小5外国語 Unit 5 「Where is the post office?」指導アイデア①

特集
1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」
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文部科学省視学官の監修による、小5外国語科の授業案です。1人1台端末を活用した活動のアイデアも紹介します。今回はNEW HORIZON Elementary 5 Unit 5 「Where is the post office? 龍馬の生まれたまちを紹介しよう」の単元の第1時~第4時を扱います。

執筆/高知県公立小学校教頭・南 博子
監修/文部科学省視学官・直山木綿子
監修/高知県教育委員会事務局指導主事・江渕由紀

単元と活動

Where is the post office?(NEW HORIZON Elementary 5 Unit 5)
龍馬の生まれたまちを紹介しよう

単元の目標

坂本龍馬(地域を代表する偉人)の生まれたまちのよさを友達やALTによく知ってもらうために、地域のおすすめのお店や建物などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、自分の考えや気持ち、伝えたいことなどを含めて話したりすることができる。

単元の評価規準

聞くこと(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

●知識・技能
〈知識〉

Where is ~? Go straight for ~ block(s). Turn left/right. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
場所や位置の尋ね方や答え方などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分の知りたい場所や位置を尋ねたり、相手を案内したりするために、場所や位置の尋ね方や答え方などを聞き取っている。
●主体的に学習に取り組む態度
自分の知りたい場所や位置を尋ねたり、相手を案内したりするために、場所や位置の尋ね方や答え方などを聞き取ろうとしている。

話すこと(発表)(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

●知識・技能
〈知識〉

Go straight for ~ block(s). You can see it on your left.などを用いて、お互いの情報や考えなどを表す表現について理解している。  
〈技能〉
Go straight for ~ block(s). You can see it on your left.などを用いて、お互いの情報や考えなどを含めて話す技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
龍馬の生まれたまちのよさを友達やALTによく知ってもらうために、地域のおすすめのお店や建物などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、自分の考えや気持ち、伝えたいことなどを含めて話している。
●主体的に学習に取り組む態度
龍馬の生まれたまちのよさを友だちやALTによく知ってもらうために、地域のおすすめのお店や建物などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、自分の考えや気持ち、伝えたいことなどを含めて話そうとしている。

【本単元で目指すゴールの活動時のb基準の姿】
Hello. You are here. Go straight. Turn right.  
You can see it on your right.
This is Ryoma’s birth place. Ryoma is samurai. He can do kendo well. I like kendo.

教材

  • 『NEW HORIZON Elementary 5』(児童用テキスト・デジタル教材)
  • ワークシート
  • 振り返りカード

授業のポイント

この単元では、ALTの先生に地域を道案内しながらおすすめの場所を紹介します。前の単元は、他者のことを紹介する学習でしたが、本単元は今まで学習してきたことを生かして地域の紹介を行います。また、ただ紹介するだけではなく「相手意識」をもたせ、「相手が知りたい情報か」「伝わりやすい伝え方か」など、目的・場面・状況に応じて情報を整理しながら考えを形成し、再構築する学習を意識しました。

「1人1台端末」活用のポイント

これまでは容易ではなかった「学習の過程を記録に残す」や「内容をブラッシュアップする」などを、1人1台のタブレットを活用して、学習の過程を録画するようにします。前時までの紹介文に少しずつ文を増やしていくことも自分で確認できますし、「伝わりやすい伝え方か」という点も客観的に見ることができます。また、学級の様子によっては、教師が紹介をしている映像をGoogle Classroomにあげておくことで、困り感のある児童もそれを参考にして主体的に取り組むことができます。

さらに教師側も、録画を提出してもらうことで、児童の進捗状況やつまずきが把握でき,単元の終わりには評価の参考にできるなど、指導に生かせることも大きなポイントです。

単元計画

単元計画表(クリックすると単元計画表が表示されます)
小5外国語 Unit 5 “Where is the post office?”指導アイデア 単元計画表

授業の流れ(全8時中 1〜4時)

第1時

1.挨拶

Let’s enjoy English! Hello. How are you?

