小1体育「ゲーム(ボールゲーム)」指導アイデア
執筆/熊本県公立小学校教諭・西村正之
編集委員/前スポーツ庁政策課教科調査官・高田彬成、熊本県公立小学校教頭・村上剛史
目次
授業づくりのポイント
投げる経験の少ない子どもの多くは、どのように投げればいいのかという点でつまずき、思うように投げることができないことで、運動への意欲がなかなか高まらないことがあります。ボールゲームの学習では、投の粗形態を確認しつつ、繰り返し夢中で投げることで取り組んでいくような教材を用意することが必要です。
さらに、ルールがシンプルであることと、使う用具が子どもたちの実態に合っていることが大切です。片手で握って投げることができるボールであることと、45分の学習の中で何回も投げることができるゲームになるような工夫をしましょう。
単元計画(例)
※1時間目を含む4時間は、投げることの楽しさに触れ、5時間目以降はチームで力を合わせて相手コートに投げ入れるゲームを楽しむことを想定しています。
楽しもう① 「ボールゲーム」を楽しもう
ネット型ゲームの入り口として、思わず手に取って投げてみたくなるような道具と投げ込みたいスペースがあることで、子どもたちは、ボールを投げることに夢中になります。そこに、時間の制限や越えなければならない適度な障壁(ネット)、距離に応じた点数などのルールを取り込むことで、楽しいゲームとなります。
さらに、もっと得点するために、障壁(ネット)を投げ越すための動きに気付くような発問や動きづくりを確認する場を工夫し、友達と一緒に運動することや、きまりを守ることの楽しさを味わうことができるようにすることが大切です。どの子もゲームを楽しむことができるよう、制限時間の緩和や、点数に幅をもたせるなどの配慮をしましょう。
どんどんスロー・どんどんラリーを楽しもう
【どんどんスロー】
30秒でどれだけたくさん、ネットを越えて投げ入れることができるかを競い合うことを楽しむゲームです。
チーム対抗戦にすることで、励ましや教え合いをする姿が見られるようにします。また、投げる場所、ネットの高さ、点数による配慮をすることで、どの子も楽しむことができるようにします。
【ポンポン】
ビニール袋に緩衝材を入れてつくります。竹串で40箇所ほど穴を開けると、つかんだ瞬間に空気が抜けるのでキャッチしやすくなります。
【どんどんラリー】
30秒で落とさずに何回キャッチボールができるかを競い合うことを楽しみます。相手が捕りやすいボールの投げ方、落とさない構えに気付くような声がけをすることが大切です。
楽しもう② チームで力を合わせて、ドキドキハラハラするゲームを楽しもう
単元前半の学習では1対1でゲームを楽しみながら、投げる動き、飛球を落とさずに捕る動きを経験しました。
イラスト/たなかあさこ、横井智美
『教育技術 小一小二』2019年6月号より