小2生活「生きもの なかよし 大作せん」指導アイデア

執筆/愛知県公立小学校教諭・中田英子
編集委員/前・文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官・愛知淑徳大学准教授・加藤智、愛知県公立小学校校長・稲田あけみ

期待する子供の姿

知識及び技能の基礎

生き物を観察したり世話をしたりする活動を通して、生き物には生命があることや、適した環境や世話のしかたがあることに気付く。

思考力、判断力、表現力等の基礎

生き物を観察したり世話をしたりする活動を通して、それぞれの生き物の変化や成長の様子に関心をもって働きかけることができる。

学びに向かう力、人間性等

生き物を観察したり世話をしたりする活動を通して、生き物に関心をもち、親しみをもって大切に育てようとする。

単元の流れ(22 時間)

先生「学校で飼ってみたい生き物はいるかな? 」
子供「泳いでいるところが見たいから、メダカを飼ってみたいな。」
子供「はさみがあってかっこいいから、ザリガニがいいな。学校のビオトープにたくさんいるよ。」

身近にいる生き物を探してみよう(3時間)

評価規準等
 生き物に関心をもって関わろうとしている。

※評価規準等の =知識・技能、 =思考・判断・表現、 =主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。

川で生き物を捕まえよう(4時間)

先生「近くの川で、生き物を探してみましょう。」
子供「地域の講師さんに捕まえ方を教えてもらったよ。」

評価規準等
  生き物の特徴や生き物がいる場所を意識しながら、育ててみたい生き物や採集方法を選んだり決めたりしている。

長く飼うためにはどうしたらよいのかな(4時間)

子供1「どうして死んじゃったのかな。」 子供2「水がいけなかったのかな。」 子供3「2匹一緒に入れ たのがいけなかったのかな。」

評価規準等
 それぞれの生き物に合った世話のしかたがあることに気付いている。

生き物マスターをめざそう(2時間)

子供1「どうやって飼ったらいいのかな。子供2「えさは何かな。図鑑で調べてみよう。」
子供「 生き物マスターさん、僕の生き物の元気がないのはどうしてですか。」

評価規準等
 生き物の変化や成長の様子に関心をもち、毎日のえさやりなどの世話をしている。   
 生き物の立場に立って関わり方を見直しながら、世話をしている。

にっこにこハウスをつくろう(2時間)

先生「生き物がにっこにこになるすみかづくりをしましょう。」
子供1「川には草があったから、水草を入れたいな。子供2「 捕まえた場所を思い出して考えるよ。」子供3「 石を入れて、隠れられる場所をつくろうかな。」

評価規準等
 それぞれの生き物がすんでいた環境をもとにして、生き物にとって暮らしやすいすみかを考え、材料を準備している。
 生き物の特徴、育つ場所、変化や成長の様子に応じて世話をしようとしている。

「にっこにこ水族館」を開き、一年生を招待しよう(5時間)

子供1「クイズを出したら楽しんでもらえるかな。」子供2「 タッチコーナーをつくって触れるようにしたらどうかな。」
子供「えさは、にぼしをたくさん食べるよ。 」

評価規準等
 毎日の観察や世話を通して、発見したことを工夫して伝えている。  
 世話が上手にできるようになった自分自身の成長に気付いている。

「元気でいてね」今まで飼っていた生き物をどうするか考えよう(2時間)

子供1「ずっと世話をしてきたから、これからも飼い続けたい。」子供2「教室で協力して飼いたい。卵を産んで赤ちゃんが育つかもしれない 。」
子供「せまい所で飼うより捕まえてきた所に返したほうが、生き物にとって幸せかもしれない。」

評価規準等
 育ててきた生き物のことや心を寄せて世話をしてきたことなどをふり返り、 生き物の立場に立って表現している。
 生き物に親しみや愛着をもち、生命あるものとして関わろうとしている。

活動のポイント1 
飼育活動への意欲が継続する工夫をしましょう

生き物に関心が向くような場の設定

生き物は、大半の子供にとってはとても魅力的です。一方で、苦手意識をもっている子もいます。まずは、生き物に関心を向けることから始めましょう。

生き物が題材の絵本や図鑑、生き物に詳しい作家の本を揃えて学級文庫に置いたり、学校司書と連携して生き物本コーナーを設置したりして、いつでも気軽に読める工夫をしておくとよいでしょう。

