小4算数「小数のかけ算わり算」指導アイデア

執筆/福岡県公立小学校教諭・井田貴之
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏

本時のねらい(本時15/16時)

数を構成する単位に着目し、一方のテープの長さが他方のテープの何倍にあたるかを考える活動を通して、小数倍の意味について理解する。

評価規準

簡単な小数倍の場面について、一方のテープの長さが他方のテープの何倍にあたるかを除法の式で求めることができるとともに、その意味を図で説明することができる。(知識・技能)

問題
長さのちがうリボンがあります。
(1)白のリボンの何倍が黄のリボンの長さですか。
(2)白のリボンの何倍が赤のリボンの長さですか。

問題

まず、10㎝の何倍が20㎝かという問題(1)を取り上げ、2倍がもとにする量10㎝の2つ分であることをテープ図を使って確認します。

次に、10㎝の何倍が12㎝かという問題(2)を提示し、整数倍で表すことができないことに気付かせ、本時の学習のねらいを導き出します。

見通し

小数倍で表すことについて見通しをもたせるために、12㎝が10㎝の1倍と「少し」であることに着目させ、「少し」の部分を□倍と表すにはどうすればよいかと発問します。また、テープ図で0.1倍を表すことにつなげるために「図の目盛りを細かくする」「10等分」などの発言を取り上げ、板書しておきます。

赤のリボンは白のリボンの何倍ですか。
(図2を提示)

図2

ぴったり1倍、2倍じゃないから、白のいくつ分と言いにくいです。

1倍より大きいけど、2倍よりは小さそうです。

小数で表すとよいと思います。

「少し」の部分を、小数を使って□倍と表すことを考えていきましょう。
(子供とのやりとりをもとに、「図の目盛りを細かくする」「10等分」「小数」などを板書しておく。)

学習のねらい

1倍と「少し」を、□倍と表す方法を考えよう。

自力解決の様子

A つまずいている子
12-10=2として、長さの関係を倍で捉えられない。

B 素朴に解いている子
12÷10=1.2
1.2倍
計算だけで倍を求めている。

C ねらい通り解いている子
テープ図の0から1倍までの目盛りを10等分します。
白の1㎝が0.1倍になるから、12㎝は、0.1倍が12個で、10㎝の1.2倍になります。
1.2倍

学び合いの計画

イラスト/横井智美

『教育技術 小三小四』2021年12/1月号より

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