを発表しよう~」第3時(いろいろな国の食べ物の出生地がどこか考えよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 6「Let’s think about our food. ~食材を通じて世界のつながりを考え、メニューを発表しよう~」全8時の3時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

単元のゴール
食材を通じて世界のつながりを考え、メニューを発表しよう。
○本時の目標
いろいろな国の食べ物の出生地がどこか考えよう。

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉

I ate~. I usually eat ~. ~ is from…. ~ is in the… group. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
世界と日本との関係を知るために、食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
世界と日本との関係を知るために、食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、海外の国について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、簡単な語句や基本的な表現を理解している。
〈技能〉
食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、書かれた英文を理解する技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
世界と日本との関係を知るために、食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味が分かり、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
世界と日本との関係を知るために、食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味を分かろうとし、声に出して読もうとしている。

【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉

I ate~. I usually eat ~. ~ is from…. ~ is in the… group. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、I ate~. I usually eat ~. ~ is from…. ~ is in the… group. およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
世界と日本との関係を知るために、食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
世界と日本との関係を知るために、食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、地産地消カレーについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉

食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、英文の語順などを理解している。
〈技能〉
食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、例文を参考に書く技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
世界と日本との関係を知るために、食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
世界と日本との関係を知るために、食材を通じた世界のつながりや食べ物の栄養素などについて、例文を参考に書こうとしている。

○言語材料
(表現)
What did you eat for ~? I ate ~. I usually eat ~. ~ is from…. ~ is in… group. など
(語彙)食べ物(rice など)、食事(breakfast など)、食材(pork など)、果物・野菜(broccoli など)

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. 単元のゴール、本時のめあての確認
  3. Small Talk
  4. デジタル教科書 Starting Out ③
  5. Let’s Listen ①
  6. デジタル教科書 Sounds and Letters
  7. フォニックス
  8. アルファベットテスト
  9. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に挨拶をして、What ○○ do you like? Are you ~? Do you ~? Can you ~? などの既習の簡単な質問をしてみましょう。第1時に紹介したクリスクロスという活動を取り入れてもよいと思います。

②単元のゴール、本時のめあての確認

単元のゴールと本時のめあてを確認しましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

③Small Talk

教科書P50ページに載っている Small Talk のトピック What do you usually eat for breakfast? で、児童同士がやり取りを行います。

まずは本時のやり取りを、教師の自己開示を含めてALTとデモンストレーションを行いましょう。次に教師と児童で行います。最後に児童同士でやり取りを行います。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

ペアを替えて何度か行ったら、教師は、やり取りをしていて困ったことはないか児童に問いましょう。児童が表現したいことや伝えたいことがあり、それらが既習事項から引き出せるようであれば、全体に問い、思考させます。児童の言いたいことが既習事項から引き出すことができない場合は、ALTや教師が個別に伝えます。その際も、他の児童が分かるようなシンプルな表現にする配慮が必要となります。

上記のスライドのような形で提示をすると、児童は1品だけでなく、複数のものを食べているなどと伝えてくることもあるでしょう。その場合も and の使い方などを確認するよい機会となります。既習事項をスパイラルに繰り返すことで、学習内容の定着につながります。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

この後に What do you usually eat for dinner? ( lunch, snack time) など、ちょっとした変化を与えて Small Talk を行うこともできます。実態に合わせて行ってください。

④デジタル教科書 Starting Out ③(P50)

デジタル教科書のStarting Outです。ワークシートを活用しながら進めていきましょう。

ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

Starting Out は、ある程度まとまった英語を聞いて、おおよその内容をつかませることを目標にしています。前時では、No.2の問題に取り組みました。本時はNo.3を行いましょう。リスニングの1回目では、どんな単語が聞こえたか、分かったことや気付いたことを発表させましょう。2回目は、ワークシートの質問をリスニングの視点として与えてから聞かせます。

⑤Let’s Listen ① (P52)

登場人物が食べたものや食材について聞いて、そのうちの1つの絵カードを□に置く活動です。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

No.1とNo.2は、音声を聞かせてから児童にカードを置かせ、答え合わせを行います。No.3は○○産を表す、~ from が多く使われており、英語も長くなっているので、何度か聞かせましょう。

No.3→I ate salmon and vegetables curry last night.  The salmon was from Norway, the carrots from Hokkaido, the onions from Awaji-shima, and the eggplants from Kochi.

本単元のゴールで児童が使う表現なので、~ from の表現により慣れ親しむことができるように指導していきましょう。

No.3の答え合わせを終えたら、次は食べた物ではなく、「○○産」に児童が意識するように視点を与えてから、再度No.3の内容を聞かせましょう。英語で行う場合は、以下のように行ってみてはいかがでしょうか。

Now, I have four questions. Where were all those food from?
No.1 Where was the salmon from?
No.2 Where were the carrots from?
No.3 Where were the onions from?
No.4 Where were the eggplants from?
Let’s talk about it with your friends.

