小1生活「むかしあそびの名人になろう」指導アイデア
執筆/大分県公立小学校教諭・岩金清美
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官/愛知淑徳大学准教授・加藤智、大分県教育庁義務教育課指導主事・後藤竜太
目次
期待する子供の姿
知識及び技能の基礎
地域の方と一緒に遊ぶ活動を通して、昔の遊びの楽しさや身近な人々の優しさ、自分ができるようになったことに気付く。
思考力、判断力、表現力等の基礎
地域の方と一緒に遊ぶ活動を通して、遊び方を考えたり、支えてくれた人々について考えたりすることができる。
学びに向かう力、人間性等
地域の方と一緒に遊ぶ活動を通して、地域の方に親しみや感謝の気持ちをもち、意欲的に生活しようとしている。
単元の流れ(10時間)
むかしはどんなあそびをしていたのか出し合おう(3時間)
・地域の方と昔から伝わる遊びについて知っていることを出し合う。
・やってみたい昔の遊びを決めて遊ぶ。
・やってみて困ったことを出し合う。
【評価規準等】
思 これまでの体験や本、家族の話などから、やってみたい遊びを決めている。
※評価規準等の知 =知識・技能、思=思考・判断・表現、態=主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。
ちいきのかたとむかしのあそびをしよう(4時間)
・一緒に遊んで、地域の方の技のすごいところや遊び方のこつを見付ける。
・見付けたこつを試して遊ぶ。
・上手に遊べるこつを友達と伝え合う。
【評価規準等】
知 昔遊びの面白さや地域の方の優しさ、遊びには固有の技やこつがあることに気付いている。
態 上手に遊ぶこつを見付けたり、試したりして、工夫して遊んでいる。
ちいきのかたとあそんで、見つけたこつをためし、むかしあそびの名人になろう(3時間)
・自分ができるようになったことを見てもらう。
・学習のふり返りをして、自分の成長や友達のがんばりを書く。
【評価規準等】
知 地域の方の優しさや、昔の遊びができるようになった自分の成長に気付いている。
態 地域の方に感謝の気持ちをもち、これからも意欲的に生活しようとしている。
活動のポイント1
思考が働くような多様な学習活動を
繰り返し遊ぶ活動から、「見付ける・比べる・たとえる」などの分析的に考える力や「試す・ 見通す・工夫する」などの創造的に考える力が働くようにしましょう。
まず自分たちだけで昔の遊びに挑戦し、困ったことやうまくいかなかったことを出し合います。「遊びが上手な人に教えてもらいたい」という子供の思いや願いから、地域の方に教えてもらう活動へとつなげます。
「どうすれば自分も昔遊びの名人になれるのか」を常に考えながら、活動を続けていくことができるようにします。見付けたこつを試したり、自分と友達の遊び方を比べたりする活動を十分に行うことが大切です。
【主な活動・環境構成】
おもちゃごとのコーナーを設ける
見付ける、比べるなどの思考の発揮が期待できます。
見付けたこつを付箋に書き、掲示する。
見付ける、試す、見通すなどの思考
一緒に遊んだときの写真を掲示しておく。
例える、工夫するなどの思考
名人をめざす。
見付ける、試す、見通すなどの思考
活動のポイント2
気付きの質を高めるための対話的な活動を工夫する
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小一小二』2020年11月号より