小3国語「案内の手紙を書こう」指導アイデア
教材名:案内の手紙を書こう(東京書籍 三年下)
指導事項:〔知識及び技能〕(1) キ 〔思考力、判断力、表現力等〕B (1)イ エ
言語活動:イ
執筆/福岡県公立小学校教諭・加納奈々
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・太田敦生
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
相手に伝えたいこと(気持ちや必要な情報)を落とさずに書くとともに、間違いを正したり、相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして、文や文章を整える力を育成します。
②言語活動とその特徴
本単元では、「学習発表会(行事)を案内する手紙を書く」という言語活動を位置付けます。家族や友達などに対して手紙を書いた経験をもつ子供は少なくないはずです。その経験をふまえ、中学年として「相手に自分の気持ちや必要な情報を伝えているか」「言葉の使い方は正しいか、相手に合った言葉遣いか」のように、相手や目的を意識しながら、文章を整える力を身に付けさせます。
案内の手紙を書く際には、相手に「書いて知らせたい、分かりやすく伝えたい」という気持ちを大切にしていきます。導入では、行事に向けた子供の意欲やそのことを伝えたいという思いを引き出し、「学習発表会を案内する手紙を書こう」という課題を設定します。
第二次では、まず、相手に分かりやすく伝えるために、行事名や日時、場所、「来てほしい」という気持ちなどの必要な情報を落とさずに書いていきます。次に、自分で見直して書き直したり、友達との話合いを通して文に書き足したりして、文章を整えて書けるよう指導していきます。
単元の展開(5時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①学習発表会に向けての取組や思いを想起させ、大事なことを落とさずに案内の手紙を書くという学習課題、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び
【単元】学習発表会を案内する手紙を書こう。
第二次(2~4時)
②案内の手紙で必要な事柄と手紙の構成を考える。
→アイデア2 対話的な学び
③下書きをし、見直しをする。
→アイデア3 深い学び
④清書をする。
第三次(5時)
⑤書いた手紙を紹介し合う。よく書けているところや分かりやすいところを中心に感想を伝え合い、単元の学習をふり返る。
アイデア1 子供が主体的に、大事なことを落とさず書くために、必要な事柄に気付くことができるための工夫
相手に行事の案内をするためには、必要な情報を落とさずに書くことが重要です。ここでの大事なこととは、「相手の名前」「あいさつの言葉」「日時、場所」「どんな行事か」「来てほしいという自分の気持ち」「自分の名前」です。
このことに気付かせるために、大事なことが書かれた案内の手紙と不十分な手紙を提示します。二つの手紙の言葉や内容を吟味し比較することで、必要な事柄と手紙の構成を捉えさせるようにします。
▼不十分な案内の手紙
遠くに住むおばあちゃんに来てもらいたいけれど…、うまく伝わるかな?
▼大事なことが書かれた案内の手紙
「聞いてほしい」「ぜひ」の言葉から、来てほしい…という気持ちがよく伝わるよ。
日時など、相手が知りたいと思う事柄を書くことが大切なんだね。
アイデア2 目的意識・相手意識を高める交流活動の工夫
導入では、「案内の手紙を書きたい」「自分の気持ちを相手に伝えたい」という思いを引き出すことが大切です。最初に学級全体で学習発表会の練習を想起し、「自分の姿を見てもらいたい」という本番に向けた思いを発表します。
イラスト/横井智美
『教育技術 小三小四』2020年11月号より