小6算数「量の単位(1)」指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校教諭・天野翔太
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫
目次
本時のねらいと評価規準
(本時 1/6 単元の導入)
ねらい
基本単位の前につく「k(キロ)」などの文字(以下、接頭語という)の意味について理解する。
評価規準
これまでに学習した量の単位の仕組みを統合的に捉え、新しく出合う単位の意味について理解している。(知識・技能)
問題
下の㋐~㋒の量を表すのに、どのような単位を使いますか。□にあてはまる単位を書きましょう。
どのような単位が入りますか。
㋐は㎝、㋑はgです。
㋒は何の単位が入るのかな。
かさだからL が入ると思うけど、8L では少なすぎると思う。
8mL だと、もっと少なくなってしまうね。
実は㋒には、「kL」という単位が入ります。何と読むか予想できますか。
かさの単位だから、「L」は「リットル」だよね。
㎞や㎏で見たことがあるから、「k」は「キロ」と読むのかな。
「k(キロ)」は、かさの単位にも使うのかな。
「kL」と「L」は、どのような関係になっているのでしょうか。
本時の学習のねらい
これまでに学習した量の単位をもとにして、「k(キロ)」の意味について考えよう。
見通し
問題提示では、kL の読み方を子供に予想させていますが、これは、読み方を予想することを通して、一文字ずつに着目し、単位の構成の仕組みに意識を向けさせたいからです。
子供にとって、k(キロ)は、長さや重さの単位で使われてきた接頭語であるものの、㎞、㎏というように1つの単位として理解しています。見通しでは、これまで学んだ㎞、㎏について触れる程度にとどめておき、既習事項である㎞とm との関係、㎏とg との関係を比べることで、「同じ関係がありそうだ」ということを子供たち自身に気付かせましょう。そのためには、既習事項を学習コーナーなどにまとめておくなど、子供が単位間の関係に着目しやすいよう工夫が必要です。
また、1mL や1L、1kL の大きさをコップやバケツを用いて示しておき、量感を持たせておくことも量の大きさを予想する基となります。
自力解決の様子
A つまずいている子
単位間の関係を統合的にみることができていない。
「k」は長さと重さ、「L」はかさだから……。
B 素朴に解いている子
L とkL の関係を式に表している。
1kL = 1000Lということだね。
C ねらい通りに解いている子
既習の単位の関係から類推し、「k」の意味を考えている。
1㎞= 1000m、1㎏=1000g だから、「k」は「1000 倍」という意味ではないかな。
学び合いの計画
イラスト/やひろきよみ
『小六教育技術』2019年1月号より