小3理科「植物をそだてよう」指導アイデア

執筆/福岡県公立小学校教諭・藤永真良
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、福岡県公立小学校校長・古澤律子

単元のねらい

複数の種類の植物を育てるなかで、成長の過程や体のつくりに着目して、それらを比較しながら調べる活動を通して、植物の育ち方や体のつくりについての理解を図り、観察などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見いだす力や生物を愛護する態度、主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

小3理科「植物をそだてよう」指導アイデア
写真/金川秀人

単元の流れ(総時数 13時間)

一次 種まき・育つ様子(5時間)

① 植物の育ち方の予想
② 種の観察
③ 種まき
④ 芽が出た後の様子
⑤ 子葉が出た後の様子

二次 育つ様子と体のつくり(根・茎・葉)(2時間)

① 育つ様子
② 植物の体のつくり

三次 育つ様子と花の様子(2時間)

①② 育つ様子 花の観察

四次 花が咲いた後の様子(4時間)

① 花が咲いた後の植物の様子
②③ 植物の育ち方をまとめる
④ 学んだことを確かめよう

単元デザインのポイント

学習全体の見通しをもつ

第一次から第四次まで、継続して植物の成長の過程を調べます。これまでの栽培経験などを基に、植物の成長を予想し、その後の学習に見通しをもてるようにします。調べたことを基に、次ごとにふり返ることで、新たな問題を見いだすようにします。学習経験を十分に生かし、主体的な問題解決をさせましょう。

観察の視点の確認

この単元は、理科学習の学び方を押さえるのに適した単元です。予想を基に、育ち方を調べる方法について確認をし、観察の視点をしっかりと決めましょう。その際、子供の予想を確かめるためには、どんなところを観察したらよいかを考えさせながら、一緒に決めます。また、それを教室掲示し、いつでもふり返れるようにしましょう。

見方 主として「共通性・多様性」

「共通性・多様性」というメガネで見てみよう!

共通性:体のつくり・・・根・茎・葉
育ち方・・・種 → 子葉が出る → 茎がのびる・葉の数が増える → 花が咲く → 実ができる → 枯れる

多様性:種の形や色、大きさ、体の形など植物によって違う。

考え方
観察したことを基に、種の形や育ち方を「比較して」考える。

これでばっちり!! 単元の導入はこうしよう!

その植物について知っていることを発表させる

子供たちが興味を持てるように、写真や実物を見せたり、その植物について知っていることを発表させたりします。

矢印マーク

これから育てる植物がどのような順序で育つか、予想します。そのときに、これまでの栽培経験などをふり返り、問題を見いだすようにします。

活動アイディア

資質・能力の育成をめざして!!

複数の植物の世話を同時にするなど、自分が決めた対象と密にかかわりをもたせましょう。栽培活動を継続したり、比較観察を通して共通点や差異点を基に見いだした問題を追究したりすることで、生物を愛護する態度や主体的に問題解決しようとする態度といった資質・能力を育成しましょう。

授業の展開例

芽が出た後の様子

【自然事象へのかかわり】

ヒマワリとホウセンカの芽

ヒマワリもホウセンカも芽が出たよ。

植物が芽を出すタイミングはそれぞれ違うため、変化に気が付いたときに観察できるようにします。子供が自由に観察できるように、観察カードなどはすぐ手に取れる場所に常備するとよいでしょう。

【問題】

芽が出た後の様子は、ヒマワリとホウセンカでは同じだろうか。

【予想】

アサガオと同じように、ヒマワリとホウセンカも2枚の葉が出て、様子は同じだと思う。

【解決方法の立案】

イラスト/横井智美、たなかあさこ

『教育技術 小三小四』2019年5月号より

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