2.Teacher Talk

Kyle先生(ALT)に新しく来るALTについて簡単に紹介してもらい、『新しいALTの先生に、私たちの暮らす上町を英語で紹介してあげよう!』と提案してもらいます。子供が意欲的に単元ゴールに向かえ、Kyle先生と児童が協力しながら英語表現を考えることが自然な流れとなるようにします。また、HRTは単元のゴールを伝え、児童が見通しをもって取り組めるようにします。

New ALT is coming to the DAISHI elementary school. New ALT is Mollie先生.
Mollie先生 from U.K.
She is interested in Japanese food and history.
Let’s introduce to Mollie先生 KAMIMACHI where we live.

Where is the recommended place in KAMIMACHI?

○○(魚屋さんの名前)? 魚がおいしいけど……。Fish good……?

歴史が好きなんだったら、龍馬の生誕地も紹介したい。でも、どうやって道案内したらいいかな?

これから、どんな紹介にしたいか、道案内の仕方はどうするのか、学習していきます。

3.【Starting Out】(p.46-47)「英語を聞いて、それぞれの道順をなぞり、目的地を探そう。」

教科書p.46~47のイラストを見せ、「どんな建物があるかな?」「道順はどんなふうに表現するのかな?」と、場面の予想をさせます。

Open your textbooks to page 46-47. Please, look at the pictures.  
What’s this? Can you guess?

Listen and trace the routes.

4.【Enjoy Communication】(p.51)「道案内をしよう。」Step3

デジタル教材にある道案内をしている映像を見せ、単元の見通しをもたせます。

Let’s watch and think. What can you hear?

5.タブレットに録画する

既習の表現などを使って紹介文を考えさせ、タブレットに録画しておきます。

*必要に応じて【Let’s Sing】(p.47)を扱います。

6.振り返り

振り返りカードを記入し、共有します。

<振り返りの視点>
・場所を尋ねたり、答えたりするやり取りのおおよその内容が理解できたか。
・単元ゴールを知り、見通しをもつことができたか。

Reflection time.

What day is it? 

It’s Tuesday.

Good. What’s the date today?

It’s October 4th.

That’s right.

授業の導入時に日付や曜日を尋ねるというルーティンではなく、「振り返りシートを書く際に、今日の日付や曜日を記入するという必然性のある場面で尋ねるようにします(2時間目以降も同様とする)。

7.【Sounds and Letters】(p.93)

*本単元においては、1学期からアルファベットを書くことに慣れてきている児童が、アルファベットについて音と文字を意識することができるように継続して指導しましょう。

ALTが続けて言う3文字の名前を聞き、小文字を書きとります。

Let’s listen and write all three letters you heard.

8.挨拶

That’s all for today. Thank you.


第2時

1.挨拶

Let’s enjoy English! Hello. How are you?

2.Small Talk

校区の建物(ここでは郵便局)を道案内するやり取りを行います。簡単な校区の地図を用いて、道順をたどりながら見せることで、視覚的にもわかりやすくします。

Do you know RYOMA-post office?

Where is RYOMA-post office?

Go straight for three blocks. Turn left. Go straight for two blocks.
You can see it on your left.

Oh, I see.

小5外国語 Unit 5 「Where is the post office?」指導アイデア イラスト

3.【Let’s Try ②】(p.47)「英語を聞いて、頭文字を集めて宝物を探そう。」

ワークシートを配り、設問を確認させます。単語を書き取り、4つの単語の頭文字を集めて宝物を考えさせます。

Hand out the worksheet.  

Write down four words.

4.【Let’s Watch and Think】(p.47)「何を表した記号かな?」

外国の記号を見て、何を表しているか予想させます。その後、英語を聞いて答えを記入させます。

Open your textbooks to page 47.
What does this symbol mean? 
Listen and write down the answer.

*必要に応じて【Let’s Chant ①】(p.47)を扱います。

5.自分が紹介したい場所について話をする

ここまで学習した表現を使って、自分が紹介したい場所について話をさせます。

児童が学習したことや既習の表現を駆使して話をさせましょう。自分で考えて話すことに慣れるとともに、単元ゴールに向かって内容が深まるようにしましょう。

6.振り返り

振り返りカードを記入し、共有します。

<振り返りの視点>
・場所を尋ねたり答えたりするやり取りについて、話したり聞いたりすることができたか。

7.【Sounds and Letters】(p.94)

アクセント⑤の音声を聞いて、アクセントのある場所を塗りつぶさせます。

Let’s listen and color in the circles marking the places with accents.

