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なんで髪を染めたらいけないのですか?

特集
いつでも「先生、しつもんです!」

フリーランスティーチャー

田中光夫

子どもたちから質問を募集し、先生の回答とともに紹介する『先生、しつもんです!』
子どものみなさんはもちろん、大人のみなさんも自分ならどう答えるか、考えて読んでくださいね。
今回の質問は、「なんで髪を染めたらいけないのですか?」です。

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習い事でダンスをやっていて、髪を金髪に染めています。
中学の見学に行く時に黒く染めてと言われました。
私は自分の髪色を気に入っているのに、黒く染め直すのは少し嫌です。
なんで、髪の色は黒じゃないといけないのですか?あと、なんで染めてはいけないのですか?
(k0k08・女の子・小学6年生)
#先生しつもんです! #その他

ルールメイキングに取り組んでみませんか?

小学校では、どんな髪型・髪の色であっても、それほどうるさく注意をされることはありませんでしたよね。実は、今の私の髪色は金髪ですが、だれもそれを注意することはありません。

一方、中学校以降は小学校にはなかった「校則」という強めのルールが存在することが多いですね。学校というのは一つの社会。多くの人が共同生活をする場所ですから、みんなが安心して過ごすためにはルールが必要です。

先日、中学校の先生方とお話しする機会がありました。そこで「中学校の髪型や色・服装のルールは、昔と比べてどうですか?」と尋ね(たずね)ました。すると「昔に比べ、かなりゆるくなりましたね。ですが、髪の色は黒しか認めません」と言いました。

理由を尋ねると、学校の先生たちは、髪の色を変えることが他のルールも破ることにつながるのではないかと心配しているようでした。でも、みんながそうなるわけではないし、髪の色を変えること自体は悪いことじゃないよね。ただ、先生方の多くは、昔の「学校が荒れた(あれた)時代」の苦い経験が心に残っていて、なかなかルールをゆるくすることができないでいるようです。

たしかに、かつて、中学校や高校が荒れに荒れた時代がありました。学校が定めたルール(校則)に従わない子どもたちを「不良」と呼び、とても厳しくルールを守らせようとしました。

でも、結果どうなったかというと、ますます子どもたちは反発し、学校や先生たちはお手上げ状態になったのです。(今でも大変な学校は少なくありません。)

今、日本中の学校では少しずつ校則を見直そうという動きが出始めています。子どもたち自らが校則を作っていく「ルールメイキング」という取組です。生徒会を中心に、生徒たちの「学校のここを変えたい」「そのために私たちはこんなことに取り組みます」という声を集めて、子どもたち自らルールを作り、それを守っていきながら新しい学校を作っていこうという運動です。

このように、社会が変化する中、「もうこのルールは今の時代に合っていないよね、だったら変えましょう」というのは自然な流れです。でも、大人の社会でもルールを変えるのはとても難しいことなので、そう簡単なことではありません。

今はまだ中学生の髪の色や髪型のルールは厳しいですが、k0k08さんの声・願いを校則に反映させるためにも、ぜひ「ルールメイキング」に取り組んでみませんか? その経験は、これからの未来を生きていくうえで、とても良い経験になるはずです。応援(おうえん)しています。

(フリーランスティーチャー・田中光夫先生)

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