また、飼育場所は、教室など身近な場所にしましょう。ちょっとした変化に気付きやすく、興味も増します。

愛着をもたせる工夫

生き物は自分たちと同じ命があることに気付き、責任をもって世話ができるよう、一人1飼育とします。採集活動で、自分で捕まえた生き物を育てることで、より親しみが増し、活動意欲が高まります。

子供「えさだよ。あれ? 様子が変だぞ。 」

観察や世話で生き物マスターを目指す

飼育活動では、授業だけではなく、毎日、生き物の様子や自分が世話したことを記録していきましょう。成長の様子や変化が分かります。記録を蓄積していくことで、脱皮や変態することなど、生き物によって成長のしかたが違うことに気付き、生き物への興味関心が高まります。  

また、「修行中」から「生き物マスター」 へレベルアップする仕組みなど、子供たちが楽しみながら活動できる工夫を取り入れるのもおすすめです。

子供「私のザリくん、元気がないと思ったら脱皮したよ。」

活動のポイント2 
地域の特性や地域の人、友達との関わりがもてる活動をしましょう

地域性を生かして

自然に恵まれた地域であれば、その特性を生かし、安全を確認したうえで近くの川で生き物探しをするのがおすすめです。実際に川に入って行う活動は子供を夢中にさせます。

近くに安全に活動できる場所がなければ、学校のビオトープやプールを活用するとよいでしょう。

身近な場所で、自分で捕まえた生き物を飼うことが、子供たちの意欲を育み、責任をもって大切に飼うこと、命と向き合うことへとつながります 。

地域の人や友達との関わり

地域講師を迎えて  

地域講師から話を聞く子供たち

生き物に詳しい地域講師の方がいたら、一緒に活動してもらいましょう。生き物について楽しく紹介してもらったり、川遊びの体験を話してもらったりするこ とで、子供たちの意欲が高まることでしょう。

飼育中の悩みに対してアドバイスをしてもらうことで、生き物への関心をさらに高めることもできます。

生き物掲示版の設置

生き物掲示板を見る子供達

分からないことや知りたいことをつぶやいたり、見てほしい自慢を書いたりする掲示板を設置することで子供同士の関わりも生まれます。友達の疑問に答えたり、調べてアドバイスをしたりすることで、友達の生き物と比べ、同じところや違うところに目を向けられるきっかけにもなります。

また、成長の違いや特徴について意見交換することで気付きも生まれます。観察時に大きな変化があったときには写真を撮り掲示することで、育ててきたことへの自信にもつながります。

生き物の命を考えるために

「にっこにこ水族館」の場面で

子供「大事に飼っているからあまり触らせたくないなあ。」先生「触らなくても紹介する方法はないかな。水族館はどんな工夫をしているかな。」

大切に世話してきたからこその葛藤を認め、称賛したうえで、水族館での展示方法などを紹介するとよいでしょう。

「元気でいてね」の場面で

「にっこにこ水族館」の後、今まで大切に飼ってきた生き物をこの後どうするか、子供たちが培ってきた自然への知識と生き物への感情が入り混じるなか、自己決定を迫られる場面です。子供たちの自然観や生命観を確かにする大切な場面になります。

一人ひとりの思いを大切にし、今までの生き物との関わりから、それぞれが根拠を明らかにして自己決定できるよう支援したいものです。

評価のポイント 

生き物を観察したり世話をしたりする活動を通して、生き物に関心をもち、親しみをもって大切に育てようとしている。

●こんな場面で見とりましょう

飼育活動の様子

子供「川の様子を思い出して、すみかをつくったよ。」

観察カード

子供「えさを全然 食べないの。心配ね。」

全体での交流 友達との伝え合い

子供1「何がいけないのかなあ。」子供2「水が濁っているよ。」子供3「えさをあげすぎると、残った餌が腐って水が濁るよ。」

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小一小二』 2021年6/7月号より

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!

授業改善の記事一覧

雑誌最新号