8.挨拶

That’s all for today. Thank you.


第3時

1.挨拶

Let’s enjoy English! Hello. How are you?

2.Small Talk

最初にHRTとALTがやり取りを行い、次に前時までに学習してきたことを用いて、友達と尋ね合います。

Where is the convenience store?

Here. Go straight. Turn right at the first corner. Go straight for just a little bit.
You can see it on your left.

3.【Let’s Listen ①】(p.48)「探しものは何かな。」 *評価活動「聞くこと」(知・技)

教科書誌面に描かれている絵について確認します。物の名前と色を確認した上で、音声を聞かせます。

Where is it? Let’s listen and draw circles.

Where is ~? Go straight for ~ block(s). Turn left/right. およびその関連語句などについて理解しているか、場所や位置の尋ね方や答え方などについて聞き取る技能を身に付けているか、評価を行います。

4.【Let’s Try ③】(p.48)「ペアになって探しものがどこにあるのか尋ね合おう。」

まずは、HRTとALTでやり取りをしたり、ALTから児童に尋ねさせたりしてから、ペアでやり取りをします。

Where is the clock? 

It’s on the wall.

Where is the cat? 

It’s by the bed. It’s white.

Where is the ball? 

It’s in the box.

*必要に応じて【Let’s Chant ②】(p.47)を扱います。

5.自分が紹介したい場所について話をする

ここまで学習した表現を使って、自分が紹介したい場所について話をさせます。

児童に学習したことや既習の表現を駆使して話をさせます。自分で考えて話すことに慣れるとともに、単元ゴールに向かって内容が深まるようにしましょう。

6.振り返り

振り返りカードを記入し、共有します。

<振り返りの視点>
・位置の尋ね方や答え方などについて理解できたか。

7.【Sounds and Letters】(p.93)

教師が続けて言う3文字の名前を聞き、小文字を書きとります。

Let’s listen and write down in lower-case letters.

8.挨拶

That’s all for today. Thank you.


第4時

1.挨拶

Let’s enjoy English! Hello. How are you?

2.Small Talk 

前時と同じように、最初にHRTとALTがやり取りを行い、次に前時までに学習してきたことを用いて、ペアになって友達と尋ね合います。

Where is 〇〇(校区の中学校名) Junior High School?

Here. Go straight for two blocks. Turn left. Go straight for just a little bit.
 You can see it on your left.

3.【Let’s Listen ②】(p.49)「グリーン先生は何とたずねたのかな?」 *評価活動「聞くこと」(知・技)(思・判・表)(態度)

英語を聞いて、答えの選択肢を選び、番号に〇をつけます。

Let’s listen and choose what Ms. Green is asking for.

自分の知りたい場所や位置を尋ねたり、相手を案内したりするために、場所や位置の尋ね方や答え方などを聞き取っているか、評価を行います。

4.【Let’s Try ④】(p.49) 「友だちとペアで警察官とグリーン先生になったつもりで道案内をしよう」

警察官とグリーン先生になりきって、道案内のやり取りをします。

Where is the library?

Go straight for one block. Turn left. You can see it on your right.

Thank you.

You’re welcome.

*必要に応じて【Let’s Chant ①②】(p.47)を扱います。

5.自分が紹介したい場所について話をする

ここまで学習した表現を使って、自分が紹介したい場所について話をさせます。

児童に学習したことや既習の表現を駆使して話をさせます。自分で考えて話すことに慣れるとともに、単元ゴールに向かって内容が深まるようにしましょう。

6.振り返り

振り返りカードを記入し、共有します。

<振り返りの視点>
・地図を使って既習の表現で道案内をします。

 7.【Sounds and Letters】(p.94)

アクセント⑥の音声を聞いて、アクセントのある場所を塗りつぶさせます。

Let’s listen and color in the circles marking the places with accents.

8.挨拶

That’s all for today. Thank you.

 

第5時~第8時は、小5外国語 Unit 5 「Where is the post office?」指導アイデア②をご覧ください。


イラスト/荻野琴美(オーデザインチャンネルズ)、横井智美

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