次期学習指導要領に盛り込まれる生成AIが、子どもたちの学びを大きく変えようとしています。しかし、学校教育において最も大切なことは、今後もけっして変わらないはずです。
「コミュニケーション教育」の先駆者であり、現役の実践者でもある菊池省三先生が、けっしてぶれない教育の王道「学級づくり」をテーマに語る全3回講座の第2回。
今回は「聞き合う力、考え合う力を伸ばす2学期末までの学級づくり」をテーマにお届します。※2026年8月31日にライブ配信されたセミナーの記録映像です。
本セミナーの流れと概要
1.2学期は「話の和」を広げ、知的な学びを深める
1学期に築いた人間関係を土台に、2学期は「知的な学び」を充実させる時期。学級ディベートや子ども熟議などを通して、互いに聞き合い、考え合う学級へと成長させていくための視点や、教師が意識したい指導のポイントを解説します。
2.学級づくりの土台となる教師の「自己開示」と「相手軸」
子どもとの信頼関係を築くために欠かせない、教師自身の自己開示と、相手への敬意や誠実さを大切にする「相手軸」の考え方を紹介。教師の失敗や弱さも含めた率直な自己開示が、子どもたちの安心感を生み、互いを尊重し合う学級文化につながることを、具体的なエピソードを交えて解説します。
3.「聞くことは受信ではなく、発信である」―聞き合う学級をつくる教師の姿勢
子どもの発言を受け止める際に大切な、教師の表情や視線、うなずき、姿勢などの非言語コミュニケーションに着目。「あなたを尊重している」「安心して話してよい」というメッセージを伝える聞き方や、一人の子どもの発言を学級全体の学びにつなげる方法を、実践事例を交えながら紹介します。
4.3つのコミュニケーションモードを生かした授業づくり
子どもの思いを受け止める「共感モード」、意見を交わして考えを深める「議論モード」、教師の思いや知識を伝える「情報提供モード」の3つを紹介。アンパンマンとバイキンマンを題材にした授業実践などをもとに、それぞれのモードを効果的に組み合わせ、子どもたちの主体的な対話を引き出す授業づくりを解説します。
5.子どものよさを見つけ、自治的な学級へと成長させる実践
子どもの小さな成長や発言の価値を見逃さず、積極的にほめ、意味付け・価値付けしていく教師の関わり方を紹介。また、子どもへの「踏み込み方」や係活動の充実などを通して、一人ひとりが自分の力を発揮し、互いに認め合いながら主体的に活動する学級を育てるための実践的な視点を共有します。
6.質疑応答
参加者から寄せられた、子どもの話の聞き方、授業のテンポと丁寧な対話の両立、ほめる視点の見つけ方、係活動の活性化などの質問に回答。2学期の学級づくりで直面する具体的な課題について、菊池先生が自身の経験や実践をもとに解説します。
講師プロフィール
菊池省三(きくち・しょうぞう)
1959年、愛媛県生まれ。北九州市の小学校教諭として、崩壊した学級を20年以上にわたり次々と立て直し、その実践が全国から注目を集める。2012年にはNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演し、大きな反響を呼んだ。
「コミュニケーション教育」の実践者として、子ども同士が学び合い、認め合う学級づくり・授業づくりを全国で発信。現在は教育実践サークル「菊池道場」主宰として、全国各地で講演・研修活動を行っている。
主な著書に、『菊池先生の「ことばシャワー」の奇跡 生きる力がつく授業』(講談社)、『一人も見捨てない! 菊池学級12か月の言葉かけ コミュニケーション力を育てる指導ステップ』『「聞き合う力」「考え合う力」を鍛える授業』(ともに小学館)など多数。