小1国語「てがみで しらせよう」指導アイデア

教材名:「てがみで しらせよう」(光村図書 一年下)

指導事項:〔知識及び技能〕(1)キ 〔思考力、判断力、表現力等〕B(1)ウ・エ
言語活動:イ

執筆/東京学芸大学附属小金井小学校教諭・小野田雄介
編集委員/文部科学省教科調査官・大塚健太郎、東京学芸大学附属小金井小学校教諭・成家雅史

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

自分が書いた文章を読み返し、間違いを正したり、語と語や文と文との続き方を確かめたりする力を育てます。これまでの学習で、1~3文程度の文を書く力を身に付けてきた頃だと思います。本単元では、自分が書いた文章について読み返す場を設定して、文章を読み返す習慣を付けていけるようにしましょう。

読み返す際は、ただ読むのではなく、「間違いを正したり、語と語や文と文との続き方を確かめたりする」という目的意識をもたせることがポイントになります。

② 言語活動とその特徴

「読む人のことを考えて手紙を書く」という言語活動を設定します。手紙には、もらう相手がいるという特徴があります。書いた文章を読み返す習慣を身に付けていくために、この「相手」の存在を意識させたいところです。

一年生でも、手紙をもらったことのある子は一定数いると思います。なかには書いたことがある子もいるでしょう。まずはそうした子の体験にみんなで耳を傾け、「手紙をもらうって、うれしいことなんだな」「手紙を書いてみたいな」という気持ちをもたせていきましょう。

また、手紙には相手の名前と自分の名前を書く、ていねいな言葉で書くなどの、ある程度の様式がありますが、どうしてそのように書くのか、考える場をもつとよいでしょう。平安時代には既に「文(ふみ)」という言葉がありました。手紙には長い歴史があります。

SNSなどの発達で、人々の生活からなじみが薄くなっているかもしれませんが、本学習を通して、そのよさが見えてくるとよいですね。

単元の展開(6時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

◎これまでの経験をふり返り、学習の見通しをもつ。
・手紙を書いたりもらったりした経験をふり返り、学習の見通しをもつ。
→アイデア1 主体的な学び

【学習課題】読んだ人がうれしくなる手紙を書こう。

第二次(2~5時)

◎知らせたいことと、相手を決めて手紙を書く。
・知らせたいことと、相手を決める。
・教科書の例文を読んで、手紙の書き方について考える。
→アイデア3 深い学び

・手紙の書き方を基に、手紙の下書きを書く。
・観点に沿って、下書きを読み返したり、友達と読み合ったりして、手紙を推敲する。
→アイデア2 対話的な学び

・推敲した手紙を基に、清書をする。

第三次(6時)

◎書いた手紙を読み合い、感想を伝え合う。
・友達の手紙の内容や書き方でよいところを見付けて、感想を伝え合う。

アイデア1 「手紙体験」をふり返り、手紙を書きたいという思いをもたせる

主体的な学び

単元のはじめに、手紙をもらったことがある子の話を聞いてみましょう(可能ならば、事前に伝えて実際にもらった手紙を持ってきてもらうと、授業へのわくわく感が高まります)。

その際、もらったときの気持ちも聞いてみましょう。きっとさまざまな言い方で、そのときの喜びを話してくれると思います。この段階で、手紙には相手をうれしくする力があることを押さえておきましょう。

手紙を書いたことがある子供の話も聞いてみましょう。もちろん、教師自身がもらってうれしかった手紙の話もできるとよいですね。

また、子供たちの声を板書していくと、手紙は書く人と読む人が明確なこと、また伝えたいことがあって書いていることなどの、手紙の特徴が見えてきます。これまでの学習と結び付けながら、本単元の学習課題や見通しをもたせていきましょう。

単元のはじめに、手紙をもらったことがある子の話を聞いてみましょう。

もらってどんな気持ちでしたか。

おばあちゃんの気持ちが伝わってきて、うれしかったです。

手紙をもらうってうれしいんだな。

アイデア2 視点を意識して、友達と手紙を読み合う

対話的な学び

手紙を書き終えたら、読み返す場を設定します。本単元で身に付けたい資質・能力に大きくかかわる場面です。なぜ読み返すのか、子供たちが必要感をもてるように授業を運びたいところです。

▼教師が書いた手紙の下書き

教師が書いた手紙の下書き

手紙の下書きができました。

なんだかおかしいな。

これじゃあ、分からないよ。

上の(傍線部が意図的な修正箇所)のように、教師が書いた手紙の下書きを子供たちに見せてみましょう。子供たちからはさまざまな声が聞こえてくると思います。それらを板書で整理していくと、大きく二つの推敲の視点が見えてきます。

①書き方:
か→ですか(丁寧語)
ぼくが→ぼくは(助詞)
ますたの…→ます。たの(句読点)

②主語と述語のねじれ:
けんだまで…→けんだまであたらしいわざができるようになりました。

①や②のような視点をもたせることで、自然と書いた文を読み返していくでしょう。友達と手紙を読み合うことで対話的な学びにもなっていきます。

アイデア3 内容のまとまりを考えて手紙を書く

深い学び

手紙の書き方は、大人にとっては当たり前でも、一年生にとってはそうではないかもしれません。これまで書いた文章を思い起こさせながら、読む人がうれしくなるような手紙の書き方を考えてみましょう。例えば、「先生が書いた手紙です」と言って、下のような文を示してみましょう。

ぼくは、けんだまで、とめけんというわざができた。

子供たちから「これは手紙じゃないよ」というような声が聞こえてくるでしょう。そうしたら、どうして手紙ではないと思うのか、子供たちに聞いてみます。子供たちは、これまでの体験を基に、手紙の特徴を話し出すはずです。

手紙には、「○○へ」って書くよ。あとの自分の名前も!

ていねいな言葉のほうが、もらった人はうれしいと思うな。

このままだと短いから、思ったことも書くといいと思うよ。

これらの発言を板書で整理しながら、どのように手紙を書いたらよいのか、まとめていきましょう。伝えたい出来事や、そのときの気持ちなど、書く内容にはまとまりがあることに気付かせていけるとよいですね。

イラスト/川野郁代、横井智美

『教育技術 小一小二』2021年12/1月号より

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