小1算数「おおきいかず」指導アイデア(3/14時)《10 のまとまりがいくつと端数がいくつ》
執筆/神奈川県公立小学校主幹教諭・黒木正人
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥
目次
本時のねらいと評価規準
(本時3/14時)
ねらい
「10 のまとまりがいくつと端数がいくつ」という数の見方を活用して、物の数の数え方を考え、説明する。
評価規準
2ずつ、5ずつ、10ずつ、というように数のまとまりをつくり、そのまとまりに着目して数えたり比べたりする方法を考えることができる。

学習問題
問題
ペットボトルキャップが なんこ あるか わかるように ならべましょう。
※問題は提示しない。
今度の図工で使う材料を配りますね。(ペットボトルキャップを配付)
みんなに渡したペットボトルキャップは何個あると思いますか。
(数を予想して言う)
では何個あるのか、数が分かるように並べられますか。(問題の提示)
「分かるように」ってどういうことかな。
ほかの人が見ても分かるようにしたらよいということじゃないかな。
数が分かりやすいように……。
数えるときのやり方がよいかもしれない。
見てすぐ分かるとよいってことだね。
どんなふうに並べたらよいですか。
まとまりにしたらよいと思います。
学習のねらい
おおくのもののかずをわかりやすくあらわすことができるかな。
見通し
- 数えるときは10のまとまりとばらを合わせたらよかった。
- 間違えていないことがはっきり分かるように並べるとよい。
自力解決の様子
A つまずいている子
並べたが、確認が必要で、数えて求めている。

B 素朴に解いている子
まとまりはつくっているが、列にすることが分からず、数えて求めている。

C ねらい通りに解いている子
10のまとまりが見えるように並べ、端と横を揃えて数え直しやすくしている。

学び合いの計画
数える活動は、学年を通して学んできています。これまで2ずつ、5ずつのように数のまとまりをつくって数えたり、10を基に数を表現したりしてきています。
この単元では、10のまとまりに着目して数を正しく数えたり、数えた物を分かりやすく表したりすることが大切です。単元を通して具体物を数える活動に取り組み、これまで何気なく行ってきたそれぞれの数え方に、算数的価値があることに気付けるようにします。
なかでも10のまとまりの個数と端数という数え方が、数え間違いが少ないことやより手際よく数えることができることを、子供自身が見いだせるようにすることが必要です。
また、この活動は二年生のかけ算にもつながることを教師が意識しておくようにしましょう。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
何個あったか分かりましたか。
40個です。
本当に合っているかすぐに分かる並べ方は、どんな並べ方ですか。
1から40まで数え直すのはいやだね。
10個ずつまとめると、数えるのが10までだからよいね。
でも、結局40回数えるから大変だね。
10まで数えて並べたら、数えるのは10までの1回だけでできます。
全部数えなくても分かるような並べ方があるということですか。
「分かりやすく並べる」ときにも似たようなことをやったね。
10個を縦に並べて、横を揃えたら全部は数えなくていいし、合っているかもすぐに分かります。
どうしてすぐに分かるのですか。
最初の10個だけを数えたら、10が4つで40となります。
数える回数が減ると、数えやすくなるし、間違いにくくなります。
5ずつより、十の位が見えやすいと思います。
本時のまとめ
10のまとまりに着目した、数の数え方や表し方のよさに気付くようにする。具体物の操作と数字や言葉での表現を関係付けながら、効率的な考え方を価値付ける。
評価問題
40こから4ことったときのかずがわかるようにならべましょう。
子供に期待する解答の具体例
下の図のような並べ方。
10のまとまりに着目している。
何度も数え直さないよう揃えている。

下の図のように、10 のまとまりから、1ずつ減らして9のまとまりが4つとする子供の発想は、かけ算につながる考えのため、見方としては大事にしたい。

本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
10のまとまりに着目していくことで、数えやすく、また数える手間が少なく、さらには数に置き換えやすいことに気付く。
感想例
- 10ずつまとめると、十の位がすぐ分かるので、数がすぐに分かりました。
- 10ずつまっすぐ並べると、数える回数が減るから間違いが減って簡単でした。
イラスト/横井智美
『教育技術 小一小二』2021年1月号より