リスニングの前にペアで話をさせることも有効な手立てとなります。そのほうが、何を聞き取ればよいかをペアで明確にすることができます。教師も、英語での指示で理解が難しかったペアへ、個別の支援を行うことができます。また、聞き取りが苦手な児童は、先に1つや2つの食べ物の産地を知ってから残りの産地を聞けばよいと伝えると安心することができます。

Let’s listen to No.3 one more time.

No.3をもう一度聞かせます。

Let’s check the answers.
Where was the salmon from? The salmon was from??

ノルウェー

残りの3問も児童とやり取りをしながら進めましょう。

指導書には、was, were について次のような説明があります。
「過去に食べたもの(食材)そのものがどこから来たのか」については was/were という過去形の表現になり、一般的に言うときや「まだ食べていないもの」の場合は is/are という現在形の表現になる。児童から聞かれた場合は上記の内容を伝えてもよいが、この単元の活動は学習上の配慮から、聞く活動以外は基本的にis /areを使えばよいと指導する。」

⑥デジタル教科書 Sounds and Letters(P92)

教科書の巻末にある Sounds and Letters です。短時間の積み重ねを大切にしましょう。私はYouTubeのフォニックスをいっしょに児童と行ってから Sound and Letters を行います。本時はuのフォニックスとQuiz⑥の問題に取り組みましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

⑦フォニックス

児童の興味・関心を高めながら、児童が「自分で読めた喜び」を少しでも感じられるような指導法をご紹介します。

児童はこれまで、アルファベットのAエーBビーなど「名前読み」とともにaア、bブ、cクという「音読み」を少しずつ積み重ねて学習してきました。一通りのフォニックスの音を学習したので、ここで音と文字をくっつけて読む活動を行います。

私は、少しでも児童が興味をもって活動ができるように、ポケモンの名称を取り入れてみました。数年前にいっしょに働いていたアメリカ人のALTと日本のアニメについて話していたときに、ポケモンの中には英語名と和名が大きく異なるものがあることで、話が盛り上がりました。和名と英語名が変わらないPikachuのようなポケモンもいますが、現在は1000種類以上のポケモンが登場していて、英語名と和名の違いからフォニックスに使えるポケモンもいるのではないかと考えたのです。

授業では、ポケモンのイラストを見せます。例として「ベドベトン」のイラストを提示した場合、次のように進めます。

(ベトベトンのイラストを見せながら)What Pokemon is this?

ベトベトン!

That’s a Japanese name.  It’s different in America.

ここでALTが英語名の「Muk」の文字を児童に見せます。児童は「ムックだ!」と言います(笑)。当然の発想といえば当然ですよね。

次に、ワークシートを配付してMukと真似して書き写させます。

ここからは協働で学習を進めた方が効果的なので、グループになって行いましょう。フォニックスの音を想起させ、音と文字をくっつける活動を行います。

まず、今まで何度も聞いてきたYouTubeのフォニックス動画でm,u,kの音を一緒に言わせます(可能であれば、m,u,kのフォニックス動画をつなげて見せられるようにするといいですね)。動画で音を確認したら、m, u, k の音のみを確認していきます。最後にグループで、Mukをどのように読めばよいか話し合わせます。班ごとに発表をした後に、ALTに読んでもらいます。当たった児童は大喜びでした。

次に、cup の文字のみを提示します(ここではイラストを先に提示しないように注意してください。そして「読める人は声に出さないでね」と伝えましょう)。同じ要領で以下のように進めます。

ワークシートへの書き写しYouTubeのフォニックス c,u,p の音のみ言うグループで考える

Mukcup の発音が共通していることを理解することを通して、学習の定着が図れると思います。

※記載してあるカタカナ表記はあくまでも参考にする程度としてください。正しい音をカタカナで表記することはできません。
※パワーポイントには、ポケモンのイラストは入っていません。書籍やインターネット等を活用して提示するなどしてください。

⑧アルファベットテスト

ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

アルファベットのテストは定期的に年間を通じて行うとよいと思います。小学5年生で大文字・小文字を少しずつ学習してきました。6年生では中学校に向けてしっかりとアルファベットを書けるようにしていきましょう。

書くことに関しては、学習指導要領では「慣れ親しむ」と記載されていますが、アルファベットは書くことができることが求められています。

⑨ふり返り

本時の学習をふり返り、全体で共有をしましょう。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。


本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。


パワーポイント(スライド)ダウンロード

6年Unit6-3パワーポイント(36スライド)、ワークシート(2点)

パワーポイント見本
Starting Out 3ワークシート
キャラクターでPhonicsワークシート
アルファベット大文字テストワークシート

※購入日の翌日を1日目と数えて30日目いっぱいまでご利用いただけます。購入履歴(日時)は マイページにてご確認いただけます。
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特定商取引法に基づく表記>>

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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